『SILENT PLANET』にも参加。新世代ヒップホップ・シーンのカリスマ、KOHH。

KOHH – ”Business and Art”

一方のKOHHは、12年のミックステープ『YELLOW T△PE』をきっかけに注目を集めた、日本の若手ヒップホップ・シーン屈指のカリスマ。15年の『梔子(くちなし)』や『DIRT』をリリースする頃には、トラップ以降の感覚を持った近年のUSヒップホップ・マナーを柔軟に取り入れたトラックや感情をストレートに吐き出すようなフロウ、彼の頭の中をそのまま覗き見るかのような感覚を持ったリリックがジャンルを越えて幅広く支持を獲得し、この夏は『FUJI ROCK FESTIVAL ‘16』のホワイト・ステージにも出演。都営住宅での生活や母親が薬物依存者であることを含む自身の生い立ちを描いた“FAMILY”や、彼の地元・北区王子の仲間をステージに呼び込んで披露した“結局地元”などを含むステージで話題をさらいました。

そんな彼に同世代のTeddyLoidが初期からシンパシーを感じていたこともあり、『SILENT PLANET』の“Break’em all”では、KOHHがトラックにもかかわる形で2人の初のコラボレーションが実現。ここではKOHHが持ち寄ったアイディア=「デスコア」と「アトランタトラップ」をベースに2人で化学反応を繰り広げ、まるで異ジャンルが衝突する際の巨大なクラッシュ音のような、作品中屈指のキラー・チューンをものにしていたのも記憶に新しいはずです。

TeddyLoid – Break’em all feat. KOHH (Preview)

noisey ATLANTA アトランタ トラップ最前線に潜入①

TeddyLoidとKOHHの交流はその後も続き、まずはTeddyLoidが☆Taku Takahashiや中田ヤスタカ、Shiggy Jr.の池田智子らを迎えて開催した『SILENT PLANET』のリリース・パーティーに、KOHHがシークレット・ゲストとして飛び入り参加。事前には聞かされていなかった観客による半ば驚きにも似た大歓声を受けながら2人で“Break’em all”を熱演すると、続いてKOHHが今年6月にリリースした最新作『DIRT Ⅱ』にはTeddyLoidがプロデューサーとして参加したことも話題になりました。

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