EXILEファミリーの一員として2012年にデビューしたGENERATIONS from EXILE TRIBE。彼らの5年間の軌跡を辿る初のベストアルバム『BEST GENERATION』が2018年1月1日(月)に発売される。

ベストアルバム『BEST GENERATION』リリース!

GENERATIONS from EXILE TRIBEと世界音楽シーンの接点。5年間の軌跡と音楽的魅力! music_generations_3-700x932

このベストアルバムの豪華盤には、全シングル15曲と新曲“ALRIGHT!ALRIGHT!”を収録したDISC1の他、彼らがこれまでにカバーしてきた楽曲とEXILE曲を含む新録3曲をまとめた全7曲のカバーコレクションをDISC2に収録。

DVDとBlu-rayには、DISC1に新録2曲を含む全26曲のミュージックビデオ集、DISC2に<a-nation>出演時の映像8曲と<DANCE EARTH FESTIVAL 2017>出演時の3曲の未公開ライブ映像、DISC3に5年間の軌跡を辿るメモリアルドキュメントが収録される。

また、豪華盤には初回限定で約100ページのフォトブックが、数量限定生産BOXにはワールドツアー写真集が付属し、音楽、映像、写真と様々な角度から5年間の成長を堪能できるベストアルバムと言えるだろう。

新録ミュージックビデオが何故“Y.M.C.A.”なのか?

ベストアルバム発売に先駆けて、同作のDISC2と映像DISC1に収録される“Y.M.C.A.”のミュージックビデオが公開された。このビデオには、彼らGENERSTIONSの他、同じLDH所属のE-girlsやFANTASTICS、EXPG Labからの若いパフォーマーら総勢69名が出演。LDHの未来を担う世代が一同に会して若さ溢れるパフォーマンスを披露している。

では、記念すべき初ベストに新録されたミュージックビデオが何故“Y.M.C.A.”なのか? まずはそこに彼らGENERATIONSの6年目以降にかける思いが透けて見えるようだ。

30代以上の世代なら絶対に誰もが知っているだろうこの楽曲は、西城秀樹が1979年に発表して大ヒットとなった“ヤングマン”のカバー。さらに元を辿ると、当時アメリカで流行していたディスコ音楽の代表的グループであるヴィレッジ・ピープルの“Y.M.C.A.”(1978年リリース)がオリジナルとなっている。

つまり、西城秀樹の“ヤングマン”は、当時の海外のトレンドをいち早く日本の音楽文化に取り入れることで国民的なヒットとなった一曲だった。加えて、この曲の日本語詞がタイトル通り、若い世代を元気づけるポジティブなメッセージソングとなっているのもポイントだろう。

現在はTHE RAMPAGEという後輩グループがいるものの、長い間EXILE TRIBEの中でも一際若いグループだったGENERATIONS。5年間の成長を経て、これからは自分達のような若い世代が日本を盛り上げ、先達から受け継いだ日本の音楽カルチャーを世界に届けていくのだ。そんな強い思いが、このカバーとミュージックビデオからは伝わってくるようだ。

GENERATIONS from EXILE TRIBE / 「Y.M.C.A.」Music Video

英語詞の全シングルを収録「International Edition」

今回のベストアルバムは、日本語版の他に、International Editionとして英語詞の全シングルを収録した英語ベスト盤の形態でも発売される。これまでシングルのカップリングに収録されてきた英語バージョンに加えて、3曲を新録した全16曲。

また、このInternational Editionの映像DISCには、彼らが2015年と2017年に台湾、香港、パリ、ロンドン、NY、LA等を回ったワールドツアーのドキュメントムービーも収録。実は、彼らGENERATIONSは、LDHで初めてワールドツアーを経験したグループでもあった。

このように、今回のGENERATIONSの初ベストアルバムからは、日本国内だけでなく世界へと向かう意識が端々に感じられる。ここに並べられたシングル曲を改めて聴けば、彼らが日本の音楽と世界のトレンドのバランスを意識しながら自らのアイデンティティを模索して成長してきた過程が浮かび上がってくるだろう。

そこで、ここからは本ベストアルバムに収録されたシングル曲を中心に、海外の音楽との接点を考察しつつ、彼らの歴史と音楽的な魅力について見ていこう。

GENERATIONS from EXILE TRIBEと世界音楽シーンの接点

デビューシングル“BRAVE IT OUT”

2012年11月21日にリリースされた、GENERATIONSの記念すべきデビューシングル“BRAVE IT OUT”。当時は最年長の関口メンディーでも21歳、最年少の佐野玲於に至っては16歳という若さでのデビュー。そのため、今聴くとメンバーのパフォーマンス面では初々しさも残るが、このデビュー曲は音楽性の面で当時の最先端が意識されていた。

この曲で最も印象的なのは、イントロから派手に響き渡る低音シンセのブースト。曲がAメロ、Bメロと進むにつれてシンセの音色が低音域から高音域へ、リズムが細かく早くなり、サビでトランス風のピークへと到達する楽曲構成となっている。この構成は、2012年当時日本でも大きなブームとなっていたK-POP、特にボーイズグループ勢との同時代性を感じさせる。

例えば、韓国を代表するボーイズグループの一つ、BIGBANGが同年2012年にリリースしたシングル“fantastic baby”などを聴けば、その共通点が感じられるはず。

BIGBANG – FANTASTIC BABY M/V

ただ、シンセの音色変化によってドラマチックな展開を演出するダンサブルなサウンドというのは、何もK-POPが発祥というわけではない。そこには、当時まだ勃興期にあり、後に世界中を席巻することになるEDMの潮流があった。

2012年と言えば、イギリスのアンダーグラウンドなムーヴメントだったダブステップが、海を渡ってアメリカへと進出し、そこで他のダンスミュージックを飲み込んでド派手な発展を遂げた時期。ダブステップのぶっといベースライン、トランスのアッパーなシンセ・リフ、エレクトロのダイナミックな音色と展開などが組み合わさって新しく生まれたのが、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)というジャンルだった。

試しに、その潮流の第一人者でもあるスクリレックスが2012年に発表した“Bangarang”を聴いてみよう。

SKRILLEX – Bangarang feat. Sirah [Official Music Video]

クラブ向けのダンスミュージックであるため、GENERATIONSやK-POP勢と比べると、歌メロの役割が少なく、サウンドとビートが主役ではある。しかし、そのパート・音色の一つひとつを聴くと、似たようなサウンドが端々に発見できる。つまり、初期EDMのサウンドを取り入れつつ、それを日本のポップスに落とし込んでいたのがGENERATIONSのデビュー曲“BRAVE IT OUT”だったと言える。

GENERATIONS / BRAVE IT OUT (Short Version)