今年の<フジロック2017>ではWHITE STAGEにて小沢健二の前に出演し、小沢健二ファンをある意味で驚かせたデス・グリップス(Death Grips)が11分に渡る新曲を公開した。

Death Grips – electronic drum solo dub mix (single take)

新曲はデス・グリップスの中心人物であり、ドラマーのザック・ヒル(Zach Hill)がRoland V-Drumsで暴れるドラムソロ。先日公開されたデス・グリップスの2017年アメリカツアーのプロモーションビデオから、ドラムのみを抜き出したものとなっている。

Death Grips 2017 US Tour Promo

Death Grips

デス・グリップス(Death Grips)はアメリカのカリフォルニア州サクラメントで2010年に結成されたエクスペリメンタル・マルチジャンルグループ。ヒップホップに止まらない、暴力的で実験的、キャッチーな音楽性で世界中から人気を集めている。

メンバーはMC RideことStefan Burnett、ドラマーのZach HillとキーボードのAndy Morinの3人で構成されている。2011年にミックステープ『Exmilitary』をネット上でフリー公開し、話題を呼ぶ。収録曲の“Guillotine”はカサビアン(Kasabian)に影響を与えるなど、各地に衝撃を走らせた。翌年の2012年にはファースト・アルバム『The Money Store』をリリース、超辛口音楽批評YouTuberのthe internet’s busiest music nerdことThe Needle Drop・Anthony Fantanoが10点中10点のフルスコア、2012年のベストアルバムに挙げたことや、ピッチフォークよりBEST NEW MUSICを獲得するなど、評判を確かなものとした。

同年にはセカンド・アルバム『NO LOVE DEEP WEB』を発表。契約していたエピック・レコードにも知らせず、バンドのHPでフリー配信したことから、一悶着を起こし、一連の事件についてフェイスブック上で次のようなコメントを残す。「HAHAHAHAHAHAHA NOW FUCK OFF.」後にエピック・レコードからはレコード契約を破棄される。

2013年1月には渋谷WWWにて初の来日公演、7月には<フジロック>のRED MARQUEEの深夜枠に出演した。また同年にバンドのレーベル〈Third Worlds〉を開始、サード・アルバム『Government Plates』をハーヴェスト・レコードよりリリースする。2014年6月に二枚組のアルバム『The Powers That B』のリリースを発表、DISC 1となる『Niggas on the Moon』がフリー配信され、本作でビョーク(Bjork)が全編にサンプリングされていることで話題となる。

同年夏にはナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)とサウンドガーデン(Soundgarden)とのツアーが予定されていたが、ツアー直前の7月にバンドのフェイスブックにて公式にバンドの解散が発表された。解散を知らせる文章はナプキンの上に書かれ、それ自体の写真が投稿された。理由は「バンドが絶頂にあるため」。ツアーなどは全てキャンセルされ、解散前にアナウンスされていた『The Powers That B』は2014年の終わりにリリースされると発表した。

2015年1月にインストミックステープ『Fashion Week』をフリー配信、曲名を縦読みすると「JENNY DEATH WHEN」になり、『The Powers That B』のDISC 2のリリースはいつなのかとネット上で再び話題となる。そして3月に『Jenny Death』がリリースされた。同年10月には5枚目のアルバム『Bottomless Pit』のリリースを発表、翌年5月にリリースされる。

2017年5月には『Steroids (Crouching Tiger Hidden Gabber Megamix)』と題されたミックスを公開、新しいアルバムに取り組んでいることも発表された。7月には<フジロック2017>で再び来日し、小沢健二ファンを驚かせた。

デス・グリップスのHPは18歳未満は注意とHP上に記載されているので、文字通り注意しよう。

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