監督から出演者まで、全員が聾者によって制作された「無音」の音楽映画、『LISTEN リッスン』の公開が決定。

作中、演者は楽器や音声を介さずに、手話を始めとした全身の身体表現により、視覚的に「音楽」空間を創り出していく。彼らはインタビューで各々に「音楽が視える」と語り、「魂から溢れ出る“気”のようなもの」から「音楽」を感じると答える。手話言語を通じて日常的に熟達した彼らの身体表現は、「音楽とは?」という問いのさらに奥深く、人の内面から滲み出る内なる“何か”へと迫っていく。

無音の58分間映画 「音楽」の映像化を試みた異例の作品 2-10

本作は既存の「音楽」の概念を崩し、聾者たちが無音の状態から創り出す「音楽」の映像化を試みた実験的映像詩(アート・ドキュメンタリー)である。

無音の58分間映画 「音楽」の映像化を試みた異例の作品 6-2

監督は聾者の両親を持ち、自身も聾者である新鋭監督・牧原依里。そして、映画『私の名前は…』(監督:アニエスベー)に出演するなど、国内外で活躍する舞踏家・雫境(DAKEI)。聾のアイデンティティーを持つ二人の共同監督のもと、「音楽」と「生命」の新たな扉をひらく。

無音の58分間映画 「音楽」の映像化を試みた異例の作品 3-7

これに合わせ、宣伝費を募るクラウドファンディングが「READYFOR」にて行われる。気になる方は是非参加を。

LISTEN リッスン

2016年5月、渋谷アップリンクほか全国にて順次公開


共同監督・撮影・制作:牧原依里・雫境(DAKEI)
配給:アップリンク
宣伝:聾の鳥プロダクション
2016年/日本/58分/DCP/サイレント

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