——ティ・チャラがこれまでのヒーロー以上に特別なのは、その“守る”という部分なのかなと思いました。マーベルのヒーローは何かしらを守っているのですが、ティ・チャラはヒーローであるとともに一国の王なので、守ることへの責務や重圧がよりのしかかっている。

ほかのヒーローとは重みが違いますよね。私の場合、あまり両親が特別とかいい意味で思ったことがなくて。小学校とかは両親が特別に育てるのがあまり好きじゃないっていうのもあって近所の公立に入ったんですが、やっぱりそれでも入学式で“明石家さんまと大竹しのぶの子どもが来るらしい”っていうのが学校中に知れ渡ってて、名前を呼ばれるといろんな人に振り返られるみたいなのはありました。

ただカナダに行くと誰も両親のことを知らないし、友だちになって両親のことを聞かれて「コメディアンとアクトレスだよ」って答えると「めっちゃカッコいいじゃん!」ってそれで終わる。思春期に日本とカナダの両方の生活を経験できたのは自分にとってよかったし、でもやっぱそれをやらせてもらったのも、芸能界での仕事をできるようになったのも両親のおかげだなっていうのもあるので。結果的に自分の中ではプラスの面の方が多いと思います。

——IMALUさんがご両親の血を受け継いでるなと感じる時はありますか?

すごい小さなことなんですけど……私は父親と2歳までしか一緒に住んでないんですが、大人になってからある時にテレビで父親が好きな食べ物を何個か並べてて、それがまったく自分と一緒だったんです。きなこ、カレー、コーヒー、メロンクリームソーダ……味覚が一緒なんだって、その時はDNAの存在を信じましたね。

あとは根本的な考えというか、私は人を笑わせることはできないですが、自分が笑うことを大事にしています。それは直接的に父親から言われたわけではないですが、笑ってポジティブに生きていくことの大切さは、何となく背中で教えてもらったのかもしれませんね。

【インタビュー】IMALUも大興奮&親子の絆を語る。マーベル・スタジオ最新作『ブラックパンサー』がヒーロー映画の歴史を変える blackpanther-feature1-1200x800

——素晴らしい。あと家族というテーマに近いところでは、クーグラー監督は「強い女性キャラクターたちの視点から物語が語られることは素晴らしいと感じた」とも言っていて。

めちゃくちゃカッコよかったですね。知性もあり、戦い方もわかっていて。

——登場する女性キャラクターの中で、性格的に誰がIMALUさん自身に近いですか?

えー……憧れはオコエ。ちゃんと自分の国のルーツに従って、ひどいやつが現れても自分の役目を最後まで貫き通す姿がカッコよかった。真っ赤なドレスにアフリカのカルチャーをリスペクトした感じのアクセサリーを付けていたりとか、衣装も素敵でしたね。早くマーベル好きの友だちと「ワカンダフォーエバー!」ってやりたいです!

——ハハハ、あれカッコよかったですね。『ブラックパンサー』はマーベルをそれほど観たことがない人でも楽しめる作品だと思うんですが、IMALUさんならマーベル・ビギナーにこの映画をどのように勧めますか?

アクションシーンの興奮だけじゃなく、物語に深みやメッセージ性がある作品だと思います。『ブラックパンサー』としては1作目ですし、まだマーベル作品を観たことのない人でも入りやすい作品なのかなと。私のマネージャーさんも初めて観たんですけど続きが気になってますし、『シビル・ウォー』を観てなかったとしても全然楽しめると思います。

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©Marvel Studios 2018

——マーベルへの印象をがらっと変えてくれる作品かもしれないですね。あと最後に、IMALUさんがマーベル作品に出るとしたらどんなキャラクターがいいですか?

うわあ……この間の『マイティ・ソー バトルロイヤル』のヴァルキリーはカッコよかった。ちょっと話は変わりますが、私……ハルクが大好きなんですよ。マーク・ラファロが大好きで。

——じゃあエドワード・ノートンから変わった時は大喜び?

はい。マーク・ラファロが理想の男性で、ああいう人と結婚したい。だからこの間の『マイティ・ソー』でハルクの入浴シーンがあってうれしかった……「お風呂入ってるカワイイ〜」って。だから近くにいられる彼女がうらやましかったですね。

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——じゃあこれまではブラック・ウィドウもうらやましかったですか?

うらやましい〜。こうやって(ハルクの手に触れてなだめるシーン)やりたいです。ハルクって戦う時はボッコボコにするけど、人間に戻るとすごく知的だからそのギャップが色っぽい。

——ハルク好きは正直意外でした。見どころしかなった『ブラックパンサー』ですが、これを観て『インフィニティ・ウォー』への期待はかなり高まったんじゃないですか?

ほん……っとに楽しみになりました。別に私はアクション映画が特別好きというわけではないんですが、マーベル作品のスピード感とか戦いのシーンは観ててワクワクする。あと女性向けで言えば、ヒーローたちの筋肉がみなさん素晴らしい。キャプテン・アメリカが『シビル・ウォー』でヘリを止めた時とか……! 今回だとキルモンガーもめちゃくちゃ筋肉がすごかったですし。今回の『ブラックパンサー』は女性が戦うシーンもたくさん出てくるので気合いが入りましたし、女性が自分のやりたいことを突き通して戦う姿には、多くの方が背中を押されると思います。

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」予告編

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ブラックパンサー

大ヒット上映中!

監督:ライアン・クーグラー( 『クリード チャンプを継ぐ男』 )
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:チャドウィック・ボーズマン、ルピタ・ニョンゴ、マイケ・B・ジョーダン、マーティン・フリーマン、アンディ・サーキス、フォレスト・ウィテカー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©Marvel Studios 2018

国王とヒーロー……2つの顔をもつ男。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』へつながる重要作がついにベールを脱ぐ!マーベル史上最も謎を秘めた新キャラクター<ブラックパンサー>が登場!超文明国の若き国王。そしてもうひとつの顔は、鋭い爪と漆黒の戦闘スーツに身をつつんだヒーロー。彼は、この国がもつ世界を揺るがす秘密を守る使命を背負っていた。この国の秘密が明らかになるとき、《アベンジャーズ》に最大の危機がおとずれる。

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interview&text by ラスカルNaNo.works
photo by 横山マサト