SNSやメディアはもちろんのこと、プライベートな飲みの席でも話題になるほどRPR SOUNDSYSTEMDreamrec来日イベントのニュースは世間を駆け巡っている。いつの間にか世界のトップDJたちと肩を並べ、世界中を足早に渡り歩くジェットセッターとなった彼らの名前を知る人は多い。しかし、東欧の貧しい“治安の悪い国”といったステレオタイプなイメージしかないルーマニアの本当の姿や彼らの背景を知る人は少ない。そんな今回は、表に出ている情報だけではない、もっと掘り下げたルーマニアのシーンを紐解いていきたい。

Rhadoo、Petre Inspirescu、Rareshから成るRPR SOUNDSYSTEM、もしくは、〈[a:rpia:r]〉は、ここ数年最もよく耳にしたアーティスト名であり、レーベルと言える。その勢いはまだまだ続いており、彼らはますます自分たちが出演するパーティーを厳選しなくてはならない状況にあるだろう。インタビューは受けない。リリース数は少ない上にリプレスもほとんどしない。出演するパーティーは自ら選ぶ。さらに、世界中がラブコールを送る中、“RPR SOUNDSYSTEM”名義での出演は年間5本までと決めている。同じように世界基準で勝負したいと思う若きローカルDJたちが後を絶たないのが、今のルーマニアのシーンである。

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4月1日(土)に恵比寿のリキッドルームで開催されるパーティーは、その“世界の5本”に入っている。オーガナイザーであるRAHA氏からDreamrecと一緒に来日するという話を聞いた時、毎週末フェスのような豪華ラインナップが当たり前のベルリンにいながら、ゾクゾクしたのを覚えている。そこには、昨年のパリの<Weather Festival>において、Ricardo&Zipと同ステージでトリを務めたRPR SOUNDSYSTEMの凄まじい人気っぷりと彼らのホームである<sunwaves>に実際に参加し、ボスのRhadooこそいなかったもののPetre、Rareshを筆頭にローカルDJの実力とパワーを目の当たりにしていたからという理由がある。

さらに、ルーマニアというオンボロの建物に囲まれながら、西欧の文化が少しずつ入りだし、ゆっくりと、でもどこか強かに変化して行く国の未来にワクワクしたのだ。独自のアンダーグラウンドカルチャーというのは洗練されきった大都市から生まれるものよりも、反骨精神を持つ貧しい国から生まれてくるものの方が圧倒的におもしろい。ブラックミュージックに例を見るように、人種差別や独裁政権といった厳しい状況下でこそ真のカルチャーが生まれ、アイデンティティーを強く感じるのだ。

ルーマニア屈指のリゾート地コンスタンツァに位置するママイアビーチで開催された<sunwaves>の様子はこちらのレポートを参考にして欲しい。
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こちらは、ルーマニアの首都ブカレストにあるカルト的人気を誇るレコードショップ『Misbits』の現地レポート
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