2つのスライダーで音階をオクターブ上下させたり、ベロシティーを設定できる

80年代に一世を風靡したFM音源をコンパクト・サイズで気軽に楽しめる、KORG『volca fm』の魅力 technology180606_volcafm_7-1200x802

本製品左側にあります「TRANSPOSEスライダー」を上下に動かせば、音階を1オクターブ上げたり下げたりできます。

その隣の「VELOCITYスライダー」は音のベロシティーを設定します。本製品の鍵盤ボタンを指で弾きながらや、シーケンスを鳴らしながら、こちらのスライダーを動かしてやれば音に強弱の変化をつける事ができます。EDITモードにした時は、FM音源のパラメーターを設定するための「VALUEスライダー」になります。

FM音源は「キラーン」と輝くようなサウンドが特徴ですが、音を低くしてシンセ・ベースとして使用するのも「ゴツゴツ」とした硬い質感の音が出て、なかなかカッコいいです。

次は実際に、DAWとMIDIケーブルで接続した『volca fm』をベース音源として使用した動画を撮影しました。シンセ・ベース以外の音色は他のソフト・シンセを使用し、『volca fm』のベロシティー・スライダーを少しだけ操作してベース音色に変化をつけています。動きが少ないのでちょっと地味かもしれませんが、お楽しみください。

Volca fm synth bass (Performance connected with DAW) – Music By FALCON-106

もう一台の『volca fm』に接続して、音色やシーケンス・データをエクスポートできる

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エディット・ノブの下には4つのボタンがあります。右側の「EDITボタン」は、EDITモードにするためのボタンで、音色のパラメーターを設定したり、エクスポートする時に使用します。

左側の2つの「OCTAVE<,>ボタン」は鍵盤を演奏する時の音階を、-2~+2オクターブまで変更するためのボタンなのですが、「EDITボタン」を押すと「OPERATOR-,+ボタン」になります。その時、液晶画面左側に「1~6」と「A」という文字が表示されます。これは、「1~6」までのオペレーターと、「A」は全てのオペレーターに対するパラメータを設定する事を意味しています。その中から「OPERATOR-,+ボタン」を押して、どのオペレーターを設定するかを選択します。

音色を切り替えるために使用していた黒色の「PROGRAMノブ」は、EDITモード時には「PARAMノブ」に変わります。この「PARAMノブ」を回すと液晶画面上に、先ほど選択したオペレーターに対するパラメーターが切り替わります。たくさんのパラメーターがあるので、ちょっと混乱するかもしれませんが、付属されているパラメーター・リストにそれらが記載されているので、それを見ながら、EG Rate、EG Level、Level Scale Break Pointなどのパラメーターを選択します。

先にご紹介しました「VELOCITYスライダー」は、EDITモード時には「VALUEスライダー」になりますので、このスライダーでパラメーターの数値を操作し、アウトプット・レベル、EG、LFO、ベロシティーなどの変化を設定します。本製品の中で、最も奥が深く、いじりがいのあるセクションです。

「SAVEボタン」は、エディットしたパラメーターを保存する時に使います。EDITモード時は「EXPORTボタン」として機能するので、音色のエデットが済んだら、一度「EDITボタン」を押し、EDITモードを出てから「SAVEボタン」を2回押すと作った音色がセーブされます。

本製品は「SYNC OUT端子」から、もう一台の『volca fm』にケーブルを接続して、音色やシーケンス・データをエクスポートする事ができます。「EDITボタン」を押しながら「EXPORTボタン」を押し、「PROGRAMノブ」を回して何をエクスポートするかをディスプレイを見ながら選択します。

エクスポートできるのは、「Curnt PGM」(現在選択しているプログラム)、「ALL PGM」(32個すべてのプログラム)、「Curnt SEQ」(現在のシーケンス・データ)、「ALL SEQ」(16個のシーケンス・データ)、「CLOnE」(すべてのデータ)の5種類です。

この中からどれをエクスポートするか選びます。もう一度「EXPORTボタン」を押せばエクスポートが開始され、しばらくは「EXPORTボタン」が赤く点灯しますが、完了すると点滅に戻ります。

予想外のニュアンスが出せる、ワープ・アクティブ・ステップ機能

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『volca fm』の鍵盤部分は透明なプラスチック板の下に、ゴールドの鍵盤ボタンが重なり、ボタンの隙間はメッシュのようなディテールになっています。見た目がカッコよく、タッチセンサーの反応がとても良いです。いつもピカピカに磨きたくなります。

鍵盤ボタンを押せば演奏できますが、横一列に並んだ金色の鍵盤に16個のシーケンスを保存できます。「MEMORYボタン」を押してから「1~16ボタン」を押せばシーケンスをロードでき、「FUNCボタン」を押したまま「MEMORY(WRITE)ボタン」を押し、「1~16ボタン」のどれかを押せば、今選んでいる音色とシーケンスをその場所に保存できます。

いくつかのシーケンスを続けて再生する事も可能で、「MEMORYボタン」を押したまま「1~16ボタン」の中で演奏したい範囲を2本の指でこするようにして選択すると、その範囲のシーケンスを続けて再生できます。

「FUNCボタン」を押したまま「1~16ボタン」を押すと、色々な機能を設定できます。どのような機能かと言うと、ポリ、モノ、ユニゾンの切り替え、コーラス、アルペジェーターのオン・オフ、シーケンサーのテンポ、メトロノーム、トランスポーズの設定、ノブやスライダーの動きを記録するモーション・シーケンス機能など様々です。

その中でも一番面白かったのは、ワープ・アクティブ・ステップ機能です。「FUNCボタン」を押したまま、10番目の鍵盤ボタン「WARP ACT STEP」を押し、ランプを点灯させます。続いて「FUNCボタン」を押したまま「PLAYボタン」を押すと「1~16ボタン」のランプが全て点灯するので、再生しながらいくつかランプを指で消してみてください。

すると、16ステップ未満に設定したシーケンスが、16ステップと同じ長さにゆっくり引き伸ばして再生されます。この機能を使えば元のシーケンス・フレーズに比べて、音程は同じだけど長さの違うフレーズを簡単に生み出す事ができます。予想外のニュアンスを狙いたい時におすすめの機能です。

KORG『volca fm』は、FM音源を学ぶための入門機としても、「DX-7」が懐かしい世代の方にもおすすめ

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いかがでしたでしょうか。本製品は少し難易度が高いかもしれませんが、その分操作しがいがあり、飽きさせない魅力があります。

暗闇で光る半透明ブラックのボディーは部屋に置いてあると存在感があり、艶のあるゴールドの鍵盤ボタンもカッコよく、見ているとついつい弾きたくなってきます。机の上に乗せてFM音源の音作りを気軽に楽しむのはもちろん、電池を入れて持ち運び、旅先などで音作りをするのも楽しいかもしれませんね。

アナログ・シンセに比べて音作りが少し複雑なFM音源ですが、本製品はFM音源の音作りを学ぶための入門機として、価格やサイズ共にちょうど良いのではないかと感じました。同時に「DX-7」が好きだった世代の方も、懐かしみながら気軽に楽しめると思います。

DAWと『volca fm』をMIDIケーブルで接続して外部音源として活用したり、他の「volcaシリーズ」と組み合わせて活用すれば、本家「DX-7」に比べて場所を取らず、楽曲にFM音源のきらびやかさを演出する事ができます。それとプラグインをマウスで操作するのとも違って、デザインの良い『volca fm』を目の前に置き、両手でノブを操作して音やフレーズを作れるのが結構楽しく熱中できます。

コンパクトなKORG『volca fm』で、80年代に大流行したFM音源のきらびやかなデジタル・サウンドを、ぜひ取り入れてみてください!

詳しくはコチラ