リーダー平戸祐介さんが語る、『My Favorite Songs』全曲解説!
ここからは『My Favorite Songs』の収録曲について、原曲に対する思い入れやメンバーが選んだ時の感想、制作中に意識したことなどを、それぞれ解説して頂きました!
01.Radiohead – ‟High And Dry”
昨今、ジャズのミュージシャンがレディオヘッドのカヴァーをやっていて、それは聴いていたんですけど、まさかquasimodeでやるとは思っていなかったですね。これはルーツとしてロックも通っているベースの須長が選びました。アレンジが上がってきた時に、まずは「原曲を聴かないと」と思って初めて聴いたんですよ。そうしたら、曲のパーツがかなり少ないんですよね。だから須長のアレンジを聴いて、あのシンプルなものをここまで作り込んだのかと驚きました。僕にとってはローズ(・ピアノ)一本でどこまでメロディーを表現出来るかという意味で、挑戦した曲ですね。MV(シャワーを浴びるモデル=夕海の横で演奏。彼女の背中に曲名や歌詞が書かれている)についてはすべて監督のアイディアでした。スタジオに入った時、「何でシャワーがあるんだろう」と思っていたんですけど、その後に女性が入ってきて『じゃあ楽しんでくださいね』と言われて、「いやいやいや」という感じで(笑)。
02. Bobby Caldwell – ‟Open Your Eyes”
アレンジは須長で、選曲についてはスタッフが薦めてくれたもの。ボビー・コールドウェルはもちろん聴いてましたけど、この曲にあまり馴染みはなかったです。今回聴いてみて面白いと思ったのが、この曲は、「曲が上がっていくのかな」と思ったらストーンと落ちていくんですよね。通常のAメロ→Bメロ→サビ→間奏というオーソドックスな流れじゃない。それもあって、quasimodeでもこういう構成で曲を作ってもおかしくないんだなと気付かされました。そういう意味で、かなり斬新なものになったと思いますね。
03. Jerome Kern -“Smoke Gets in Your Eyes”(下記はコニー・ボズウェルVer.)
有名なジャズ・スタンダードのひとつですけど、これは雲海酒造さんの歴代のCMで使われている楽曲でもあって、それをquasimode流にアレンジしました。今回のアルバムのきっかけになった曲ですね。実は当初、この収録ヴァージョンとラテン・ヴァージョンの2種類があったんですよ。この曲に関しては誰かが選曲したわけではないんで、アレンジもquasimodeだけではなく先方の意見も取り入れながら何度も話し合って制作して、その時に2ヴァージョンを作ったんです。ラテン・ヴァージョンはかなり大胆なラテン・アレンジでした。CM撮影の時は福岡まで行って、ほとんどライヴのような形で撮影しましたね。