——イベントで知り合ってから、プライベートでも長い時間をかけて親交や理解を深めていって、FAKE EYES PRODUCTIONは動き出していったんですね。

DJ MAAR いろいろと話しているうちに、一緒に新しいことができるんじゃないかな? って思うようになったんですよね。

ShigeoJD 僕は僕の側面があって、DJやダンスフロアという場所では、普通のプロセスでDJができない人なんですよね。MAAR君もDEXやDJ MAARとしては普通の方法ではないDJをするんです。普通にDJすればいいのに、なにか機材をもってきたりして変化をつけたくなっちゃうんですよ。そこで自身のアイデンティティを出そうとする。そこにふたりの共通項を感じていましたし、出会いから今までを振り返ってみても、僕とMAAR君がFAKE EYES PRODUCTIONを結成するのは必然的だったんじゃないかなって思いますね。好きなものも似ている者同士だし、僕がいろいろ機材を持っていっても全然嫌な顔をしないし、面白いからやっちゃおうよっていう感じになる。

——普通にDJとして選曲するだけではなくて、ブースにサンプラーやシーケンサーにDTMなど、いろいろな機材を持ち込んで、すべてを使ってライブセットのようにDJをするスタイルなんですね。

DJ MAAR どんどんミックスしたくなるっていう感覚ですね。ナシをアリにするのがDJの一番の醍醐味。FAKE EYES PRODUCTIONでもナシをアリにする。オリジナリティを感じられるものをやりたいし、提供したい。活動を続けていく中で、周りからは僕が変わっていくように見えたかもしれないけど、流している曲が変わっただけで、僕はずっと変わらずにそうしてきています。

ShigeoJD ミクスチャーってなんでもアリで、何をミックスしてもいいと思っていたけど、いつの間にかミクスチャーは、バンドスタイルにラップがのって、リフっぽい音楽に、なんとなく横ノリ。そのスタイルがフォーマットになっていたんですよね。だけど、そのスタイルは自分が思う”なんでもアリ”じゃないな……ってミクスチャーに興味がなくなった時期がありました。その時、DEXを見に行ったら、人の曲だけどむちゃくちゃミックスしていたんですよ。HIP HOPにHOUSEがきたと思ったら、THE BLUE HEARTSかけちゃうみたいな。ある意味オールジャンル。もしかしたらナシなのかもしれないけど、それは僕が本来考えていたフォーマットにはまらないミクスチャーだと感じたんです。

——ナシをアリに。オリジナリティに本来のミクスチャー感。お互いにシンパシーを感じていたんですね。ふたりでの楽曲制作はどんなきっかけではじめたんですか?

ShigeoJD みんなで遊んでいた日に、最後までMAAR君とふたりで残っていたんで、家に誘ったんです。それで僕のスタジオに遊びに来たんですけど、やっぱりミュージシャンだし、必然的に一緒に曲を作ろうか? そんな雰囲気になって、そこから一緒に曲を作りはじめるようになりました。

DJ MAAR それからふたりで海の家で開催していたパーティに出演してみたら反応が良くて、<WOMB ADVENTURE’13>とかいろいろなパーティに出演させてもらったりしたんですよね。とにかくふたりでやってみたら楽しくなっちゃって。

——楽曲制作をはじめたら外に出したいという気持ちが強くなったんですね。 そして『FREE YOUR MIND EP』を9月16日にリリースしましたが、FAKE EYES PRODUCTIONで作品をリリースしたいという気持ちになったきっかけはありますか? 

ShigeoJD リリースするということに関してはあまり興味なかったけど、作ったからには聞いて楽しんでもらいたいし、「とりあえず出そう!」。じゃなくて、「どうゆう風に出していこうか?」という話になりました。MAAR君は最初のアイテムはヴァイナルリリースで世界流通にしよう! と提案してくれたので、僕はヴァイナルリリースのノウハウはないけど興味があったし、世界流通ができるのは嬉しかったので、MAAR君の提案に任せました。そこから次は、より認知されることですよね。MAAR君はクラブ業界で知らない人はいないけど、FAKE EYES PRODUCTIONはまだ新人。僕たちがどういうスタイルで音楽をやっているのかっていうのを知ってもらいたいなと思って、もう1枚違うデザインの名刺を作らない? というのが今回の『FREE YOUR MIND EP』のリリースです。

DJ MAAR 僕はずっと、やりたいからやる。という感じでやってきているので、曲ができた時も、最近はヴァイナルを買いなおしてガンガンDJしているし、まずヴァイナルを刷ろうよという気持ちがありました。どう捉えてもらっても構いませんが、「せっかく2人が組んでいい音源作ったんだから、リリースして今度はもっと広いアプローチもするべき。しっかりと形に残したほうがいいんじゃないの?」って、今までの僕たちを見てきた人たちからアドバイスをもらっての『FREE YOUR MIND EP』ですね。

ナシをアリにする。FAKE EYES PRODUCTION interview151028_fep_2

『FREE YOUR MIND EP』ジャケット

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