MONO NO AWARE

INTERVIEW

25
photo by Mayuko Yamaguchi
plan01_AHH2017_0523

“井戸育ち"等が収録されたデビュー作『人生、山おり谷おり』をP-VINEからリリースしたギターポップ・バンド、MONO NO AWARE(モノノアワレ)が選ぶ楽曲プレイリストがmysoundにて公開。The Kinks、Tempalay、Jose James、細野晴臣、John Mayerなどを選曲。

音数を選び抜いたギターポップ・バンド、という一言ではちょっと言葉足らずな、ユニークな楽曲で楽しませ、時に脱力させてくれるバンド、MONO NO AWARE(モノノアワレ)。3月2日にリリースしたデビュー作『人生、山おり谷おり』が、すでにインディー・シーンの外にはみ出す勢いで評価を得ています。その名が示すように日本的なもののあわれ=しみじみとした情趣や無常観を10年代後半の感性でアップデートした音と言葉。そんなセンスを持つ彼らが「最近聴いている曲」をテーマにプレイリストを作成。このバンドの面白さの一端が解けるかも?しれません。

Interview:MONO NO AWARE

【インタビュー】MONO NO AWAREが最近聞いている楽曲プレイリスト In170407_mononoaware2-700x467

柳澤豊 “みんなひねくれてるところは共通点としてあります”

——今回の『人生、山おり谷おり』にははっぴいえんどもシューゲイズもポストパンクもAORもありながら、その交差の仕方が独特だなと思いました。

玉置周啓(以下、玉置) 特にそういうことを意識してはいないです。一枚の平面から様々な立体に変形する折り紙に僕たちを例えて、いろんな形のものを生み出しましたっていうコンセプトとして、仕立て上げたのが今回のアルバムです。

——曲作りはどのように?

玉置 基本的に今回の10曲は僕がデモテープで全パートを作って、それをみんなでアレンジして完成っていう作り方をしています。

——“夢の中で”は1曲の中でポストロックやファンクなど展開が多いですが、これも玉置さんのデモ通りですか?

玉置 これは唯一、バンドで手を入れた曲で。

柳澤豊(以下、柳澤) 結構「こうじゃない、ああじゃない」ってスタジオで何回も試して、やっとのことでみんなで完成させたような曲ですね。

——特にリズムは要になっていますね。

柳澤 僕はブラックミュージックが好きで、ファンクとかブラックミュージックのハネの感じとか、スネアのバックビートの重たい感じとかを出してるつもりではあるんですけど、でもだからと言っていかにも”ファンクの影響受けてるバンド”みたいな感じの曲にはしたくなくて。

——いい意味でひねくれている(笑)。そこがポスト「ポストロック」のように感じます。

玉置 それはめちゃめちゃな褒め言葉です。ありがとうございます(笑)。

柳澤 みんなひねくれてるところは共通点としてありますね(笑)。

玉置 好きだけど寄せすぎたくないとか、そういう感覚を全員が持ってると思うので、そのおかげで曲が、「何々っぽいな」という風にならないし、しかも無意識的にそういうバランス感覚が働いているんだと思います。

——ベタにカッコよくなりそうになると戻す力学みたいなものがあるんでしょうね。

玉置 あまりキメッキメのこともやりたくもないし、かつふざけたことをやりたいわけでもないっていう、そこの真ん中のエンタテイメントみたいなものを探ってる最中です。まだ全然、到達してないと思っているので、そこのバランス感覚を4人で共有して活動を続けていきたいですね。

玉置周啓 “熱すぎたりする詩文を歌にできて、人に届けられるのがいいし、すごいなと思っています”

——なるほど。今回はみなさんが最近聴いてる曲を選んでいただいたんですけど、玉置さんからいきましょうか。まず岡林信康は意外でした。

玉置 最近、『放送禁止歌』っていう書籍を読んで、放送禁止になった曲がどういう風に歌われてたのかとかが書かれていて、ほぼ戦争や部落差別がテーマだったんです。で、この岡林信康も部落差別の歌を歌っていたんですが、アーカイブにもちろんないので、他の好きな曲でこれを選びました。

岡林信康 – “私たちの望むものは”

——タイトル通りひたすら私たちの望むものは、という歌詞が続きますね。

玉置 社会的メッセージが強いなって歌詞読んで思ったんですけど、それをこれだけストレートに歌ってもフォークソングは許されるんだなと。バンドがやるとクサイ域に入っちゃうし、あまり人は聴いてくれないと思う。けど、フォークシンガーは自分の声質とかギターの音とかっていう、シンプルな構成でクサかったり、熱すぎたりする詩文を歌にできて、人に届けられるのがいいし、すごいなと思っています。

——そしてINO hidehumiは?

玉置 日本のピアニストというか、フェンダーのローズ・ピアノを使う人なんです。この「スパルタカス」って曲は歴代のジャズの人たち、ビル・エヴァンスとかハービー・ハンコックがカバーしてる。で、全部聴いたんですけどINO hidehumiのこのカバーが僕が好きなビートだったから選びました。

INO hidefumi – “Spartacus”

——そしてキンクス。キンクスの中でもこの曲を選んだのは?

玉置 ちょっとチューニングがズレてるっぽいギターの音とか、よくわかんないヘロヘロした感じがあって、最近キンクスが好きなんですよ。この曲は歌詞がよくて、ウォータールーの駅から出てきたカップルの様子をテムズ川のアパートの一室かなんかから眺めてるっていうだけの歌詞なんですけど、聴くと結構泣いちゃうんです。涙腺を刺激するのがどういうメカニズムなのだろう?どういう力学なのだろう? といつも思うんですけどね。

The Kinks – “Waterloo Sunset”

【インタビュー】MONO NO AWAREが最近聞いている楽曲プレイリスト In170407_mononoaware3-700x467

MONO NO AWAREが最近聞いている楽曲プレイリストをチェック!

続きをmysoundで読む!

EVENT INFORMATION

MONO NO AWARE リリースパーティー

2017.04.09(日)
OPEN 17:00/START 17:30
梅田NOON+CAFEADV
ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000(1ドリンク別)
Crispy Camera Club/TENDOUJI/バレーボウイズ/ベランダ

2017.04.28(金)
OPEN 18:30/START 19:00
渋谷TSUTAYA O-nest
ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000(1ドリンク別)
/トリプルファイヤー

詳細はこちら

RELEASE INFORMATION

人生、山おり谷おり

2017.03.02(木)
MONO NO AWARE
PCD-18026
P-VINE
¥1,944(tax incl)

MONO NO AWARE –“井戸育ち”

詳細はこちら

text&interview by Yuka Ishizumi
Photo by Mayuko Yamaguchi

石角友香

石角友香

ライター

大阪府出身。関西版ぴあ編集部で音楽コーナーを担当したのち独立。関西発信の今や幻(?)の音楽/カルチャー誌「MaMAマガジン」編集長を経験。現在は東京在住。音楽ポータルを中心に主に日本のバンド/アーティストのインタビュー、ライブレポート、特集記事の編集・ライティングを行う。音楽以外にも著名人の仕事上の失敗談や仕事観を探る週刊企画の編集や、企業誌なども担当。また、「FUJIROCK EXPRESS」の速報レポートや会場レポートを届けるチームに’13年から参加。10数年 観客として参加していたFUJIROCKを違う角度で体験中。

Qeticの最新情報をチェック!

友だち追加数