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——松川さんは岩田さんのどんなところが良かったと?

松川 オーディションの日、遅刻して走ってきたんですよ(笑)。しかもいきなり「歌います」って、歌詞カードも見ずに歌い始めたんですよ。でも、ほとんど歌詞は飛んじゃってて。

岩田 初めての場所で迷子になって、泣きそうになりながらなんとか辿り着いたんです。遅刻した時点でダメかもしれないと思ったんですけど、後悔しないように歌おう! と思ったら、より焦ってしまって。で、一旦、お手洗いに行って気持ちを落ち着かせたら、一応歌えたんですけど、ベストを出せたか? というとそうでもなかった気がして。

松川 でも、その姿勢とか、背もデカいし、「おお、すごいパンチのある子だな」と。正直、他にパーフェクトに歌える子もいたんですけど、真知は、ある曲のAメロのフレーズだけはすごく良かったんですね。それと会う前に送ってくれていた音源が、他の子はだいたい1、2曲なのに、彼女だけ弾き語りの40分ぐらいあるライブ音源を送ってきてくれて。それを改めて聴いたら、友だちが亡くなってしまった時のことを話しているMCと、そのことがきっかけでできたその1曲へのつながりがとてつもなく良くて。ある意味、変っちゃ変だけど、音楽に対して強い思いでやっていることが分かったので、「一緒にやりませんか?」ということになりました。

——お互いに別の場所で真剣に音楽に向かっていたと。さて、今回は2ndミニアルバム『月明かりのせいにして』以降、さまざまなライブやイベントにも出演し、よりaquarifaらしさが見えてきた上での3rdミニアルバムになったかと思います。この間、よりバンドのことが見えた出来事はありましたか?

岩田 バンドのことというよりは、自分がすごく変わるきっかけになったライブがあって。2013年、『月明かりのせいにして』のツアー中に大阪のイベント<MINAMI WHEEL>に出演したんですけど。その時、体調を崩してしまっていて、声が出なくて、悔しいライブにしてしまって。すごく不甲斐なかったし、途中で泣きだしてしまったんですけど、それを見たのか、お客さんが逆に盛り上げてくれたんですね。その時、自分の歌や活動を支えてくれたお客さんをなんとか支えたいと思って、そこから歌詞の価値観や曲作りに変化が生まれて。人と人のつながりという部分を今回の作品には反映しています。もちろん、aquarifaって冷たさや狂気的な部分もあるんですけど、そもそも温かい部分やつながりという部分も持っていて、二面性のあるバンドなので、そういう部分が今回、より身近に感じられるものになったかなと思いますね。

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——今回のミニアルバムには最初からコンセプトはあったんですか?

松川 作っていくうちに、ですね。個人的には前作は静と動のコントラストや、歌と楽器のせめぎ合いを一番表現できて、自分の理想を一つクリアした作品だと思っていて。なので、今回は、よりポップだったり、前向きな曲も突き抜けるようなものを目指していましたね。

——相変わらず緻密な構成ではありつつ、歌が伝わりやすくなった印象があります。

松川 そうですね。今回は真知の作曲した曲も多いので、楽器と戦うというよりは、1本歌の柱があって、歌の世界をサウンドや楽器で囲んでる、その手法が見えたときにアルバムの方向性がまとまった感じがありました。

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Qetic編集部

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