––––ドムはデビュー前、地元のライヴ・ヴェニューにてサウンド調整やデモ・レコーディングを手伝ったりしていたそうですね。自身もバンドを結成してミュージシャンとして成功したいという思いはいつ頃からあったのでしょうか?

友達のツアーでサウンド・エンジニアをやっていたんだけど、みんな毎晩ステージを降りてくるとき興奮とアドレナリンで、まるで世界征服でもしてきたような顔をしてるんだよ。それを見ていて、その中に入ってその幸福感を分かち合いたいってすごく感じたんだ—デスクの後ろに立っている時にはそれは味わえないし、自分もそこに上がって同じことができると頭の隅で分かっていたから、すごくもどかしさを覚えていた。だから、これをただやりたかった、というよりも「やらなきゃいけなかった」んだ。ある意味そこがスタート地点だったと言えるね。

––––メンバーそれぞれの特徴や性格を教えてください。

オーケー、じゃあまずはライアン・マルコム、彼はバンドで一番のんびりしている。一度僕に向かって、「世界とは何か、自分やみんながなぜここに存在しているのか理解してる」って言ったことがあるんだ(笑)。マイペースで、自分1人でも居心地がいいタイプだね。そしてとても才能のあるソングライターでもある。そしてドラムのカール・グリフィンはシャイで遠慮がちですごく良い奴だよ。ヘビースモーカーで、飛行機や電車や車が大好きなんだ。エミリー・ベイカーはかなりクレイジーで、自分だけの世界に住んでいる。ときどき、その世界を僕も覗けたらいいなと思うよ、話を聞いていると素晴らしい世界みたいだからさ。とても小生意気で強気で、すごく面白い奴だよ。そして僕はギターで、バンドのことになると支配魔になるんだ、全てがちゃんとしていないと駄目なんだよ。それか逆に全部がルーズならそれでもハッピーなんだけど、その中間は駄目だね。演奏するときも、全力で完璧にものにするか、完全にその場の空気に任せるかのどちらかで、その間のどちらでもないものは上手くいかないんだ。スタジオの部屋で僕ら4人が一緒にやるときは、最近はお互いのこともよく分かっているし、中途半端にはならないようにできていると思うよ。

【インタビュー】次は彼らに食指が動く! UKインディ界期待の新星=スーパーフード interview141225_superfood_jk-1

『ドント・セイ・ザット』JK写

––––デビュー前からBBCラジオの人気番組で楽曲がOAされたり、各地の音楽フェスに出演、さらにはファン.のパリ公演の前座も務めたスーパーフード。すべてがトントン拍子に進んでいるように見えますが、現在に至るまでに最も苦労したことはなんでしょうか?

苦労したことか……ピースと一緒にやったツアーが一番苦労したかな。僕らは普通の車で移動してて、一晩50ポンドしか稼いでいなくて誰もお金がなかったからホテルもなくて、かなり大変だった。でも同時に一番面白かったツアーのひとつでもあるんだ、彼ら(ピース)は僕らの友達だし、よく面倒を見てくれて、ライヴのあとにも飲みに連れて行ってくれてさ。でもツアーであの移動は本当にきつかったよ。全員で車の後部座席にかたまって座って、機材とかも膝の上に乗せたりしてさ。二日酔いもあるし、前の晩は誰かの家の床で寝ただけで……しかも3週間半も続いたツアーで、相当しんどかった。でもそれが僕らの初めてのツアーで、それ以来やる度に良くなっているよ。今までのところ、そのひとつ前よりも一歩後退するような経験は一度もないんだ、毎回だんだん良くなってきている。今は移動だってバンになったしね。

次ページ:「最近の曲では、マーク・ロンソンの新曲は大好きだよ。」