「2年前の10月26日のステージで向後さんが加入した。そして今年、同じ日同じステージで彼の最後のニュー・サムライ・ロックンロールは爆発する。俺たちには夢がある。貫く壁がある。向後さんの夢も積んだザ・スロットルという小さく大きなボートは今はじめて海に出た。0地点だ。いこう、最後まで、どこまでも。Everything gonna it’s alright!」(ザ・スロットル)

ロックンロールバンド「ザ・スロットル」、HIP-HOPチーム「SANABAGUN.」のフロントマン、そして表現集団「SWINGERZ」の主宰も務める高岩遼が、憧れ&思い出の地を訪れ、語り合う対談企画の第2弾。

今回訪れたのは、ザ・スロットルが3年連続で10月26日にライブを行う渋谷WWW。2015年はSANABAGUN.とSuchmosとの3バンドが集結した<革命>、2016年はザ・スロットルの<いこう、最後まで。>、そして今年もザ・スロットルのワンマンライブ<Horror>が開催された。

この縁深き場所で対談のお相手となるのは、WWWオープンからこの場所に携わり、現在はブッキング&PRを担当する三條亜也子さん。

下の下の下の……地面より下ぐらいの感じだった2年前

渋谷・スペイン坂の頂上にある「WWW」は、スペースシャワーTVのプロデュースにより、2010年11月に誕生。国内トップレベルの音響・照明・映像設備と、元映画館という特性を生かした段差のある客席フロアや、開放感のある天井高などが魅力のライブスペースだ。2016年9月には、1号店の上に2号店「WWW X」をオープン。CD不況が叫ばれる時代に、現場主義のセレクト眼で、さまざまな有望なミュージシャンをピックアップ&フックアップしている。

3年連続の10月26日ライブ。高岩遼と渋谷WWW takaiwaryo-1711287-700x467 3年連続の10月26日ライブ。高岩遼と渋谷WWW takaiwaryo-1711286-700x467

取材当日は、ザ・スロットルのワンマンライブ<Horror>の開催日。この日をもって、ギター・向後寛隆の脱退が決定しており、現メンバーでのラストライブとしても注目された。

取材陣と先に到着した三條さんが待つWWWの地下フロアに、颯爽と階段を下りて高岩遼が現れた。身体をビルドアップし、2年かけて彫り上げた両腕のタトゥーも完成。この日に向けて、高岩遼は自らを作り上げてきた。

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高岩遼(以下、高岩)「とうとう来ましたね。俺のイメージするロックスターに、少しは近づけたと思います。この場所はみんなから見下ろされる……昔のカーネーギー・ホールみたいな段構えがすごい好きなんですよね」

3年連続で同日に、WWWでのライブに挑むことになったその顔は自信に満ちていた。この場所でライブすることになったキッカケを伺うと……。

高岩「ザ・スロットルの前に、SANABAGUN.がやりましたよね?」

三條亜也子(以下、三條)「そうですね、WWW主催のイベントに出てもらいました。それから改めて、ザ・スロットルの企画をやりたいという話をもらい、初めて遼さんと打ち合わせするってなって……ルノアール(喫茶店チェーン)に行きました」

高岩「フフフ……それが、僕らの出会いです」

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ルノアールにて出会ったふたり。ただし、本当の意味での出会いは、路上にあったという。

三條「路上ライブの時から見ていて、第一印象は“どうしても目で追っちゃう存在”だなと。ルノアールで会った時に、企画書を作ってきてくれたんですよ。アーティストやバンドの方とお会いすることは多いんですけど、あそこまでちゃんとしたものを持ってきた人は初めてだったので、すごく印象に残ってます」

高岩「俺の三條さんの印象は、キレイっていうのは言わずもがな。ルノアールでお話しした2年前、俺は今よりもっとペーペーで、下の下の下の……地面より下ぐらいの感じだったので、WWWは憧れの場所でした。三條さんと最初に会った時にすげー印象に残ってるのは、ピアノの話、しましたよね? 」

三條「はい、しましたね。私も遼さんも小さい頃にピアノを習っていて」

高岩「その話にすごい花が咲いて。帰り道、『お話したな〜……』ってほっこりしながら渋谷のスクランブルを歩きました」

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高岩遼が3年目となるザ・スロットル×10月26日を語る。「WWWで思い浮かぶプレイリスト」をチェック!

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interview & text by ラスカル(NaNo.works)
photo by 横山マサト