「予定がいかに崩れていくかを楽しむかが＜フジロック＞」
トモエ お金は総額いくらくらいかかりますか？
津田 学生時代は現地で1万円しか使わないこともありましたよ。あんまり飲まず食わずで、音楽だけ楽しむみたいな。でもご飯も美味しいので、余裕ができてくると食べちゃいますね。あと＜フジロック＞貯金しましたよ、年明けくらいから500円玉で。この500円が苗場のビールに変わると思えば（笑）。今からでも少しでも貯金してみるのもいいかもしれません。
マリコ 苗場のビールはやっぱり違いますか？
津田 全然違う！ 「1年間よく頑張った俺！」と思って飲みます（笑）。
マリコ 飲んでみたいですね。美味しかったご飯はありますか？
津田 ＜フジロック＞は、ご飯がすごくおいしいんですよ。フェス飯は美味しいって聞いた事あるかもしれないですけど、＜フジロック＞は本当に美味しい。地元の方が出してる「苗場食堂」のとろろ飯がおいしいですよ。あと「ジャスミンタイ」っていう、六本木にもあるタイカレー屋。そこのレッドカレー・グリーンカレーを食べると「今年も来たな」と思いますね。六本木で食べるのも美味しいんですけど、苗場で食べるのもまた美味しい。他にも、タナカクマキチというお店の舞茸天丼も個人的には外せないので、行ったらぜひ食べてみてください。
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トモエ いいですね。キャンプとなるとハードルが高くて……。3日間過ごすために何を持っていけばいいですか？
津田 車出してくれて、テント立ててくれて荷物を持ってくれる男友達（笑）。自分たちでキャンプをやるならテントとバックパック。キャリーケースはダメなので。
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マリコ これは持っておいたほうがいいと思うものはありますか？
津田 いっぱいありますよ。何をするかによりますけどね。キャンプをするならお湯を沸かせるものがあれば朝コーヒー飲めますし、カップラーメンも食べられる。絶対持っていかなきゃいけないものは服とかカバンとか靴とか雨具とか。日差しも強いので帽子を被った方がいいかもしれません。基本の持ち物プラスアルファで一個もっていくと人気者になれるんですよ。寒くなった時のためにカイロ持っているとか、手が汚れたときにウェットティッシュがあるとか。準備がいい人はフジロックでは多分モテると思います（笑）。
トモエ （笑）。1日何アーティスト観られますか？
津田 その人のタイプによりますね。ライブをまるまる観たい人と、チラ見でもいいからたくさん見たいタイプの人と。僕はとにかくたくさんのライブを観たいタイプなので、漏れ聞こえてきてなんとなく良かったらそっちに行って、少し観てまた違うところ行ってという。しっかり1時間観ると、朝から晩まで動いても7〜8アーティスト観たら1日終わっちゃうんですけど、20分ずつだと1日で20アーティストくらい観ることもできます。
マリコ 観るつもりなかったけど、いいアーティストに出会えたということも多そうですね。
津田 そういうのが結構あるんですよ、僕はビョークがそうでした。それまでもライブは観たことがあったんですが、＜フジロック＞でのビョークが強烈で一気に惹きつけられて。逆に期待して前方で待機して観たのに「あの曲やらないのかよ！」みたいなこともたまにありますが、それはそれであとで思い出話になるという。フェスで誰を観つとか予定を立てるタイプですか？
トモエ はい、事前に観たいアーティスト決めますね。
津田 その予定がいかに崩れていくかを楽しむかが＜フジロック＞なんですよ。というのも、移動の時間もそれなりにかかるので。
トモエ どれくらい歩くんですか？
津田 グリーンステージとホワイトステージという2つが大きいステージで、その間が20分ぐらい歩きます。混んでたりもするので、余裕をもって向かわなきゃいけない。でもステージ間にもいろんな”遊び”があって、そういう方が気になったりして、座り込んじゃったり。あと人と会っちゃったりして、全然時間通りにいかない。でもそれを楽しむんです。予定調和ではなくて、”予定不調和”を楽しむ。
マリコ 予定通りにいかないのが楽しいんですか？
津田 便利な時代になったので、だいたい予定通りに行くじゃないですか、スマホもあって、SNSで情報が流れてきて。けどそれが全然うまくいかないのが＜フジロック＞。僕も初めて行った時は全部決めて行ったんですよ。それが全部崩れていくんだけど、新しいアーティストに出会ったり、小さいステージが楽しかったり、予定調和じゃ無いものがかなり多い。期待を裏切られるのが楽しいです。
トモエ なるほど。旅行でも予定きっちり立てて行きたい人は不向きですかね……。
津田 そういう人の方が逆にいいかもしれません。僕もそのタイプですよ。15年前はそれほどアウトドアとかに興味があったわけでもないし。でも普段の日常と違うことができるのが楽しくて、ハマっちゃったんです。不便をあえて楽しむみたいな。
