いよいよ3月4日(現地時間)にカルフォニア州、ハリウッドのドルビー・シアターで開催が迫った第90回<アカデミー賞>授章式。昨年は『ムーンライト』や『ラ・ラ・ランド』、『メッセージ』など、日本でも話題を呼んだ名作が受賞をしていましたが、今年はどんな作品が受賞するのでしょうか? 2018年公開映画も徐々に情報解禁となり、<アカデミー賞>もあいまって、みなさんの映画欲も増している頃だと思います。

映画好きの多いQetic編集部の映画欲ももちろん加速してきた! ということで、2018年に公開予定の映画の中でも「絶対に見逃したくない!」劇場で観たい!」と思う8作品を、<アカデミー賞>にノミネートしている作品も含め、見逃したくない理由と共にご紹介。見逃して後悔する前に厳選8作品をチェックせよ!!

<アカデミー賞>にノミネートした
見逃したくない4作

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』90秒予告編

第90回<アカデミー賞>で「作品賞」をはじめ計7部門でノミネートされている作品。この作品で特殊メイクと完璧な役作りで英国首相ウィンストン・チャーチルになりきっているのがゲイリー・オールドマン。

特殊メイクの効果もあるかと思いますが、ゲイリー・オールドマンだと言われなければ気がつかないほどの驚異的な役作りで話題となっている作品です。ヒトラーから世界を救った男なのかは定かではないですが、ゲイリー・オールドマンの名演技は見逃せないのではないでしょうか? ちなみに原題は『Darkest Hour』です。

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スリー・ビルボード

アカデミー賞有力! 映画『スリー・ビルボード』予告編

2月1日(木)公開のこの作品は、娘を殺された母親が、抗議のために大きな看板を町のはずれに設置するが、それを快く思わない、住民や警察達とのやり取りが描かれたストーリー。ただ単純な、サスペンスや、シリアスドラマと思いきや、肌の色の違い、体型の違い、などといった現在の世の中にも未だ蔓延る、人種差別等の問題などを訴えています。

現代社会においても重要な問題を取り込んで、自分自身も考えさせられる、今作の物語力は、見逃し厳禁だと思います!

by Yuuzirou Nakamoto

レディー・バード/Lady Bird

Lady Bird | Official Trailer HD | A24

『フランシス・ハ』や『20センチュリー・ウーマン』のグレタ・ガーウィグが単独監督デビュー作。一目見た瞬間、色使いやファッション、世界観に引き込まれました。物語は田舎に暮らすカトリック系の女子高生“レディー・バード”が将来について、家族について、またはボーイフレンドについて悩みながら、大学受験を経るまでを描いています。

おしゃれ青春映画といえば『ウォール・フラワー』の「青春ヤッホー!」という感じや、『パルアルト・ストーリー』の大人っぽい青春物語を思い浮かべてしまう私ですが、『レディー・バード』は、親と喧嘩すれば車から飛び降りるような女の子が主人公。素直で一直線な青春物語を感じます。

映画ではそんな等身大の高校生を全力で演じるシアーシャ・ローナンの演技に圧巻されること間違いないのですが、髪型や服装、電飾が飾られた部屋、プールに潜り込む瞬間、花火など、ファッショナブルなシーンやアイテムにも目が離せないはず。

とりあえず早く『レディー・バード』の世界観に浸りたい一心です!!

by MaoMao

ファントム・スレッド

映画『ファントム・スレッド』 予告

『パンチドランク・ラブ』『ザ・マスター』など、独特な緊張感とユーモアが印象的なポール・トーマス・アンダーソン監督の8作目となる『ファントム・スレッド』。本作の注目点は俳優ダニエル・デイ=ルイスとアンダーソン監督の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以来2度目となるコラボであり、彼が先日この映画で俳優業より引退を宣言したこと。ちなみに、ダニエルは『ファントム・スレッド』での役と同じファッションデザイナーを目指すそうだ。以前も靴職人になりたいと言って引退宣言をしていたような……。

アンダーソン監督によると、ダイニルは「観るTV番組について最悪の好み」を持っているそうで、何年か前には彼が『身も心も裸になる!男女二人のサバイバル『The Naked』(原題:Naked and Afraid )に取り憑かれていたそう。映画では、シリアスなダニエルとのギャップを頭の片隅に残しておくと面白いかもしれない。

また映画音楽にも注目! アンダーソン監督の名作(というか外れがない)『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ザ・マスター』『インヒアレント・ヴァイス』でもサウンドトラックを手がけた、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが本作に参加している。

コンビに辟易して「またお前かよ!」とキレるのではなく「本当にありがとうございます私たちはまたあの美しい体験をできるのですねもちろんサントラも買いますレコードで出してくれますよね」と天に祈っていたことが知らない間に叶っていたようなドリーム・カム・トゥル・エクスペリエンスであることを忘れてはいけない。

話は脱線しますが、<フジロック2013>で来日した際、「日本語で歌える曲があるのよ」とMCでオーディエンスを沸かせた後、ほとんどの人が知らないであろう演歌を披露し会場を騒然とさせたメンバーが所属する米インディー・ガールズ・ロック・バンド、ハイム(HAIM)の新作『Something To Tell You』からの映像作品の一部はアンダーソンが監督。彼の系譜を感じ取るにはもってこいの作品なので、是非チェックしてくれよな!

HAIM – Valentine

HAIM – Little of Your Love

HAIM – Night So Long (Live At The Greek)

2018年2月の最初に公開されたインタビューで「朝食で何を頼むかで、その人について多くのことが語れる」という格言を残したポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作『ファントム・スレッド』は、2018年5月26日(土)に公開。アンダーソン監督の過去作を観てない人は今すぐチェックです。待ちきれねぇよコノヤロー! 

by 船津晃一朗