――クルマにハマるのと同じで、音楽や映画にも掘り下げたくなる瞬間が人それぞれにありますが、お2人にとって、そういった衝動が湧いてくるのは何がポイントとして大きいですか?

ムッシュ 僕は“一触即発”かな。すごく静かだけど、1つのポイントで一気に上がるというか。バラードみたいなものはあまり好きじゃないです。アバルトのエンジンは、結構音が出ますよ。外の人うるさくないかな、と思って。僕はそれほど音にこだわってないんですけども、音にこだわってる人は乾いた音がいいって言いますね。

Azumi 私は“血湧き肉踊る”みたいな衝動が出たときですね。自分が音楽にのめり込んだ瞬間も、やっぱり血が逆流するような感覚を得て、「これが私の求めていた大好きな音楽だ」と思って、ハマっていったのを覚えているので。ワクワクとも違うんですよね。ぞくぞくするっていうか。

【インタビュー】ムッシュかまやつとAzumiによるスペシャル対談が実現! 2人の持つ多面性やこだわりとはーー。 interview131111_abarth_musshu-azumi_Qetic_3

――アーティスト、ミュージシャンとしてのインスピレーションはどんなところから得るのでしょうか?

ムッシュ 常に自分の周りをコアなものにしておけばいいんじゃないかな。はじめはアバルトってすばしっこいアグレッシブなクルマということで構えてたんですけど、それに慣れてくるってことは、僕自身がアバルトに慣れてきたってことじゃないですか。それでもう充分に僕にとってはプラスになってるわけであって、セッションでギター弾くのが慣れていくように、アバルトならではのやり方とエネルギーが身体に染み付いてるのね。だから、買った頃の恐いクルマじゃない。楽器も新しいものって恐いんですよね。でも、自分に慣れてくると弾きやすくなってくるっていう。だからクルマ以外にも、着るもの、靴、ステージ、何でも慣れが必要だと思っていて。慣れるんだったら、敷居の高いものに慣れていった方が面白いなっていう感覚ですね。

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Azumi 私は自分を幸せにさせ過ぎない。幸せにしないっていう方法が出てきますね。甘やかさないというか。

ムッシュ 甘いか辛いかで言うと、アバルトは辛口のクルマですよ。ワインを選ぶのと一緒で辛口の重いやつ。見かけによらずね。

Azumi 見かけはかわいいのに。お話を聞いてると、そんな感じがします。扱いにくい女みたいだなって(笑)。

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