カゴ音響派の雄、ザ・シー・アンド・ケイクとトクマルシューゴが、恵比寿リキッドルームの10周年アニバーサリー企画の一環として、11月12日(水)にツーマンライブを行う。

Qeticではこれまでにザ・シー・アンド・ケイクのメンバーであるサム・プレコップ(Vo.&G)、アーチャー・プルウィット(G)の個別インタビューをお届けしてきた。そしてシリーズ第3回となる今回は、ドラム担当のジョン・マッケンタイアが登場!

ザ・シー・アンド・ケイクの活動に加え、Tortoise(トータス)の中心人物としても活躍しており、過去には<フジロック>への出演を含む来日を何度も果たしているジョン。また音楽プロデューサーやレコーディング・エンジニアとしても、イギリスのステレオラブや日本のGREAT3、Buffalo Daughter等、多数の作品に関わっている。

その多岐にわたる活動についてや、機材、またお気に入りのエレクトロ・ミュージックから仮想のミックステープ作成まで、たっぷりと語られたジョン・マッケンタイアのインタビューをどうぞ!

The Sea and Cake – “Harps”

Interview:The Sea and Cake[John McEntire(Dr)]

── ジョンさん、こんにちは。まず、今はどこに? 辺りの様子を、説明してもらえますか?

今オレゴン州のポートランドのホテルにいる。とあるプロジェクトのミキシングを担当するために来たんだ。現在の時刻は深夜の1時。ホテルの部屋はほとんど真っ暗だ。僕の目の前にはコーヒーメーカー(未使用)と本が数冊ある。ずっと欲しかったデイビィッド・グラブズの本、『Records Ruin the Landscape: John Cage, the Sixties, and Sound Recording』をついに買ったんだ。まだ読み始めてないけど、興奮している!

── 一昨年の来日、去年はフジロック、今年の5月にはTortoise(トータス)として、連続の来日になりますが、今年の夏はどう過ごしましたか?

15年間、同じ場所にあった僕のSOMAスタジオを引っ越すので、その作業中なんだ。その他はいつも通り、ライブをやったりレコーディングしたり、という感じかな。

Tortoise – Gigantes – Don’t Look Down

── あなたが最初、Idful Music Corporation(※1)で働き始めた頃、サムやアーチャーはどんな存在でしたか?

シュリンプ・ボートやカクテルズの事はバンドとして注目していて、ライブがあると出来るだけ見に行くようにしてたけど、バンドのメンバーたちとは個人的な付き合いはなかった。アーチャーとは共通の友人を通して何度か会った事はあったと思うけど、多分サムとは最初のアルバムのセッションをするためにIdful Music Corporationで集まった時が初めて会った時だったと思う。

※1:Idful Music Corporation
トータスやザ・シー・アンド・ケイクなど多くのシカゴ発の注目すべき作品が生まれた録音スタジオ。1988 – 89年頃からほぼ10年間にわたり、プロデューサーとしてシカゴのバンドの他、モデスト・マウス、アイアン&ワイン、オーウェンなども手掛けたRED RED MEATのブライアン・デックやブラッド・ウッドたちが運営に関わっていた。

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