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俳優、脚本家、演出家、プロデューサーなど様々なジャンルで活動する、濱田真和により2014年に立ち上げられたSuperendroller(スーパーエンドローラー)。濱田のプロデュース過去2作品『sea , she , see』、『blue , blew , bloom』では、一貫して“残された者”が描かれてきた。今回、3月24日からの4日間、原宿VACANTにて上演される今作『monster & moonstar』もまた、兄の行方不明により一人残された人生を歩むことになる女子高生の多難な人生が描かれている。今回は、古舘佑太郎と渡辺敬之、濱田真和の3名に、製作側から観た『monster & moonstar』で描かれる世界の深層部、“参加”ではなく“コラボレーション”として強烈な個を掛け合わせて作品をつくることの意義について語ってもらった。

「舞台をやったときに音楽に助けられる瞬間があって。こんなシーンだったんだ!って音楽によって気づかされたり。その経験を思い起こしながら作ってました」(古舘)

——今回、音楽は計7曲が書き下ろし。古舘さんは舞台への楽曲提供が初とのことですが、自己表現だけでなく作品に添える音楽を作るうえで、意識されたことはありましたか?

古舘 うーん。これはかなり裏話なんですけど、ギターで10分くらいある曲は僕が一番信頼しているギタリストに「このコードと進行で、この展開で弾いて」とだけお願いして、「よーい、スタート!」で、そいつがギター弾いている横で僕がずっと演技をしたんです。15分くらい続けたんですけど、途中「まだ弾くの?」「まだまだ!」って(笑)。演技を観ながら弾いてくれたぶん、役者に寄り添った曲になっているとは思います。自分も役者をやっているので、そっち側の立場がわかるんですよね。舞台をやったときに、ものすごく音楽に助けられる瞬間があって。稽古序盤は無音で演技していたけど、劇判が出来上がってそれを乗せて演技すると昨日までは表現出来なかったような感情とかがブワッと沸き起こってきたり、こんなシーンだったんだ!って音楽によって気づかされたり。その経験を思い起こしながら作ってました。自分が演じているときにこの音が聴こえてきたら楽しいだろうなって。

【メインテーマ曲 先行公開】次世代演劇を製作サイドから紐解く!「自分の命くらいは懸けて、観てくれた人の世界くらいは変えてやろう」 MIKA8006-700x525

——キャストの樋井さんも「流れる音楽によって緊張の仕方が変わってきて、音を聴くだけで感情が溢れ出す」とSNSでコメントしていました。

濱田 僕も芝居をする側として音に助けられる面はあるし、2人が言うことを否定するわけではないんですけど、演技している最中に音楽は聴いてほしくないんです。あれは、お客さんに向けたものだから。だけど、古舘さんが作ってきてくれた曲は、芝居をまったく邪魔しないのに役者も乗れるっていう不思議な曲なんです。今回、キャストが11人いるんですけど、その一人一人をイメージした音が40秒ごとに1音ずつ増えていく、11音で構成された曲も作ってくれて。言うなれば「2秒で好きになって9分進化する曲」。すごく気に入っていて、稽古中も流して本番へのイメージを膨らませています。

——劇中では、書き下ろし曲と併せて、古舘さんのソロアルバム『BETTER』からも数曲起用されるようですね。

濱田 本読みのときにふと流れてきたのがすごく合っていて。もちろん、歌っていることと物語の内容とは全然関係ないんですけど、もともと好きな世界観とかが好きだから、そういうところでつながる部分があったのかな。

【メインテーマ曲 先行公開】次世代演劇を製作サイドから紐解く!「自分の命くらいは懸けて、観てくれた人の世界くらいは変えてやろう」 MIKA8059-700x525

——『blue , blew , bloom』についてのインタビュー時にも、お互いの好きなものが共通しているという話が出ていましたね。

古舘 真和さんの作品って離れている誰かとか、離れてしまった人と近かった頃とかがすごく出てくるんですよ。そこが、僕が歌詞を書くときの共通意識みたいなものがあって。ずっと一緒にいる人より、ずっと一緒にいたけど離れてしまった人とか、もうここにいない誰かを歌詞にすることが多くて。今回の作品もまさにそうで。最後に流れるテーマ曲も、最初は歌詞も歌もなかったんです。でもインストでもハマらなくて、それなら歌詞を書いちゃおうと思って書き出したら半日くらいで書けちゃって。僕は、真和さんが演じる恒(コウ)の立場に立って歌詞を書いたんですけど、普段書いている感覚とかなり近かったですね。久しぶりにいい歌詞書けたなって、書き出しの時点で思えて。

monster & moonstar

濱田 その、恒の気持ちになって書いたっていうのは後日聞いたんですけど、聴いた瞬間に役作り中の自分の気持ちとリンクし過ぎちゃって。稽古場に搬送する家具をまとめた自分の部屋で、ひとり嗚咽しながら泣きました。

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——役者に寄り添った曲作りというのが、ここでも効いていますね。前作出演時の経験が生かされていることに加え、図らずも『blue , blew , bloom』での役柄が伏線みたいになったような気さえします。

古舘 真和さんの描く世界って、全部ひとつっていう感じがするんですよね。それぞれが暮らしている街とかは違うのかもしれないけど、同じ世界の中で物語が進んでいるんじゃないかなって。僕が『blue , blew , bloom』で演じた桜(さくら)は音楽をやっていたので、「もし彼があのあとCDを出していたら……」っていうイメージで、彼のその後というかスピンオフ的な感覚で作ったところはありますね。

濱田 それは知らなかったし、考えもしなかった。でも、僕はこの作品を『sea , she , see』のスピンオフみたいな感覚で作ったから、そこに『blue , blew , bloom』の世界が絡んでいてもまったく不思議ではないですよね。

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野中ミサキ

野中ミサキ

ライター

某レコード ショップ勤務後、雑誌編集者を経て2015年にフリーライター/エディターへ転向。月刊誌・書籍~ウェブメディアでの執筆まで幅広く 携わる。FREE ならぬ FLOWの精神で、おもしろいほうへと漂うように活動中。

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