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銀座に「PLUSTOKYO」というミュージック・ラウンジがオープン――最初にそのニュースを聞いたとき、正直それほど強烈な印象は無かった。ただし、この場所を手掛ける株式会社ワクワクワークスの代表の名前を見た瞬間、話は変わってきた。

中川悠介

あのきゃりーぱみゅぱみゅをプロデュースし、原宿から世界へ“KAWAii”カルチャーを発信し続けるアソビシステムの代表。00年代から現在に至る日本のエンターテイメント業界を語るにあたって、外すことのできない最重要人物のひとりだ。

若者向けカルチャーのイメージの強いアソビシステムが、銀座に“オトナの社交場”をつくる。その謎を解くため、今回は中川氏にインタビューを敢行。PLUSTOKYOの概要については下記のリンクからチェックしていただいて、ここではアソビシステム及び中川氏がPLUSTOKYOに懸ける想いや、その先にあるエンターテイメント業界の未来への展望を探った。

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Interview:中川悠介

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未来を見据えた“場所づくり”へのチャレンジ

——PLUSTOKYOがオープンして1ヵ月ほど経ちましたが、反響はいかがですか?

こういう大きな場所を作るのは僕も初めてだったので冷静に見られていない部分もありますが、良い反響をたくさんいただいているのは嬉しいなと思います。ただ、まだ自分らもここでの遊び方を伝え切れていないなとは思っていて。

——伝え切れていないというのは、具体的にどういった部分ですか?

ランチをやってますとか、ディナーも食べられますとか、そのまま平日はDJも入りますとか。これまでにない音楽を軸とした新しい遊び方を提案する場所なので、説明しづらい部分もあって。その“翻訳”をもっとしていかないと、どういう人が来るのかっていうのが読めないなと。今はこの辺りで働いている人や、SNSで見た人たちに来てもらえているのかなと思っています。

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——銀座のお店は目的がはっきりしているイメージがあるので、食事もできて、音楽も聴けて、アートも楽しめて……という複合的な場所に慣れていない部分もあるのかなと思います。

どうしてもクラブイベントのようなものの方が、プロモーションは強くなっちゃうじゃないですか。例えばこの時間に営業していることも、まだあまり知ってもらえてないと思うので(取材時は昼の時間帯)。そういうPRもこれからどんどんやっていかなければいけないなと。

——アソビシステムが携わるお店が銀座にPLUSTOKYOというオトナの社交場をオープンする――最初にそのニュースを見たとき、正直これまでの“若者向け”のイメージもあり、どのようなものになるのかイメージできない部分もありました。ただ、実際は株式会社フェイスとともに設立した「ワクワクワークス」がこのプロジェクトの母体となっているんですよね?

はい。2020年の東京オリンピックに向けてナイトエンターテイメントが注目されているのもありますし、自分たちとしてもワクワクする場所づくりにチャレンジしたいという気持ちがあって、フェイスさんとご一緒させてもらいました。

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——ワクワクワークスの設立は昨年、アソビシステムが10周年を迎えた年でもあります。中川さんの中でいろいろと想うことがあった年なのかなと勝手に推測したのですが。

これまではあえて外と組まなかったし、自分たちのテリトリーの中でビジネスをつくってきました。ただ今は10年ということだけじゃないですけど、時代の流れとか自分たちの立ち位置の変化も踏まえて、外の人と組んでいくことも大切だなと考えるようになったんです。

——10周年を迎える前から“場所づくり”への興味はあったのですか?

ずっと思っていましたね。今っていろいろなビジネスがプラットフォーム依存型になってきているじゃないですか? そのときにコンテンツを抱えている自分たちにとって、ファーストの場所がすごく大切なんじゃないかなと思っていたんです。

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——先ほど2020年というワードが出ましたが、“場所づくり”はアソビシステムの次の10年におけるチャレンジという位置づけなのでしょうか?

それに関して言えば、僕は2020年がチャンスではなく、2020年以降がチャンスだと思っていて。2020年はもちろん大きな話題になるだろうし、外国からもたくさんの人たちが来て日本が盛り上がると思いますけど、僕たちエンターテイメント業界の人間にとっては、「そのあとに何を残せるか」がすごく大事なような気がして。2021年以降に何をやっているかの方が重要で、その辺りは自分たちの中でも意識するべきポイントとしてやっていきたいなと思います。

“オトナの社交場”で遊び方を考える

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——中川さんはやはり原宿がホームだと思うのですが、これまで銀座に来ることありましたか?

正直あまり来てないですね。でも来るようになって、歴史や伝統と今がミックスされているなとすごく感じましたし、どこか原宿に近さは感じますけどね。

——中川さんから見て、銀座という街の魅力はどこにあると思いますか?

曜日と時間によって、歩いている人が違うっていうのは面白いなと思います。平日と土日でも違うし、昼と夜でも違う。ビジネスマンや買い物客が行き交う街でジャンルが幅広いなと。

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——PLUSTOKYOのテーマである“オトナの社交場”というワードをもう少し掘り下げたいのですが、中川さんはそこで使われる“オトナ”をどのように定義していますか?

“オトナ”っていう言葉はさまざまな捉え方があると思うんですけど、例えばアソビシステム目線で言えば10年経って僕たちも歳を重ねたわけで、そういうことに対応していければいいなとは思っています。「オトナはこういうもの」って定義付けるつもりはなくて……遊び方は変わったようで変わってないじゃないですか? 僕らが10何年前に始めたパーティーに来ていた人たちが、今もし遊んでいればこういう場所に来たら楽しんじゃないかなっていうイメージはあります。

——これまでの遊びの延長線上にあるイメージだと。先ほど、「遊び方は変わったようで変わってない」と仰っていましたが、あえて変わったところを挙げるとしたらどこですか?

僕で言うと……テキーラのショットが減りましたね。

——長い目で見たら大事というか、そういうものですよね。

美味しいお酒が飲みたいなと思うようになりました。

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——遊ぶ場所は変わりましたか?

場所はあまり変わってないですね。ただ、遊ぶ空間は変化しているのかなとは思います。例えばここで週末DJイベントをやるときでも、昔みたいに派手な照明でクラブのようにガンガン踊るというよりは、今は美味しいお酒を飲んで楽しく踊ることも必要だなって思うようになりました。

——PLUSTOKYOという場所は音楽や食に加えて、ファッションやアートも新しい遊び方を提案するにあたって重要なエッセンスとなっていますね。

やっぱり空間においてそれらはどれも大事だと思っていて。今までは音楽から空間、アートみたいな感じだったと思うんですが、音楽もアートも食べることも、スタートは一緒でいいんじゃないかなと。PLUSTOKYOはそれを長時間楽しめる場所にしていきたいですが、まだ僕らもその組み合わせをうまく表現できていない部分もあるので、そこはこれからの課題ですね。

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——中川さん自身も手探りで進めている部分も大きいんですか?

はい、でもその中でもいろいろな人に来てほしいですね。僕はやっぱり、場所をつくるのは人だと考えているので。これから先、どんな人が来るかはわからないですけど、来る人の変化によってこの場所はつくられていくと思います。

アソビシステムらしさとリアルの追求

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——中川さんの過去のインタビューで「一歩先と百歩先を見てる」と仰っているのを拝見したんですが、その意識は今も変わらないですか?

やっぱり自分たちの中では、アソビシステムでしかできないことを常に探している感じです。その上で、何歩先かはわからないですけど常に先は見ていますね。

——音楽との掛け算で何かを生み出す――それは今後も変わりませんか?

生み出すのはエンターテイメントの“何か”だと思っています。その中で人をつくったり、場所をつくったり、生み出すものが変わっていく。PLUSTOKYOという場所をつくっただけでは意味が無くて、ここをいろいろなものが発生していく場所にしていきたい。遊び方も人それぞれでいいと思いますし、来る人によって変化するような、一方通行じゃない場所にしたいですね。

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——その意味でもPLUSTOKYOの今後は未知の部分が多いですが、この銀座という場所から新たなカルチャーが生まれる一端を担っていくことへの期待は大きいです。

いろいろ生み出していかなければいけないなとは思っていますし、つくって「これどうぞ」ではなくて、一緒につくっていく感覚が大事かなと。コーヒーを飲みにくる人もいれば、ランチを食べにくる人もいれば、お酒飲みに来る人もいれば、踊る人もいる。そうあってほしいですし、来る人とのコミュニケーションを通じて変わっていってほしい。

——それって明らかにターゲットありきのビジネスではないですよね。

そうですね。僕は“20代、F1層”みたいな言葉ってもう死語だと思っていて。見るべきは層ではなくて個人の目的意識であって、そのときにカルチャーやライフスタイルが大事になってくる。それに今の時代って出会いの場が減っているじゃないですか。SNSが発達してコミュニケーションが減って……ただSNSが発達すればするほど、リアルに戻ってくるはず。例えばSNSで600万人のフォロワーよりも、ここに来る2万人の方が価値が出てくるんじゃないかなと。コンテンツをつくっている自分たちの立場としてはそう思うんですよね。場所があって、そこに空間ができて、人が集まってコミュニケーションが生まれれば、そこからまたいろいろなものが生まれてくる。サービスが発達してリアルなことが減ってきているこの時代にこそ、自分たちがリアルなことをしなければいけないなと思ってます。

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——そこがアソビシステムの真骨頂であり、本懐と呼べる部分なのかもしれませんね。

10年経って、自分が思うアソビシステムと周りが思うアソビシステムや、自分が思う自分と周りが思う自分が変化していることを感じます。変わらずやっていることが評価されることもされないこともあるし、それを気にしない時期もあった。その上で「自分たちは自分たちでいいんじゃないかな」って思えるようになったんですね。そこから場所が大事だと思うように繋がっていった面もありますし、今はアソビシステムを知らない人と話す方が楽しいですね。

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——一周まわって原点に立ち戻った上で、自分たちだからできることをやる。

はい。自分たちだからできることをやって、エンターテイメント業界を盛り上げていかなきゃいけないなと。今は日々悩んでいるというか、考えながら動いているうちに一瞬一瞬が途切れず進んでいる感覚ですね。それで言うとさっきの百歩先ではないですけど、自分のレールを決めないってことは大事だなと思います。どこかで気づかないと固定概念にハマっちゃうし、レールにハマっちゃう。そういう意味でもPLUSTOKYOのような場所はいろいろなことを気づかせてくれるし、今はここで新しいことが始まる匂いがしてるんですよね。

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photo by 横山マサト
interview&text by ラスカルNaNo.works

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PLUSTOKYO

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