–––今作のアルバムタイトル『THE ARRIVAL』にも「到達」だとか、新アルバムの「到着」などの意味がありますね。

それもあるんだけど、あと「AKLO降臨」っていう意味もある(笑)。降臨してんだよね、神が降りてるっていう感じのアルバムだったから。あと、前作『THE PACKAGE』もいろんな意味があるんだけど、CD屋さん用語でもあるなって思って。「CDがパッケージされる」とか。で、今回『The Arrival』も「入荷」っていう意味のある、CD屋さん用語シリーズでもあるんです(笑)。

–––なるほど! そして、“Break The Record”のMVは凝っていて、なんでもバルセロナで撮影されたとか。メチャメチャゴージャスで、最初に見たときはずっとどこで撮っているんだろうって気になりました。

ですよー! バルセロナまで行ってきて撮りました、ドバイ経由で! ありがちなのが、観光ビデオみたいになるんですよね。だから、バルセロナだからってサグラダファミリアの前で撮るとかじゃなく、どこだかわからないように撮りたいっていうのは要望としてはあった。

AKLO – “Break the Records”

–––ビデオの撮り方自体も工夫されていて、USのミュージック・ビデオのようなスケール感がありました。

衣装も自分で選んだしスニーカーも全部俺の私物で、自転車ひとつにしても、向こうで手配して、カメラもメチャクチャ注文つけて、全てにおいてこだわりました。なんでこんなにこだわったかっていうと、この曲は映像にちょっとした高級感がないと伝わってこない魅力があるかもしれないって考えがあったからなんです。このビデオで、これはチープなもんじゃないんだなっていう印象を植え付けて、その上でアルバムを聴いてもらいたいっていうのがありましたね。

–––そして、このビデオのあとに高校生に扮した“RGTO”のビデオを発表という(笑)。

その振れ幅がね(笑)。“RGTO”っていうタイトルだから、『GTO』っていう部分がかかっているということもあるんだけど、これは『GTO』というより、コンセプトは『クローズ』ですね(笑)。“RGTO”は、インタビューみたいなもんで、「自分で都合のいい質問を書いて、都合よく答えを書いてください」っていうオファーで書いてもらってるんです。ラッパーに必要なものっていうテストがあるとしたら、「ファッションイケてますか?」に対して、「メチャメチャイケてるよ」とか、そういう感じで。人によっては「ファッションなんてラッパーに必要ねえんだよ」っていう硬派な人とか、自分が思うすぐれたラッパーとして必要な要素っていうのを自分で答えたら面白いかなって思って、そういった遊び心で作った曲です。同じレーベルだけど自分と全然スタンスの違うSALUくん。それが決まった時点で次誰がいたら面白いだろうかっていうのを考えたら、最終的にK DUBさんっていう答えが出たんですよ。で、お願いしたんですけど、すごくうまくいって。大当たりだな、このオファーって思っています。

AKLO – “RGTO” feat.SALU, 鋼田テフロン&Kダブシャイン

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