『スターリンの葬送狂騒曲』のアーマンド・イアヌッチ監督が名優デヴ・パテルを迎え、イギリスの文豪ディケンズの自伝的小説『デイヴィッド・コパフィールド』を映画化した『どん底作家の人生に幸あれ!』。この度、1月22日(金)に全国公開される本作の本編映像が解禁となった。

映画『どん底作家の人生に幸あれ!』の本編映像が解禁!

本作では主人公デイヴィッド(デヴ・パテル)の波乱万丈の半生が、ブラックな笑いで包まれながら、ウィットに飛んだ数々の台詞と時にファンタジックな映像も交えて描かれている。少年の頃、周囲の“変わり者”たちのことを書き留めては空想して遊んでいたデイヴィッド。優しい母と家政婦の3人で幸せに暮らしていたが、暴力的な継父の登場によって人生が一変してしまう。彼は都会の工場へ売り飛ばされ、強制労働のハメに。しかも里親は、借金まみれの老紳士だった……。

歳月が過ぎ、ドン底の中で逞しく成長した彼は、母の死をきっかけに工場から脱走。たった一人の肉親である裕福な伯母の助けで上流階級の名門校に通い始めたデイヴィッドは、今まで体験した“作り話”を同級生に披露して人気者になる。さらに、令嬢ドーラと恋に落ち、卒業後に法律事務所で働き始めた彼は、順風満帆な人生を手に入れたかに見えた。だが、彼の過去を知る者たちによって、ドン底に再び引き戻されようとしてしまう。果たして、デイヴィッドの数奇な運命の行方とは……?

今回解禁となった映像は、ロンドンでの新生活を送るデイヴィッドが、一目で恋に落ちた令嬢ドーラに意を決してプロポーズしようするシーンだ。ドーラは「率直な話し方は嫌いよ。ジップに喋らせて」と、なんと愛犬ジップをデイヴィッドに差し出す。戸惑いながらも声色を変えて犬を片手に「君に会うたび、喜びに酔いしれる」と必死になってロマンティックな言葉を話し始めるデイヴィッド。そしてポケットのしのばせた指輪を手にひざまずいてプロポーズをしようとした瞬間、下宿先に至急戻るようにと大家からの呼び出しが入ってしまう。

不安な表情で下宿先に戻ると、そこには後見人の叔母のベッツィ(ティルダ・スウィントン)ミスター・ディック(ヒュー・ローリー)の姿が。そして「破滅したの」と驚きの言葉をかけられる。プロポーズという人生の幸せな瞬間から一転し、貧しい生活に逆戻りしてしまう主人公デイヴィッドの波乱万丈で数奇な運命を象徴するような場面を、名優デヴ・パテルがユーモアと悲哀たっぷりに演じている。

ディケンズの自伝的小説を映画化した『どん底作家の人生に幸あれ!』の本編映像が解禁!ブレイディみかこのコメントも到着 film210120_donzokosakka_4-1920x1280

ディケンズの自伝的小説を映画化した『どん底作家の人生に幸あれ!』の本編映像が解禁!ブレイディみかこのコメントも到着 film210120_donzokosakka_5-1920x1280

さらに今回は、英国在住のライター/コラムニスト・ブレイディみかこのコメントも到着した。混沌とする状況の今だからこそ、まさに観るべき本作を是非お楽しみに!

古典を大胆な手法で語り直すのは、英国のお家芸だ。伝統と革新。彼らの中ではこの2つは矛盾しない。現代の英国社会の多様性を反映するキャスティングでディケンズの名作を撮り直した本作も、その王道を行っている。
マイケル・ウィンターボトムの映画やモンティ・パイソンが好きな人はきっと気に入るだろう本作は、『スターリンの葬送狂騒曲』のイアヌッチ監督の作品だが、今回はずっとジェントルでやさしい。ああいう人も、こういう人も、現代の英国にもいるなと思いながら見た。そして気づいたのである。「まるでヴィクトリア朝時代に戻ったみたい」と言われるこの格差と貧困の時代に、『デイヴィッド・コッパフィールド』を撮り直すことそれ自体が、たいそうシャープな皮肉ではないかと。
階級を行き来する長い旅路の果てに、主人公が子どもの頃の自分に言う言葉は、コロナ禍という長いトンネルの中にいる私たちにも勇気を与えてくれるものだった。

ブレイディみかこ(ライター/コラムニスト)

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【公式】『どん底作家の人生に幸あれ!』本編特別映像「幸せから一気に転落!?」/2021年1月22日(金)公開

【公式】『どん底作家の人生に幸あれ!』予告編/2021年1月22日(金)公開

INFORMATION

どん底作家の人生に幸あれ!

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2021年1月22日(金)TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテ 他、全国順次ロードショー!
監督:アーマンド・イアヌッチ『スターリンの葬送狂騒曲』
原作:「デイヴィッド・コパフィールド」チャールズ・ディケンズ著(新潮文庫刊、岩波文庫刊) 
出演:デヴ・パテル『LION/ライオン ~25年目のただいま~』/ピーター・キャパルディ『パディントン』/ヒュー・ローリー『トゥモローランド』/ティルダ・スウィントン『サスペリア』/ベン・ウィショー『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』   
原題:The Personal History of David Copperfield/2019年/イギリス・アメリカ/シネスコ/5.1chデジタル/120分/字幕翻訳:松浦美奈 
配給:ギャガ
(c)2019 Dickensian Pictures, LLC and Channel Four Television Corporation

公式サイト