曲を自分で聴いたときに、その真剣さ具合がウケたんですよ(笑)

––––特にBachLogicさんのレーベル〈One Year War〉からの第1弾アーティストとしてのデビューはかなりプレッシャーだったんじゃないかなと思います。

周りはすごいヤツらしいぞ! みたいな感じでライヴとか来てくれたんですけど、ぶっちゃけただの素人なんで(笑)。そこのギャップが自分の中ではどうしようって感じでしたね。でもそれを乗り越えなきゃいけないってのはわかっていたことなんで。たとえば、1作目に“Balance”という曲があって、それは「バランスをとることが重要なこの世界で、どうやって生きていけばいいの」っていう感じの曲だったんですけど、今作収録の“New Balance”だと、「バランスをとる駒のひとつになっちゃえば、自分はバランスとらないで勝手にすべてがバランスとってくれるから、もっと入り込んだ方が楽だ、決めつけていこう」って考え方なんです。常に同時に存在している考え方で、どちらも正解だと思うんですよ。ただ“New Balance”の歌詞はこの2年間でプレッシャーに向かい合ってきた結果、培った考え方なんだと思います。

––––そうした不安を飲み込む事ができたということ、自分と向き合う事がこのアルバムにいい意味で作用しているのかなと思いました。

そうですね、このアルバムは結構そこがひとつめのポイントだったかもしれないです。今まで、「自分」というものと「SALU」というラッパーとしての存在が別々だったのが、同一化できるようになりましたね。

【インタビュー】ニュータイプ・ラッパーSALU。高いクオリティで構成される新作について、その思考の内側に迫る music140314_salu_jk

––––ではさっそくアルバムについて伺いたいのですが、まずはタイトル「COMEDY」とした理由はなんですか?

『In My Life』EPを出した後から1曲ずつ、録りためていったものを聴いてみてこのタイトルにしました。日常を真剣に生きる中で書けたリリック、曲を自分で聴いたときに、結構その真剣さ具合がウケたんですよ(笑)。「こいつマジで必死だな」って。それで「あっ!」っと思って。僕コメディ映画が凄く好きなんですけど、笑いをとりにいっているコメディというよりか、本人はいたって真剣なコメディものが好きで、それになったんじゃないかと思ってこのタイトルにしました。喜劇としてのコメディですね。

SALU – “In My Life”

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