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mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。今回はデビューEP『Red Focus』がすでに話題になっているマルチプレーヤーで、ampelのボーカル&ベースである河原太朗のソロ・プロジェクト、TENDERE

彼が「冬に聴きたくなる音楽」をテーマにしたプレイリストを作成してくれました。音数を厳選した中に豊かなグルーヴを宿し、新世代ジャズやミニマルメロウ、ブラックフィールを河原太朗という今の日本の音楽家として消化する彼の嗜好とルーツに迫ります。

Interview:

多彩な音楽家、河原太朗。ソロプロジェクト・TENDREとして「冬に聴きたくなる音楽」を語る interview180111_tendre_02-700x467

“今の僕のルーツといえばルーツとも言える選曲だと思います。”

——今回ソロ・プロジェクトを始動した理由というのは?

今年に入ってからいろんな縁が繋がって来たというか、いろんな現場で知り合ったり、そこで広がって行ったものが今回のレーベルとの出会いであったり。バンドだけで生涯終わらせたくはないというか、自分がどこまで音楽っていうもので勝負ができるか? とは思っていて、今年そのタイミングが来たかなというか。

——一つのバンドにこだわらないことによっていろんな反応や実際の作品が生まれてて面白いなと思うんです。

仲のいい友達と作って来たものが、自然に広がってるって、今、肌で感じてることが多くて、面白いなと思いますね。海外の人が普通にやってること、例えばロバート・グラスパーもそうですけど、個人単位で面白い人間っていうのがいろんなところに動ける環境っていうのがあっちでは自然とできてるかなと思って。日本もこれからは一人のミュージシャン自体がどれだけ面白いことできるか? っていうのが結構大切になってくるかなっていう気がしてますね。

——TENDREは歌の部分が活動に比べて大きい印象があります。

そうですね。元々リリック書くのがすごく苦手だったんです。でも難しいこと言わなくてもいいなと思って、TENDREって言葉自体も柔らかいとか、割とシンプルな言葉で。そういう自分がシンプルにいいなと思えることを一つずつ形にしていけばいいかなっていう気持ちではありますね。

——ではプレイリストのお話に移るんですが、今回「冬に聴きたくなる音楽」ということで選んでいただきました。河原さんの音楽にも繋がっていくと思うので、選んでいただいた理由と曲の河原さん流の聴きどころなどをお願いします。まずpupaはいかがでしょう。

pupa – floating pupa

多分初めて聴いたのが冬で。ほんと原田知世さんの声が、こんなにもしみてくるかっていう。しみる声と転調の感じとか、冬の空気に馴染む曲だなと思いましたね。この『pupa』っていうアルバムは全曲いいです。ライブを見てみたい。

——続いてカニエ・ウエストの中でも結構初期の曲。

僕がヒップホップを聴くようになったのは呂布くんの影響が大きくて、この曲も数年前に教えてもらいました。この曲はピアノの転がるような旋律ですね。冬だとピアノの音が合うなと個人的には思ってて。ピアノの一音一音が、冷たさの中にちょっと雫が一つ落ちるような、そういうイメージにすごく合うんだろうな、と。ヒップホップなんでビート自体はずっとあるんですけど、その中で佇むように静かに鳴るピアノというそのバランスが好きですね。

KanyeWest–Heard’Em Say(featuringAdam Levine/Album version(Explicit))

——続いてゴールドリンクはどういうところが?

たまたま今期に聴いた曲だったから、「あ、結構合うな」と思って。マセーゴってアーティストがいるんですけど、ちょっと前から気になっていて。この人の声自体がほんとに特異なものというか、声自体が枯れた感じ、冬のちょっと枯れた空気感、そことのマッチ感もあったりして選びました。

Goldlinkfeat.Masego–LateNight(ROM Remix)

——次の曲もリミックスでオリジナルはリアン・ラ・ハヴェスですね。

リアン・ラ・ハヴァスも好きだったんですけど、マセーゴと同様にトム・ミッシュが最近のフェイ バリットアーティストで。これは外というよりは家の中の暖かいところでこういう心地いい音楽を流したいときに、ビートの主張自体もちょうどいいポイントにあって、ギターの音自体も生活の中に馴染むと思いますね。

Lianne La Havas – W hatYou Don’tDo (Tom M isch Rem ix)

——そして御大グラスパー。この曲はちょっと異色というかメッセージ性が強いですけど。

僕はメッセージ性というよりは音が織りなす、そのシビア感というか、あえてものすごい寒い時に聴くと、ある種自分の士気を高めるような(笑)、なんかそういうイメージを持って聴いてましたね。冬自体、感覚が研ぎ澄まされる時期でもあるかなと思って。そういうときにこそ聴いたうえで、自分の中で何かを燃やすという聴き方もできる曲かなと思うし。何か向かっていくときに聴くといいかもしれない。

RobertGlasperExperim ent– IStand Alone (featuring Com m on,Patrick Stum p)

多彩な音楽家、河原太朗。ソロプロジェクト・TENDREとして「冬に聴きたくなる音楽」を語る interview180111_tendre_03-700x448

新しいものから古いものまで、河原太朗・TENDREのルーツとも言える曲達は?

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text&interview by 石角 友香
photo by Kohichi Ogasahara

石角友香

石角友香

ライター

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