日本が世界に誇る一夜限りのアートの祭典<六本木アートナイト>の開催が、いよいよ明日4月25日(土)に迫ってまいりました! メディアアートに光を当てた今回のテーマは「ハルはアケボノ ひかルつながルさんかすル」。六本木の街を舞台に様々なプログラムが組まれ、朝までアートにどっぷり浸かれるこのイベント。開催が待ちきれない我らQetic編集部は一足先に会場へ潜入してまいりました! 当日催される約80ものプログラムからほんの一部ですが、みなさまにその模様をお伝えしていきたいと思います。さらにさらに! 2013年、2014年に続きアーティスティックディレクターを務める日比野克彦氏へのインタビューも敢行! Qetic読者へ向けて<アートナイト>の見所をうかがってきましたヨ。それではどうぞ!

初の試み「オープンコール」とは……?

今回初めてプログラムを一般公募する「オープン・コール・プロジェクト」が実施され、84作品から4作品が選出されました。プレビューで登場したアーティストは「スイッチ総研」と「ズンマチャンゴ」の2組。最初にパフォーマンスを行ったのは、自らを“オール人力インタラクティブメディアアート”と名のる「スイッチ総研」。スイッチなのに人力とは一体……? と考えていると、目の前に3つ台が。それぞれ太鼓が乗ったもの、粘土が乗ったもの、そして何も乗っていないものが用意され、どうやらこれがスイッチのよう。押すだけがスイッチではないようです。これから何が起こるのかと見守っていると、プレビューに来ていた記者がスイッチを作動させることに。まずは1つ目の太鼓を叩くと、どこからともなく「ヨッ! 日本一!」との声が! するとあたりから5、6人続けて「ヨッ! 大統領!」などのかけ声がわらわらと響き、やがて何事もなかったように静まり返る会場。な、なんてシュールなスイッチなんだ……! 次に粘土のスイッチを押すと、「素晴らしい!」とこれまたわらわらと人が集まり一瞬のうちに去って行き、なにも乗っていない台の前でカメラのシャッターを切れば、再びかけ声と共に人が集まり去って行く……。当日は会場の至る所にこのスイッチが設置されているので、ぜひ探して“オール人力インタラクティブメディアアート”作動させてみましょう!

<六本木アートナイト 2015>直前潜入レポート! 日比野克彦氏へのインタビューも art150424_roppongi-art-night_8
「スイッチ総研」スイッチの一例

次に登場したのは、某教育番組の「うたのおにいさんとおねえさん」を思わせるド派手な衣装の3人組……いや4人? 1名人形に見えますがしっかりと4人組のグループのようです。「歌や踊りは素人レべル」と自称する彼らが披露したのはトルコ行進曲に合わせたシュールな替え歌。何がシュールかって、その歌詞世界! 子供向けの皮を被った大人のブラックなジョークがちりばめられたパフォーマンスにあなたもクスッときてしまうはず。そんなズンマチャンゴですが、当日は3カ所で計7回のパフォーマンスを行うので、ぜひチェックしてみてください。

あのライゾマティクスが手掛けるメインプログラム!

メディアアートに焦点を当てた今回、新設されたメディアアートディレクターにライゾマティクス代表取締役の齋藤精一氏が就任しました。彼が主導で手掛けるメインプログラムが「アートトラックプロジェクト ハル号 アケボノ号」。トラックの壁面に並べられた無数の提灯をディスプレイに見立てた「ハル号」は、なんと“人格を持った働く車”とのこと! 常に六本木に関するデータを収集、ビジュアライズ、また内容に対する感情を表すようです。対する「アケボノ号」は、3つの巨大ミラーボールを搭載しており音や光に合わせてゴージャスな演出をこなします。プレビューではHIFANAの楽曲に合わせてハル号の提灯ディスプレイには“六本木アートナイト”の文字がデカデカと流れ、同時にアケボノ号のミラーボールはぐるぐる回りながらまばゆい光りを放ち、まさにメインプログラムにふさわしい壮大さでした。

<六本木アートナイト 2015>直前潜入レポート! 日比野克彦氏へのインタビューも art150424_roppongi-art-night_1
「アケボノ号」

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<六本木アートナイト 2015>直前潜入レポート! 日比野克彦氏へのインタビューも art150424_roppongi-art-night_2
「ハル号」

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