2007年、ケイパートンはガールフレンドのエミリーと同棲をする為に地元ノースカロライナ州で家の購入を考えていた。2人で貯金をしながら探した始めた理想の家。しかし、2人はなかなか理想の家を見つける事ができずにいた。そんな矢先、ケイパートンにとって嬉しいニュースが飛び込んできた。それは、ミュージシャンで映画監督のロブ・ゾンビがメガフォンを取ったリメイク版『ハロウィン』の公開が決まったのだ。なかなか理想の家が見つからない事にストレスを溜めたていた2人は、そのワールドプレミアに参加する為にカリフォルニア州に小旅行を兼ねて出向いた。そして2人は、カリフォルニア州に今も存在するオリジナル版『ハロウィン』のロケ地となった“マイヤーズ・ハウス”を一目見ようとその場を訪れたのだ。そして、本物の“マイヤーズ・ハウス”を前にケイパートンは思った。「この家こそが理想の家だ」。

ホラー映画に生きる!究極のハロウィン野郎の物語 column151028_usa_5

映画の中のマイヤーズ・ハウス

ノースカロライナ州に戻ったケイパートンは、さっそくオリジナルの“マイヤーズ・ハウス”の設計図を手に入れようと、あらゆる機関に問い合わせた。しかし、1888年に建てられたというこの家の設計図を見つける事はできなかった。しかし、訪れた際に撮影した写真と、映画を何度も見比べながら、2人は少しずつ設計図の作成を試みた。しかし、完璧なコピーを試みたケイパートンであったが、今から120年以上も前に設計された家は現代の生活のスタイルには合わず、少しずつアレンジを加えていく事を余儀なくされた。しかし、寝室や階段、キッチン、リビングルーム、そして外観に関しては映画になるべく似せる事に成功した。そして映画の中でマイケル・マイヤーズが姉のジュディスを殺害した部屋を2人の寝室に決めた。

ホラー映画に生きる!究極のハロウィン野郎の物語 column151028_usa_6

photo by Kenny Caperton

構想からおよそ1年半後の2009年、2人の”マイヤーズ・ハウス”は完成した。そして、ケイパートンは念願のマイホームにエミリーと共に引っ越すと、新たな趣味を見つけたという。それは映画の中でマイケル・マイヤーズが装着していたマスクを被り、家中を歩き回る事だと言う。さらに、身も心も『ハロウィン』の世界観に入り込んだケイパートンは、おなじホラー映画ファン達との交流を求めて、毎年この季節は大々的に家を公開し、イベントを行っているのだ。現在、エミリーとの結婚を果たし、“理想の家”で暮らし始めたケイパートン。将来のの夢は「この家で死んだ後、新たに引っ越してきた家族を幽霊になって脅かすこと」だそうだ。

ホラー映画に生きる!究極のハロウィン野郎の物語 column151028_usa_7

photo by Kenny Caperton

大好きなホラー映画のために人生をかけたケイパートン。事前に連絡さえすれば誰でも見学ができるというこの第二の“マイヤーズ・ハウス”。あなたも一度、訪れてみてはいかがだろうか?

ホラー映画に生きる!究極のハロウィン野郎の物語 column151028_usa_8

photo by Kenny Caperton