いま15歳という若さで、新世代の映画スターとして注目を集めているのが、カナダ出身のフィン・ヴォルフハルトだ。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で話題になって以来、フィンは個性的な顔立ちと人懐っこいキャラクターで注目を集めてきた。最近では、成長と共に美少年ぶりが開花。さらにロック・ミュージシャンという横顔も持っているというから、もう無敵としか言いようがない。

今が旬の俳優フィン・ヴォルフハルトの魅力に迫る!

2002年にカナダのバンクーバーで生まれたフィンは、幼い頃に映画の『スパイダーマン』を観て、俳優を目指すようになったとか。2014年頃から『ハンドレッド』『スーパーナチュラル』といった配信TVドラマに脇役で出演するなか、ブレイクするきっかけとなったのが、2016年からスタートしたNetflixのドラマ・シリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』だ。

ストレンジャー・シングス 未知の世界(原題:Stranger Things)

物語の舞台は80年代のアメリカ。ホーキンスという小さな町で、12歳の少年、ウィル(・バイヤーズ)が失踪する。母親や警察署長がウィルを捜索する一方で、ウィルと仲が良かった少年達もウィルを探して走り回る。そんな中、3人は謎めいた少女、エルと出会う。エルは少年達と行動を共にするうちに、不思議な能力を発揮。次第にウィルの失踪に絡む恐ろしい秘密が明らかになっていく。

異次元の世界、モンスター、超能力など、様々なSF/ホラーの要素を散りばめ、80年代ポップ・カルチャーのネタをたっぷり盛り込んだ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は、社会現象になるほど全米で大きな話題を呼んだ。

本作でフィンが演じたのは、ウィルを探す少年グループのリーダー的存在、マイクだ。マイクは学校ではいじめられっ子だが、勇敢な一面があり、ウィルの捜索には誰よりも熱心。エルとも仲良くなって、仲間を引っ張りながら事件の謎に迫っていく。

この頃は、あどけない可愛さが全開だったフィン。2017年からスタートした第2シーズンでは背が伸びて美少年度がアップ。さらに第2シーズンは、思春期のドラマとしての側面を押し出したこともあって、フィンの魅力をさらに引き出すことになった。

そして、第2シーズンを放映中に撮影が行われ、今年公開されて大ヒットを記録したのが、スティーヴン・キングのベストセラー小説を映画化した『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』だ。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(原題:IT)

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』と『ストレンジャー・シングス 未知の世界』には、いくつかの共通点がある。80年代を舞台にしたホラーだということ。少年グループが活躍するということだ。1988年、静かな田舎町、デリーで子供の失踪事件が相次いで起こる。弟が行方不明になったビル(・デンブロウ)は、負け犬クラブの友達、リッチー(・トージア)、スタンリー(・ユリス)、エディ(・カスプブラク)と弟の手掛かりを探すなかで、ベバリー(・マーシュ)、ベン(・ハンスコム)、マイク(・ハンロン)といった新しい仲間と知り合う。彼らはそれぞれ、現実とは思えない恐ろしい体験をしていた。そんな彼らを襲う不気味なピエロ、ペニーワイズ。失踪事件に正体不明の「それ(イット)」が関係していることを知った子供達は、団結して「それ(イット)」と戦うことを決意する。

設定といい、雰囲気といい、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』と地続きの本作で、フィンが演じるのはリッチー。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のマイクとは趣を変えて、常に人をバカにするような毒舌とジョークで周囲をうんざりさせるクセの強いキャラクターだ。

トレードマークは大きな黒縁のメガネ。思えば同じくスティーヴン・キング原作の映画『スタンド・バイ・ミー』の少年グループにも、テディ(・ドチャンプ)というクセの強い眼鏡キャラがいたが、演じていたのは、当時、『グレムリン』や『グーニーズ』に出演して注目を集めていたコリー・フェルドマン。キング作品における眼鏡キャラは、主人公に負けないくらい重要な存在なのだ。

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』では、子供達の絆が重要だと感じた監督のアンディ・ムスキエティは、撮影の2週間前から負け犬クラブの7人に共同生活を送らせた。その甲斐あって、本作では子供達の息が合った演技を楽しむことができる。

リッチーはみんなから「口を閉じろ!」と言われながらも、場を盛り上げるムードメイカーとしての役割も担っている。面倒くさいヤツと愛すべきヤツの両方の要素を持っているキャラだけに、演じ方によっては悪目立ちしてしまう恐れもあるが、フィンは持ち前の人懐っこさでコミカルに演じている。そして、クライマックスでは、ペニーワイズに向かってカッコいいタンカを切るシーンも用意されていて、男っぽい一面もしっかりと見せてくれた。

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』以降、次々と映画出演のニュースが飛び込んでくるフィン。人気者になった今もLAに移り住まず、生活の拠点は生まれ育ったバンクーバーだとか。だからこそ、セレブなオーラを感じさせない、自然体の佇まいが彼の魅力だったりもする。

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