まず予習必須ポイントとして、劇中何度も流れる曲をご紹介。
映画『セッション』演奏シーン

お見せできるのは残念ながらここまで! 劇中の超絶技巧を見せつけられれば、ジャズ素人でも「こりゃぁ、スゲェや……」となるこの曲。なんとマイルズ・テラーは、ドラムほぼ未経験だったのにも関わらず、撮影前に猛特訓した後、スタントなしでこのドラムを叩ききったというのだから驚き。この曲はこの作品のキーポイントになるので、ぜひチェックしておいてほしい! 

この映画においてニーマンとフレッチャーの関係は欠かせないものですが、劇中絶えず流れている“ジャズ”の要素や、主人公がどれだけ周りを見えてないかを知る為にはニーマンの親戚・彼女、弁護士などの存在も忘れてはいけません。それらにあわせて、わたくし独自の視点で映画『セッション』との共通点をみつけた映画を今回はご紹介します! 予想外な映画が紹介される……!? かもしれません(笑)。

★この作品を越えたのか。
『ブラックスワン』

『セッション』が数々の賞賛の嵐や批評の中で、比較のために度々名前があがっているのはこの作品。それならば、チェックしないわけにはいきません。内気な性格だった主人公が大役に抜擢されたプレッシャーから、徐々に精神的に追いつめられていくのを描くこの映画。狭き門を奪い合う世界は表現者となるには避けて通れないのでしょうか。

★映画史に残るスパルタ教官と言えばこの人……!
『フルメタル・ジャケット』

おなじみ、スタンリー・キューブリック監督『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹。相手に有無を言わさない眼力に迫力、そして汚い言葉の羅列は、映画を観終わった我々に強烈な印象を残しました。英語に慣れてない私たちには、もはや韻でも踏んでいるのかと思わせる程の繰り返し(笑)! フレッチャーの鬼教師具合はどこか軍曹を彷彿させるような……?

★「この分からず屋……!」とガールフレンドを呆れさせる主人公
『ソーシャル・ネットワーク』

ニーマンに「偉大な音楽家になるには君は足手まといだ」なんて言われて、彼のガールフレンドは、キョトン顔。その後、「何様のつもり?」と彼女は出て行ってしまいます。そんなニーマンの残念な性格は、映画『ソーシャル・ネットワーク』の主人公、マーク・ザッカーバーグにも、通じるところがありました! 賢かったからか、はたまた性格からなのか、マークは、かなりの分からず屋。その加減に本人は全く気付かず、学生時代のガールフレンドはあきれ顔で彼をフリます。そんなガールフレンドに劇中、最後まで執着しているマークの侘しさといったら……(苦笑)。

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