2015.02.17(TUE)、18(WED)@新木場STUDIO COAST

ェイス・ノー・モアの、実に18年ぶりとなる来日公演が実現! 2009年から再結成ツアーを行なっていた彼らだが、ついにニュー・アルバム『ソル・インヴィクタス』も完成させ(※日本盤は5月13日に先行リリース予定)、その勢いに乗ってようやく日本までやってきてくれたというわけだ。

1980年代の早いうちからサンフランシスコで活動を開始し、ごく初期にはコートニー・ラヴがシンガーだったことがあったり、メタリカとの親交も深かったりしたという彼らは、当初より普通のハード・ロックの枠に収まりきらないユニークなサウンドを鳴らしていた。やがて、1989年に狂気の天才マイク・パットンが加入したのをきっかけに、バンドのポテンシャルは一気に大爆発。同時期にロサンゼルスで活動したレッド・ホット・チリ・ペッパーズやジェーンズ・アディクションなどとはまた違う独自の存在感を発揮しながら、90年代オルタナティヴ・ロックの盛り上がりに大きな貢献を果たす。次第にメンバー間のバランスが崩れ、ギタリストの交替劇なども起こした後、1998年には1度解散してしまうわけだが、こうして20年近くの歳月を経て、ここまで本格的な復活にまで辿りつくとは本当に嬉しい限りだ。

元マーズ・ヴォルタ/アット・ザ・ドライヴ・インのセドリック・ヴィクスラー・ザヴァラとオマー・ロドリゲス・ロペスが新たに始めたアンテマスクと、オマーがプロデュースするレ・ブチェレッツの2組を従え、2夜にわたって新木場スタジオコーストにて行なわれた今回のライヴ。1日目は新作から先行公開されたリード・シングル“Motherfucker”でスタートしたが、しばらくしてロディ・ボッタムのキーボードにトラブルが発生する。スタッフが懸命にあちこちいじくりまわすもののなかなか直らず、仕方なく予備のキーボードでピアノ・パートを補いながらステージは進行。それでも、ビリー・グールドとマイク・ボーディンの強力なリズム隊と、ジョン・ハドソンの堅実なギター・プレイに支えられ、「優雅にして邪悪、ついでに変態」とでも形容したくなるマイク・パットンのヴォーカルは朗々と響きわたり、コンサート全体がヒドく破綻する事態にまでは至らなかった。思わぬアクシデントが逆に、現在のフェイス・ノー・モアが持つ安定感を証明していたと思う。終盤にはなんとか機材も復旧し、この日の彼らはアンコールを含め17曲を演り切った。

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