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福岡を拠点に盛り上がりを見せるアート/音楽などを含むストリート・カルチャー。アート・シーンでは、iriの作品のジャケットイラストなどでもお馴染みのグラフィティアーティストKYNE(キネ)や、イラストレーターのNONCHELEEE(ノンチェリー)が人気を獲得。音楽では5人組ロック・バンドAttractionsがSpotifyでも話題を集めるなど支持を獲得。今回は古着屋「BIONGO BONGO」のオーナーであり、Attractionsのレーベル〈GIMMICK_MAGIC〉代表を務める宮野秀二郎氏にインタビューを行い、「ハーレーダビッドソン博多」でのライブをレポート。

日本の政令都市の中でもここ数年最も高い人口増加率を誇り、屋台文化を背景に持つ豊富な食文化のみならず、様々なカルチャーの集積地となりつつある福岡。今この福岡を拠点にして、アート/音楽などを含むストリート・カルチャーが盛り上がっているのをご存知だろうか? 

中でも既に大きな注目を集めているアート・シーンでは、iriの作品のジャケットイラストなどでもお馴染みのグラフィティアーティストKYNE(キネ)や、イラストレーターのNONCHELEEE(ノンチェリー)が人気を獲得。彼らは共有アトリエ兼ショップ『ON AIR』を運営しながら、全国的に大きな注目を集めている。そして音楽では5人組ロック・バンドAttractionsが、福岡を拠点にしながらSpotifyのようなストリーミング・サービスなどでも話題を集める形で支持を拡大。今福岡で最もアツいバンドだと言われている。

– Knock Away (official video)

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そんな福岡において、東京における原宿のように個性的なローカルが集積する最新トレンドの発信地になっているのが、天神の西隣に位置する「大名エリア」。ここには個性的なショップが多数集まり、日々様々なアートやファッション、カルチャーが生まれている。その大名地区で長年にわたって地元を盛り上げてきたのが、01年に開店した古着屋「BIONGO BONGO」のオーナーであり、Attractionsのレーベル代表を務める宮野秀二郎氏だ。

宮野氏はアメリカから買い付けた古着やビンテージが揃う「BIONGO BONGO」の経営と並行して、「BINGO BONGO SOUNDS」や14年にはじまった天神&大名エリアのライブ・サーキット「MUSIC GO AROUND」などの音楽イベント/ワークショップで地元の音楽カルチャーに深く貢献。17年には、新たに音楽レーベル〈GIMMICK_MAGIC〉を立ち上げ、AttractionsのデビューEP『』をリリースして話題を呼んでいる。なぜ今、福岡のストリートが熱いのか? また、福岡~大名地区の魅力とは? 現地で宮野氏に聞いた。

【インタビュー】Attractionsとレーベルオーナー宮野秀二郎に訊く「なぜ今、福岡のストリート・カルチャーが熱いのか」 attractions_harley_qetic26-700x467
「BIONGO BONGO」オーナー 宮野秀二郎/photo by スタジオサラ 松嶋 仁

「僕は14歳頃から大名で遊んでいて、洋服屋のかっこいい大人たちからファッションだけでなく、音楽、アート、映画――色々なものを教えてもらいました。大名は福岡市の中でも一番地元色が強い地域で、(「大名」という名前の通り)一国一城の主たちの集まる場所です。最近では村上淳さんにも注目されているKYNEくんやNONCHELEEEのような人たち、音楽ではAttractionsを筆頭に、これからのカルチャーを担っていく若い子たちにも出会える場所ですね。彼らは既に全国的にも人気を博しています。

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ただ、僕は20年ぐらい音楽イベントをやってきて、色々なミュージシャンを福岡に呼んできましたが、そこで地元のアーティストはどうしても前座扱いになってしまうことにずっとはがゆい気持ちがあったんですよ。福岡はいいバンドはたくさんいますが、それをサポートできる人間が少ない。それに、よくも悪くもコンパクトな地域なので、それぞれにこだわりが強すぎてひとつに集まるのが難しい面もあります。でも、そうした人々がひとつになることができたら、僕は東京にも負けないポテンシャルを持っている街だと思っていて。5~6年前には大名のオーナーたちが一堂に集まるような会もはじまりました。

また、福岡は今行政も柔軟なので、自治体の方々とも協力して盛り上げようと思っています。地方に足りないのは何よりも“発信力”なので、メディアの方にももっと働きかけて情報を発信していきたいですね。そうして、福岡のカルチャーが観光資源になれば嬉しいです。たとえば、『Attractionsのライブを観に福岡に来る』という人の流れがあってもいいと思うので。また、アジアをはじめとする色々な場所と連携するのも大事です。福岡だと、飛行機に乗れば釜山まで約30分。そこは地の利を生かして、九州とアジアを繋ぐ文化圏で新しいことができないかとずっと考えているんですよ。Attractionsは英語詞なので、海外の方にも福岡に観に来てほしい。そのときに、大名は一番福岡の魅力が感じられるエリアなので、「いいもの」が集まるチームを作りたいですね。色々な点が輪になって、世界観を作っていけるような仕掛けをしたいです」

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「BIONGO BONGO」オーナー 宮野秀二郎/photo by スタジオサラ 松嶋 仁

では、Attractionsのメンバーは福岡の音楽シーンについてどう感じているのだろう? 地元福岡で結成されたAttractionsは、17年の正月に宮野氏と出会い、現在は彼が立ち上げたレーベル〈GIMMICK_MAGIC〉に所属。17年のEP『Attractions』では一部プロデュースを福岡が生んだ人気バンドThe Cigavettesの元メンバーで、現在はくるりやBOOM BOOM SATELLITES、銀杏BOYZのサポート・ギタリストとして活躍する山本幹宗が担当している。既にyahyelやG. RINAといったアーティストと共演している他、11月にはレーベルのショウケースで下北沢のライブハウスを一杯に。ザ・ストロークス登場以降のスタイリッシュな感覚を持ったインディ・ロックにファンク~ディスコ・フィーリングを加えたサウンドと、インドネシアと日本の両親を持つヴォーカルのUROによる英語詞の歌を生かしたボーカルワークのコンビネーションは彼らならではの強力な個性になっている。

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photo by スタジオサラ 松嶋 仁

TAKE(Gt)「僕らはもともとみんな福岡の音楽シーンでバンドをやっていた人間の集まりです。このバンドをはじめた頃は、特に何か方向性を話し合ったわけではなくて、このメンバーで集まって全員で音を出したら、自然に今のような音になっていった感じですね。福岡には特定の音楽シーンというものがなくて、ライブの現場でも色々な音楽が混ざっています。だからこそ、ジャンルを越えた横のつながりがあるし、トレンドのようなものが存在しないので、周りに流されず自分たちの好きなことを追究できる雰囲気があると思います」

massiveeffect(Key)「実際、他のバンドでもすごくヘヴィな人たちがいたりして、色々なバンドがそれぞれに好きなことをやっているという雰囲気で」

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URO(Vo)「最近はベース・ミュージックもかなり盛り上がっていますね。僕ら自身、これまで福岡で色々な先輩の姿を見て、そこで経験したことに影響を受けてきたと思います。でも、それが何かというと……結局飲み文化だったりするのが福岡です(笑)」

TAKE(Gt)「もちろん、僕らは福岡で活動しているわけですが、今の時代はもう土地に関係なく色んな人と繋がれる時代だと思うんですよ。実際、僕らの場合でも、Spotifyのようなストリーミング・サービスで曲を聴いてくれている人たちは、既にアメリカやアジアなど色々な国の人たちがいるというのが現状で。やっぱり、インターネットの存在は大きいですね。今は地域性どうこうということに関係なく、色々な活動ができる時代だと思うので、僕らも自分たちのやりたいことを追究していきたいです。その結果福岡のシーンが盛り上がったらそれは嬉しいし、最終的には世界を目指せるようなバンドになっていきたいですね」

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photo by スタジオサラ 松嶋 仁
【インタビュー】Attractionsとレーベルオーナー宮野秀二郎に訊く「なぜ今、福岡のストリート・カルチャーが熱いのか」 attractions_harley_qetic27-700x467
左から:JUN(Ba)、TAKE(Gt)、URO(Vo)、AKIRA(Dr)、Massiveeffect(Syn)/photo by スタジオサラ 松嶋 仁

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杉山仁

杉山仁

ライター

乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、Hard To Explain~CROSSBEAT編集部を経て、現在はフリーランスのライターとして活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』をはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

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