映画ツウなら気になる「最優秀コンピレーション・サウンドトラック」は、
ジェイ・Zの仕事にフォーカス

JTことジャスティン・ティンバーレイクが主要4部門にノミネートされなかったことに驚きを隠せないのだが、面白い組み合わせだと思ったのが「最優秀コンピレーション・サウンドトラック(Best Compilation Soundtrack For Visual Media)」。5作品中2本がドキュメンタリー映画で、『レ・ミゼラブル』は有名な小説が原作のミュージカル映画、『華麗なるギャツビー』なんて通算5回目の映画化だし、真新しい「映画作品」と呼べるのはクエンティン・タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』ぐらいのもの。とはいえ、サントラの内容はいずれも画期的なものばかりだ。

ラナ・デル・レイ “Young and Beautiful”

特に『華麗なるギャツビー』はエグゼクティヴ・プロデューサーとしてジェイ・Zを招いており、フローレンス・アンド・ザ・マシーン、ラナ・デル・レイ、ザ・エックス・エックス…etcといった豪華アーティスト/バンドの書き下ろし楽曲を多数収録。さらに、ビヨンセとアンドレ3000(祝・アウトキャスト復活!)に故エイミー・ワインハウスの“バック・トゥ・ブラック”を、ジャック・ホワイトにU2の“ラヴ・イズ・ブラインドネス”をカバーさせるなど、1920年代を再現したバズ・ラーマン監督による極彩色の映像美に、徹底してモダンなミュージックで味付けを施した。その遊びゴコロではジェイ・Z本人の最新アルバム『マグナ・カルタ・ホーリー・グレイル』を凌駕するほどで、映画界に進出したミュージシャンという意味でも新たな領域を切り開いたと言えるだろう。

<グラミー賞>前後に開催されるザ・ビートルズ関連のイベントって?

2013年の「洋楽シーン」を盛り上げた功労者といえばポール・マッカートニーだが、この度ザ・ビートルズが<グラミー賞>を主催するナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンスより、「グラミー賞 特別功労賞生涯業績賞」を贈られることになった。クラフトワークやアイズレー・ブラザーズと並んでの受賞となり、<第56回グラミー賞>の前日に行われる特別セレモニーで授与される。また、全米レコード芸術科学アカデミーが企画するイベント“The Night That Changed America:A Grammy Salute To The Beatles”においてユーリズミックスが一夜限りの再結成、ビートルズのカバー曲を演奏するようだ。同イベントではジョン・メイヤー&キース・アーバンが“ドント・レット・ミー・ダウン”を、アリシア・キーズ&ジョン・レジェンドが“レット・イット・ビー”をカバーする予定で、3度のグラミー賞受賞経験を誇るマルーン5も出演がアナウンスされている。こちらは<グラミー賞>授賞式の翌日にあたる現地1月27日(月)にLAのコンベンション・センターにて撮影され、ビートルズがテレビ番組『エド・サリヴァン・ショー』で1964年に初出演してからちょうど50年を記念する、現地2月9日(日)20時から米CBSで放送予定(日本では2月11日(火)にWOWOWでオンエア!)。サーポールとリンゴ・スターの飛び入りにも期待?

ダフト・パンクとスティーヴィー・ワンダーが共演!? 
夢のような豪華絢爛パフォーマンスをぜひリアルタイムで!!

<グラミー賞>最大の魅力、それは豪華絢爛なライブ・パフォーマンスの数々に他ならない。奇妙な卵から孵化してみせた第53回のレディー・ガガは衝撃的だったし、待望の復帰作リリース前に披露された昨年のジャスティン・ティンバーレイクによるゴージャスなバンド・セットにもシビれたし、USCマーチング・バンドをバックに従えた第51回のレディオヘッドも素晴らしかった。しかし、何と言っても見逃せないのが規格外のスケールで繰り広げられるスペシャル・コラボレーションである。第46回のプリンス&ビヨンセはステージから放たれる人間離れしたオーラがモニター越しに伝わってきたものだが、昨年のリアーナ、スティング、ブルーノ・マーズの3名による世代を越えた競演も大きなバズを巻き起こした。

ダフト・パンク “Lose Yourself to Dance”

そして、今年はなんとダフト・パンクとスティーヴィー・ワンダーによるコラボ・パフォーマンスがアナウンスされたのだ。ダフト・パンクといえばシングル/アルバム共に主要2部門を含む計5部門でノミネートされているが、最新作『ランダム・アクセス・メモリーズ』のリリースに伴うライブをこれまで一度も演っていない彼らだけに、今回のパフォーマンスは文字通り目玉。また、テレビ・パフォーマンスを行うのもカニエ・ウェストとコラボした08年の<グラミー賞>以来だということで、俄然期待が高まってしまう(ファレル・ウィリアムス&ナイル・ロジャースも参加予定!)。主要部門を含む4部門にノミネートされたニュージランドの新星ロードはケイティ・ペリーとのコラボを予定しているし、天下の伊達男=ロビン・シックはあのシカゴと共演。さらに、中国を代表するピアニストのラン・ランと23年ぶりに<グラミー賞>でパフォーマンスを披露するメタリカも見逃せない。大物ミュージシャンたちによる夢のようなサプライズ。これは、伝統と名誉ある<グラミー賞>だからこそ成立するのだ。

もちろん<第56回グラミー賞>も、日本ではWOWOWが独占生中継。アメリカでは<コーチェラ>のラインナップが発表となり(すでに2週間分のチケットが完売!)、日本も<フジロック・フェスティバル>や<サマーソニック>の開催がアナウンスされたばかり。来る夏フェスの前哨戦として、あるいは、今もっとも「ヤバイ」アーティスト/バンドを知るための格好の教科書として、思う存分楽しんでいただきたい。

(text by Kohei Ueno)

Program Information

生中継!第56回グラミー賞授賞式
2014.01.27(月)9:00
放送チャンネル:WOWOWプライム
※生中継 ※同時通訳

同日リピート放送!第56回グラミー賞授賞式
2014.01.27(月)22:00
放送チャンネル:WOWOWライブ
※リピート放送 ※字幕

問い合わせ:0120-808-422(受付時間:9:00〜21:00)
※「Qeticを見た」とお伝えください

【関連番組】
いよいよ明日! <第56回グラミー賞授賞式>直前スペシャル
2014.01.26(日)13:00
放送チャンネル:WOWOWプライム
※生放送、字幕無し
※BS-9チャンネルにて無料でご覧いただけます

ザ・ビートルズ・トリビュートライブ~グラミー・スペシャル~
2014.02.11(火・祝)21:00
放送チャンネル:WOWOWライブ

【関連特集】
2カ月連続グラミー賞月間! 洋楽スペシャル

2013.12.01(日)~2014.01.30(木)
放送チャンネル:WOWOWプライム、WOWOWライブ

グラミー賞直前! 映画で楽しむグラミー賞
2014.01.20(月)~23(木)
放送チャンネル:WOWOWシネマ