遠のアウトサイダーとして生きる孤高の映画作家、ジム・ジャームッシュ。米インディペンデント映画の最大の巨匠と呼ばれ、各界の熱いリスペクトを集めつつも、N.Y.を拠点にメインストリームからは常に距離を置き、マイペースで自分の作りたい映画だけを撮り続けてきた。そんな彼が、実に7年構想を温めていた4年ぶりとなる念願の新作が、吸血鬼の恋人同士を描く『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』だ。すでにカンヌ国際映画祭に出品されて絶賛を博している。

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映画の舞台は、自動車や音楽などアメリカが誇る重要な文化的歴史を持ちながら、現在は貧困率の上昇と人口の減少で荒廃が進む、ある種象徴的な都市デトロイト(2013年7月18日、財政破綻を声明。それ以前の夜の同地が映し出されている)。そして神秘的なモロッコのタンジール。困難な21世紀を生きる吸血鬼のラヴ・ストーリーだ。謎のカリスマ・ミュージシャンとして人知れず活動するアダムと、永遠の恋人イヴが再会し、二人の甘く退廃した日々が描かれる。すでに何世紀にも渡って繰り返されてきた彼らの恋物語。だが現代世界が壊れゆく中、この聡明で儚いアウトサイダーたちは生き残り続けることができるのだろうか?

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