ロンドンにはこれまで行ったことがなくて、色々と用事が重なったこのタイミングで初めて訪れた。

「晴れない」とか「美味しくない」とかをよく聞くが、「晴れる」し「美味しい」。百聞は一見に如かず。

滞在先は、Airbnbを使ってジャマイカをはじめ、カリブからの移民が多いブリクストン地区/サウスロンドンに決めた。

10時間を超えるフライトでヒースロー空港に到着。初めてということもあって地下鉄に乗って現地の人たちに混ざりながらブリクストンを目指すことにした。

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ロンドンの第一印象は「みんなクール」。この印象は最後まで変わることはなかった。

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ブリクストンをベースに、シティを見てまわったり、サッカーのプレミアリーグを観戦したりして過ごしていた。

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ブリクストンの街並みは、自分が行ったことのある場所に例えるとニューヨークのブルックリンに似ている。歴史的にはブリクストンの方が移民区として先だろうけど、自分が受けた印象は「ブルックリン」。色々なカルチャーが交差する場所で、日本人の自分がいても何も不自然なことがないのですぐに馴染むことができた。

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滞在していたのは空き家でもなんでもなく、普通の家庭。

到着して家主のパトリックとその家族が迎えてくれたときに「ここって住んでるお家なの?」と聞いたら「そうだよん」と笑顔で答えてくれた。

それからお宅の一室をお借りして過ごすことに。小学生と幼稚園くらいの姉弟がいて、そのキッズたちの「顔を洗うー!」という声で毎朝起床していた。

パトリックにはチェックイン時に「明後日の夜にバースデーパーティをするからうるさくなるけど大丈夫かな? ごめんね」と言われていて、「大丈夫だよ」と伝えていた。

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そのパーティの日がやってきた。家に帰るとキッズたちがフライトアテンダントとパイロットの格好をしていて、「ジャマイカへの旅だよ!」とキャッキャしている。

ん? ジャマイカへの旅?

このファミリーは、自分には英語で話しかけてくれていたが、家族間ではパトワ(ジャマイカ訛りの英語)で会話していた。うすうすは感じていたがジャマイカ人家庭だったのだ。

「楽しんでね~」なんて声をかけて部屋で休んでいると1階ではパーティが始まった。が、明らかに様子がおかしくなってきた。

東京の8月では有り得ないような涼しい夜風にウトウトしていると、ズンズンズンと低いベース音が聞こえてくる。時間が深くなるにつれて音量も上がっていき、パッと目が覚めた。

これは間違いなくクラブのようなパーティをやっている。それもダンスホールレゲエ。

「あなたも参加してくれていいわよ」と言われていたのだが、さすがに初対面の人のバースデーパーティに出席するのはちょっとと思っていた。でも想像していたパーティとは明らかに違う。階段を降りて様子を伺いに行った。

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完全なるレゲエのダンスホール。

家の廊下にDJブースを組んでセレクターとMCがいる。壁際には天井まで届きそうなスピーカー。これが2階、いや住宅街中に響き渡っている爆音の正体。

ジャマイカ人らしき人も15人はいて、ダンス、ダンス、ダンス。近所から集まってきたのだろう。

パーティは深夜まで続き、自分も最後まで楽しませてもらった。

翌朝にパトリックに会うと「いやー、昨夜は楽しかったね。君も僕らのカルチャーをわかってくれる人で良かった。また次も来てね。」と言って笑った。

こちらも予定していなかったレゲエダンスホールに参加できて楽しかったし、ロンドンでのジャマイカンコミュニティを体験することが出来て良かった。

パトリックに、「どうして空き家でもなく、こうして生活している家をAirbnbで貸し出しているの?」と聞くと、こう返ってきた。

「自分たちが生活している家にゲストを迎えることで家を常に掃除して綺麗に保たないといけないし、綺麗に保ちたいという気持ちを持つことができる。君のように海外からも来てくれるゲストのカルチャーを知ることもできるしね。そしてこれら全てが子ども達に良い影響を与える。」

初めてのロンドン、感覚で選んだエリアの中でたまたま泊まったのがこのような素晴らしいジャマイカ人家庭。こういう偶然が人生を動かして、この出会いは必然だったと確信させる。

これだから旅はやめられない。