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今回はベルリンを拠点に世界で活躍するコラージュアーティスト長尾洋をゲストに迎え、アトリエにお邪魔してインタビュー。

長尾 <No Commission>は、これまでにブロンクス、マイアミ、ロンドン、上海で開催されていて、次のベルリンが5都市目なんです。これまでに日本人は僕ともう一人、ブルックリン在住の大先輩アーティストのTomokazu Matsuyamaさんしかいなくて、しかも、コラージュって技法は絵画や写真とかに比べたらまだまだ新しい技法だから、先見の明を持ってる人たちに見てもらうのはすごくチャンスなんですよね。

【インタビュー】アーティスト長尾洋がコラージュに映し出す人間のルーツ km-post59_Music-Art-poster-700x875

宮沢 すごい抜擢じゃないですか!! ビッグチャンス到来ですね。当日は是非見に行かせてもらいます! 他に今後の計画とかやりたいこととかありますか?

長尾 先住民だけでなく、現代人もコラージュで制作してみたいですね。雑誌ではなく、実際の人物のスナップを撮って、そこからパーツを作りたいです。先住民と現代人を入れ替えたりして、”僕らって一体何者なんだろう?”って、考えにたどり着いて、自分のルーツを知りたくなってくれたらいいなと。僕たちは消費消費の物理主義の社会で生きてるけど、ルーツを知ることで先祖にリスペクト出来たり、考えが変わる気がするんです。こういったな思想を通して、”僕らは未来の先住民族になる。”というテーマにたどり着きました。つまり僕らはたった今ここだけに存在しているわけではないということも伝えていきたいんですよね。実は、自分の祖母は外国人みたいに彫りが深くて、不思議に思って先祖の戸籍を調べていったんです。そうしたら、ひいお婆ちゃんがアイヌ人だったことが分かったんですよ。

宮沢&カメラマン えええーーーーー???

長尾 100%ではないけど、苗字や出身地などからほぼ確定してますよね。いろんな先住民を調べていっているうちに自分のルーツにもたどり着いたと(笑)。

宮沢 ですね(笑)。考えたこともなかったけど、自分のルーツも調べたくなってきました(笑)。長尾さんが先住民に魅せられる理由の一つはそこにあったわけですね。遺伝子レベルの感性ってすごいなあ。

長尾 場所とか国とか特に限定しない作品作りをしているんですけど、満遍なくいろんな人に届くような作品にしていきたいですよね。人が無意識に寄っていってしまう世界共通で人間の持つ本能におもしろさがあると思うんです。だから、自分の作品を通して、見てくれた人の本能にも届くような表現が出来るんじゃないかなと思ってます。

宮沢 まさに”世界を魅了するもの”ですね。コマーシャルの力だけではない、本当に良いものはたくさんありますからね。最後になりますが、これから海外で活躍したい、移住したいと思っている日本人アーティストに向けて何かアドバイスがあったらお願いします。

長尾 うーん、やっぱりアートとかクリエイティブなことって、世界中で日々本当にいろんなことが起きているから、日本以外で何が起きているのかを意識することがまず第一ステップだと思いますよね。住めないにしても長期滞在してその土地を肌で感じて、そこから方向とかやり方とかを見つけていくことをしないと日本基準でやっていても広がっていかないですよね、クリエイティブな世界は言語を飛び越えて繋がっているものだから、ずっと日本だけにいたら突破口は見出せないと思います。だから、あまり重く考えずに、例えばここのこの色何にしようかな?って悩むのと同じぐらいの感覚で、あまり悩まず、とりあえず動き出さないといけないと思います。特にベルリンだったら住みやすいし、第一ステップに向いているんじゃないですかね。

宮沢 あれこれ頭で考えずにとにかく来いと。私もそれには賛成ですね。違った国の言葉、人、文化を知るだけで目の前の世界は変わって見えますからね。今日は暑い中貴重なお話をありがとうございました!!

【インタビュー】アーティスト長尾洋がコラージュに映し出す人間のルーツ km-post59__DSC3300-700x467

プロフィール

長尾 洋/Yoh Nagao
1981年横浜生まれ 愛知出身 ベルリン在住 名古屋造形大学視覚伝達コミュニケーション科卒。長尾 洋は2012年よりドイツ・ベルリンを拠点に活動している愛知県出身のコラージュアーティスト・ポップアーティストです。地元愛知県の名古屋造形大学を卒業後、グラフィックデザイナー、イラストレーターとしての仕事の現場でも存分に個性を発揮しながらもアーティストとして精力的に活動してきました。

頭角を現すようになったきっかけはユニクロクリエイティブアワード 2005(現 UTGP)、世界ポスタートリエンナーレ富山、SHIFTカレンダーデザインコンペティション等の国際的なコンペティションで作品がセレクションされたこと。これらの評価を受け、長尾本人の目も世界を向くようになり、2009年には人生初となる個展を香港で大成功させ、国際的なコンペティションでは2011年にARTAQ Urban Art Award(フランス)のコラージュ部門にて佳作を受賞。

同年にはロンドンで開催された<PICK ME UP Contemporary Graphic Art Fair>にも招待されるなど、活躍の舞台がより本格的に世界へと開かれて行きました。その後もLA、マイアミ、NY、チューリッヒ、ベルリン、パリ、アンジェ、ロンドン、東京などで開催されたアートフェアやイベントに多数参加。2008年にはパリの有名セレクトショップ、Coletteでも作品が展示されました。

さらに、LODOWN magazine(ドイツ)、DAZED AND CONFUSED magazine(イギリス)、dpi マガジン(台湾)といった世界的に知名度のある雑誌や書籍にも取り上げられるなど、その独 創的なスタイルやクリエイティビティー、世界観がさらに認知されてきております。このようにメディアに登場する機会が多くなるにつれ、独特かつ強烈にメッセージを発する長尾の作風がますます注目も集めるようになってきました。 

2014年夏にはハワイを拠点とするNGO:PangeaSeedFoundation主催のSEA WALLSプロジェクトに招集されメキシコのムヘレス島にて自身初となる屋外の大型壁画をニュージーランドのアーティストAaron Glassonと共に制作。2015年2月にはカンクンのNGO:World Art Destinations主催のIAP(インターナショナルパブリックアートフェスティバル・カンクン)において、30名の国内外のアーティストで唯一のアジア人として招待され、100機以上にも及ぶ紙飛行を使ったインスタレーションを制作・展示しました。日本国内ではJRA中京競馬場の2015年の年間ビジュアルにイラストが採用されるなど、非常に精力的に活躍している長尾は、知名度とともに近年はプライベートコミッション作品の依頼も多く、アーティストとして現在もっとも注目すべき新進気鋭の日本人アーティストとして認知されてきています。 

・作品展&アートフェア
2016 – 50 Contemporary Artists Group Exhibition by ENTER ART FOUNDATION in Berlin, Germany
2015 – Group Exhibition DREAMLANDS, CHG Circa, Los Angeles, USA
2015 – LA ART SHOW, Los Angeles, USA
2014 – SCOPE Miami Beach, Miami, USA
2014 – Birth of Cool group exhibition at The Ballery, Berlin, Germany
2014 – Detour Through Wonderland, rst european solo exhibition, Berlin, Germany 2013 – Art Fair ULTRA 006 at Aoyama Spiral, Tokyo, Japan
2012 – ARTAQ URBAN ARTS AWARDS, Angers, Paris, France
2011 – ARTAQ URBAN ARTS AWARDS, Angers, Paris, France
2011 – Pick Me Up contemporary graphic art fair at Somerset house, London, UK 2010 – Oct. Group exhibition“ism 2010”, tambourin-gallery, Tokyo, Japan
2009 – Dec. Fountain Miam Art fair, Miami Florida, USA
2009 – Feb. JOURNEY solo exhibition, Gallery Benten 17, Hong Kong
2008 – Dec. WONDERLAND art for all Group exhibition, Gallery Benten 17, Hong Kong 2007 – Dec. Project “WE-ARE -FAMILIA” at Colette, Paris, France 

・出版物
NAKEDBUTSAFE Magazine Issue7, 2014, Germany MITTESCHöNE Magazine July 2012, Germany
Fresh 3: Cutting Edge Illustrations Print, Slanted Germany dpi Magazine vol.139, TAIWAN
DAZED AND CONFUSED, KOREA
West East Magazine issue 28 “YOUTH”, HONG KONG Ming Pao daily weekly magazine, HONG KONG iLLUSTRATiON BOOK PRO 02, JAPAN
ASIAN YOUNG GRAPHIC DESIGNERS, GERMANY STREET T, SPAIN
Khooligan magazine, RUSSIA 

・コンテスト受賞入選歴
Artaq Awards 2011, Collage MENTION, France
SHIFT 2008 CALENDAR competition selected
8th INTERNATIONAL POSTER TRIENNIAL IN TOYAMA 2006 UNIQLO Creative Award 2005 top sellection 

オフィシャルサイト

EVENT INFORMATION

BACARDI 『No Commissions  The Dean Collection』@Kraftwerk Rummelsberg

2017.06.29(木)~07.01(土) 
詳細はこちら

photo by Hinatsu Saki
Instagram @sakihina_photography

宮沢香奈(Kana Miyazawa)

宮沢香奈(Kana Miyazawa)

フリーランスライター/コラムニスト

長野県生まれ。文化服装学院ファッションビジネス科卒業。 セレクトショップのプレス、ブランドディレクターを経たのち、フリーランスとしてPR事業をスタートさせる。ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積む。2012年頃からライターとして本格的に執筆活動を開始し、ヨーロッパのフェスやローカルカルチャーを取材するなど活動の幅を海外へと広げる。2014年に東京からベルリンへと活動拠点を移す。現在、Qetic,VOGUE,繊研,men's FUDGEなどで連載を持ち、多くのファッション誌やカルチャー誌に寄稿している。また、国内外のカルチャー情報&体験を提供するアクティビティーコマースBANANAにて、現地ガイドを担う。

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