——「LIVE+ing」の特徴として、まさに“リビング”規模のフラットな空間での公演だそうですね。

濱田 渋谷にあるelephant STUDIOというビルの2階にあるES gallaryが今回の公演会場です。同ビル1階のBAR 天竺で、月1回『Superendro“BAR”』っていう、僕らがお店に立つイベントをやってるんですけど、「1階でBAR、2階で芝居をやりたい」ってelephant STUDIOの方と話しているときに、ある方が「それ、寺山修司の天井桟敷館だね」って言ってくれて。僕もあまり詳しくは知らなかったんですけど、天井桟敷館っていうのは寺山修司さん中心に結成された劇団「天井桟敷」によって設立された日本初のアングラ専用劇場で、渋谷の並木橋のほうで、地下の小劇場の上に一階が喫茶店という空間だったみたいなんですけど、そのイメージだ!と。別に僕の作品はアングラってわけではないんですけど、芝居を観てくれた人とBARで直接交流することで活力も生まれるし、そこからまた新しいインスピレーションがもらえたりするかもしれないなって。そういう場所をつくりたいという話をelephant STUDIOの方と話して進み始めました。

熊谷 あんな規模の空間で演技したことはないですけど、楽しみで仕方ないですね。こんな間近で芝居を見せられるなら、マジ本気でやるぜっていう。規模も小さければ関わる人間も少ないわけで、そのぶんよりすさまじいものにしたいし、見せたるわ! って感じです。

【インタビュー】Superendroller濱田真和と熊谷弥香が語る新しい演劇のかたちと最新作『tane&tiny』 interview160630_s_10

——より密度の高いものになりそうですね。

熊谷 もうね、言い合いばっかりですよ。特に、私と真和が(笑)。でも、ただ仲いいだけだったら、こういうかたちで作品をつくるのは難しいのかもしれないなって思います。4人それぞれが自立しているからこそ、こういうことができるというか。

——その自立した4人がそれぞれ外で感じたことを持ち帰れる場所が「LIVE+ing」なのかもれませんね。そして、それがまたSuperendrollerの活動に還元されて、さらにクリエイションの幅が広がっていく。サイクルという点で『tane&tiny』のテーマともリンクしている気がします。

濱田 そうかもしれませんね。今回、実は初めて4人揃って作品を作るっていうところで、僕らだけでやるとどういうものができて、どんな反応が返ってくるのか、Superendrollerというものの自己紹介的な意味があるし、挑戦だと思っています。

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PROFILE

濱田真和

2009年に俳優活動をスタート。以後、独学で脚本を学び、2011年に初めての脚本作品を上演。2014年8月、自身の活動発信の場としてSuperendrollerを立ち上げ、2015年9月に初プロデュース作『sea , she , see』、2016年3月に『blue , blew , bloom』を上演。俳優活動としても数々の作品に出演し、現在、劇団ロ字ックによる『荒川、神キラーチューン』(6月29日(水)〜7月3日(日)東京芸術劇場シアターウェスト・7月9日(土)・10日(日)穂の国とよはし芸術劇場PLATアートスペース)に出演中。

熊谷弥香

2008年芸能活動開始後、数々の映画・舞台・CMへの出演を務める。主な出演作は、映画『S最後の警官the movie』ドラマ『花咲舞が黙ってない』、CM『JR東海トーキョー☆ブックマーク』舞台『つかこうへい作 広島に原爆を落とす日』など多数。また、雑誌「mina」のレギュラーモデルをはじめファッション誌モデルとしても活動。パンシェルジュ3級をとるほどのパン好き。
オフィシャルサイト

EVENT INFORMATION

Superendroller LIVE+ing #1「tane&tiny(たね&タイニー)

2016.07.29(金)- 08.02(火)
渋谷ES gallery(elephantSTUDIO)

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