複数のクーパーへのアプローチ「非常にチャレンジでもあったし、楽しみだった。」

——新シーズンについては、すでに全18話の撮影が完了しているとうかがっていますが、このシーズンで描かれているものは、カイルさんにとってはやはり驚きの連続でしたでしょうか?

そうだね、本当に撮影は終わっているんだけど、未だに私が思っていたのと違ったり、非常に驚きがあったり。だから今は一視聴者として楽しんでいる、そんな感覚なんだよね(笑)。

——今回の新しいシーズンは『ツイン・ピークス』の物語の完結編となるのでしょうか?それともさらに今後も続いていく形になっていくのでしょうか?

いや、実は分からない(笑)。脚本は全部読んだんだけど、デヴィッドはそれ以降にも書き直したり、書き足したりしているし、また編集作業を進める中で変わっているところもあるので、実はどうやって終わるのか、僕も全く分かっていないんだ。そんな状態で僕はまだ8話までしか見ていないから、そういう意味で僕は今、一視聴者なんだよ。

——カイルさんが今回のシーズンの脚本を読まれた時には、どのように思いましたか?

すごく興奮したね。というのは、まずストーリーが今までの『ツイン・ピークス』に戻るのではなく、前に進むというか新しいストーリー、要素を含んだものだった。それにもう一つ、自分の役に関しては一人のクーパーだけでなく、いくつかのクーパーというものを演じ分けられるというそのチャレンジがあったので、興奮したんだ。

——その意味では、クーパーという役が一つに収まり切れない面白さがありますね。今回のクーパーについてお話しいただけますか?

そうだな……まず現実とは違う次元に、巨人と赤い部屋にいるクーパーと、それから現実世界にボブに乗り移られたクーパーと、もう一人のダギーという存在。ボブに乗り移られたものは、25年間この世でずっと悪いことをしたい放題していたという奴で、さらにもう一人のクーパーがいるという格好なんだけど、本当はこの世の中に二人のクーパーがいるというのは許されない。だから二人の間には緊張感が非常に高まっていて、どこかで何かが起きる、ということになると思うね。

——複雑な役柄ですね。でも俳優としてすごくやりがいがあったように思われます。

そうだね。本当にこんな風にいろんな役に挑戦できることは普段は無いことなので、非常にチャレンジでもあったし、楽しみだったんだ。

——本作は序盤より、前回のシーズンに対してますます抽象的な描写が増えたように感じました。それぞれのシーンに関して、デヴィッド監督とマークから解説をしてもらったのでしょうか?それとも演出、演技に関しては、シーンごとにそれぞれの役者に委ねて、自分の解釈でという感じだったのでしょうか?

まあ聞く時もあったね。でも聞かない時は、自分のシーンをそのまま演じてデヴィッドに委ねたんだ。全部のストーリーが分かっているのは彼だから、それにぴったり合うようにやるし。だから自分のところだけを集中してやるという感じで、正しくなかったら彼にそう言ってもらうし。そんな感じで撮影は進められたんだ。

——前シーズンで疑問に思っていたことがあるのですが…クーパー捜査官がテープレコーダーにメッセージを残す際に「ダイアン」という人の名前を入れていましたが、この人はどんな人なのでしょうか?

ああ、実はあれは、前シーズンでは全くイメージが無いんだ。あの録音は、クーパーが自分自身の記録としてやっていたもので、ある意味日記的なものとして覚えておくべき話や、一日の記録のためにやっていたものなので、特にイメージは無かった。どこかにその録音のカセットを送るというシーンも無かったし。ただ、今回の新しいシーズンでは、遂にダイアンが登場するよ。お楽しみに!

【インタビュー】『ツイン・ピークス』再び!謎の続きを綴る作品への思いを、カイル・マクラクランが語る interview_twinpeaks_4-700x1050

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新作『ツイン・ピークス』

【インタビュー】『ツイン・ピークス』再び!謎の続きを綴る作品への思いを、カイル・マクラクランが語る interview_twinpeaks_2-700x395
7月22日(土)よりWOWOWプライムにて放送(全18話)【第1話無料放送】
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