栃木県宇都宮市の地下に広がる巨大空間「大谷石(おおやいし)地下採掘場跡」。旧帝国ホテルの建築材にも使われたという大谷石を掘り出してできた巨大な地下空間にて、2020年4月10日(金)、11日(土)に新たな電子音楽のフェスティバル<REITEN presents Ensō>の開催が決定した。
かつて地下軍需工場として陸軍四式戦闘機「疾風」の製造をしていたこともある日本遺産「大谷石地下採掘場跡」は、広さ2万平方メートルにおよび野球場がひとつ入ってしまう大きさ。柱が整然と並び、灯された明かりと柱の影が幾重にも続くその場所は、映画やドラマのロケに使われることも多く、まるで地下神殿を思わせる神秘的な光景が広がる。
Ensō by REITEN/10th April 2020
このまったく新しいフェスを主催するのは、2019年12月14日(土)に世界文化遺産の京都「上賀茂神社」で現代電子音楽界の巨頭、Mark Fellのマルチサウンド・アンビエントライブを実施する実験的アートプラットフォーム「REITEN」。毎回こだわったロケーションで注目を浴びる「REITEN」は、その場所選びにはユニークなだけではない徹底した“音へのこだわり”がある。
思想家の柳宗悦(やなぎ むねよし)が記した–『質が堅くないだけに、石に連想される冷たさがない。丁度、石と木との間のような性質がある。堅くないだけに親しみやすい。何も上等な石というわけではないが、私は大谷石に日本的なものを見出さないわけにはゆかぬ。』
その言葉通り、素朴で柔らかく温かみのある質感の大谷石(おおやいし)は、いわゆる一般的なイメージの石とは異なった吸音と反響の絶妙なバランスで、ここでしか鳴らない“音”があるそうだ。
ラインナップは2020年1月に発表
今回「大谷石地下採掘場跡」の地下空間は音楽とビジュアルアートの実験的なライブ会場に。すでに出演が決まっている10組以上のライブアクトはサウンドエンジニア級の実績を持つ、電子音楽界の最高峰ばかり。その確かなスキルで「大谷石地下採掘場跡」を唯一無二のコンサートホールへと生まれ変わらせてくれることだろう。
そして、切り立つ岩に囲まれた大自然の屋外エリアにはアンビエントと繊細な律動を巧みに使いこなし、広範なプレイを得意とするDJたちを選出しており、屋外での一息も良質な音世界を堪能できる2フロア構成を予定。数量限定の超早割チケット2日券(9,800円)はResident Advisorより発売中。
EVENT INFORMATION
REITEN presents Ensō “Festival for Sonic and Visual Arts”
2020.04.10(金)、04.11(土)
19:00〜5:00
大谷石地下採掘場跡(栃木県 宇都宮市)
出演:2020年1月発表予定
超早割2日券 ¥9,800|早割2日券 ¥12,800|前売2日券 ¥15,800
https://jp.residentadvisor.net/events/1356736
※前売券で規定人数に達した場合は当日券はございません。あらかじめご了承ください。
※会場内での宿泊はできません。近隣の宿泊施設をご利用ください。
※宇都宮駅〜会場間は定期シャトルバスを運行予定
”REITEN”について
実験的アートプラットフォーム”REITEN”はドイツ・ベルリンでサウンドアーティスト福田光成(Kosei Fukuda)が2017年に設立。音響芸術、サウンドアートに対する理解を深めることを目的としている。フェスティバル名称である”Ensō”(円相/円窓)は始まりも終わりもなく、流動的に流れ続ける宇宙の真理を表す円を意味。各々が己の心の窓を見つめ直す事のできる間を具現化するという理念のもと企画されている。