超クールビズ
第一章:独身サラリーマン、誓いの言葉
お疲れさまです。
雨にも負けず、風にも負けず
奨学金の返済に怯えつつ
家のローンの心配なんてまだまだ先で
ビールにお金を払い続け
身体に鞭を打ちながらも
朝まで上司と酒して、婚期を逃しながらも
会社のストレスを騙し騙し生きながらえることを
誓います……
第二章:独身OL、誓いの言葉 返答
いつから挨拶が「お疲れさま」になったの
今は夜だよ、夜なら「こんばんは」でしょ
ずっと疲れてるの、普通にやばいよ、やめちゃいなよ
こんな満員電車なんか乗りたくないのは同じでしょ
数十年続けた慣れは怖いものだね
おじさんのSuicaの残高高すぎない?
どこまでもいけそうな錯覚に陥るけど、
港区からどうせでれないんでしょ
人混みの中の本当のゴミと戦う気力もなくなって、
オシャレに青山一丁目あたりで高めのディナーでもしようよ
ほら、気づけば金曜日を繰り返して
ここまで積み重ねて上げてきた何者でもない何かの話を聞かせてよ
何者でもない私と、浅く広い傷を舐めあって
結局はここから抜け出せないことを知ってるんだよね
来世ではなんにも着ないで、
いたくないとこにはいないで
超クールビズになれたらいいなって
思うわけですよね。
Special Thanks to paint:unomori