––––あなたは、本作でも前作でもプロデューサーを務めていますが、活動休止中の成長を実感しましたか?

もちろん。前作は18年前だからね。この18年の間に俺はずいぶん学んだよ。それは間違いない。この間にもプロダクションはずいぶんやったけど……思うに、俺たちの他のアルバムのほとんどが実にしっかりプロデュースされていただけに、この新しいアルバムも、それと同じか、さらに良い音でなければならないと俺は感じていたんだ。最新作での飛躍は大きくて、俺自身も今回の過程を経てまたもっと多くを学んだね。最も高い次元のパフォーマンスを念頭に置かなければならなかったからさ。ただし、そのやり方というのは、決して金のかかるスタジオを使ったとかいうのではないし、即興的な要素もずいぶん入れたし……でも、それが功を奏したように思う。とても勉強になったよ。

––––休止中に得た経験が、本作には反映されていると思いますか?

それはあったと思う。ただ、より筋道を立てて話すなら……このバンドは1997年に解散するまでに、すでに16年か17年も一緒にやってきていたわけで、特に俺とドラマーとは18才の時からつるんできて、今もう51歳だからね。というわけで俺には、あいつら全員の考えていることがわかるんだ。あいつらの考え方も、音楽へのアプローチの仕方も俺は知ってる。だから実のところプロデューサーとしては、今回は色んな面でやりやすかった。このバンドでは何が機能するか、俺は承知しているから。何故そうなるのかが、俺にはわかっている。バンドをプロデュースする場合、初めての現場だと相手の趣向や美意識を理解するところから始めなければならないこともあるけれど、今回はその手間が無かったんだ。とっくにわかっているところだからさ。今回の仕事がやりやすくて、より良い結果になった理由は、むしろそこにあると思う。つまり、色々なことがわかっていた、というところにね。疑ってみる必要もなく、ほぼみんながありのままでいられるように、邪魔にならないように、という感じだったんだ。

––––では、リード・シングルに“Motherfucker”という曲を選んだ理由が特にあれば教えてください。英語圏ではラジオではオンエアされないであろうことも充分に意識しての選択だと思いますが。

あぁ、ラジオではかからないね。まあ、いわゆる「そうするのが正しいと思えた」というやつで、振り返ってみても、その通りだったと俺は思う。このバンドにどうあってもらいたいか、18年を経て世間の期待は極めて高い。でも、あのシングルはその期待に一切応えていない(笑)。てなわけで俺たちとしては、いったん過去を清算する余地がこれで持てた。もう次がどうなるか、みんな予想がつかないだろう。ありがたいことだ。

Faith No More -”Motherfucker (Official Audio)”

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