――いま音に対するアーティストの想いと、聴いて頂いているリスナーの皆さんのリスニング環境にギャップが出てきていると思うのですが、この辺を埋めていくにはどうすれば良いでしょうか?

C 極論から言うと発信するアーティストから意識を変えていかないと。ちょっと話が離れて行っちゃうんですけど、究極の処、レコード会社とかアーティストとか、音楽に携わるみんなが考え方をもう一度変えないと届かないと思う。昔、俺とかもこういった小っちゃいラジカセにレコード・プレイヤーを繋いで聴いていたんで、ある意味考えてみるとPCにスピーカーを繋いで聴いているのとあんまり変わらないかもしれない。でも、なんで昔と今でこんなに違うのかというと、やっぱりその出てくる音が違うと思うんですよね。そこでどんなにパソコンからでもちょっと音を良くする為に次のステップで、良いオーディオ・インターフェイスを入れたとしても、まあ言うほどは変わんないっていうか。さっきGonno君が言っていたようにお金を掛ければアナログって音が良くなっていくんですけど、例えばデジタルものだって音は良くなるんですよ。でもアナログとデジタルって同じ100万円掛けたとしても、その伸びシロが全然違う。そういう意味で発信者側が意識を変えて、もう一度、根本的な音楽のパワーってのを取り戻せば、聴く側も自然と色々と変わっていくんじゃないかと。ま、そう......願う(笑)。

G 実際に僕もそうやって変わりましたしね。

――確かにそうかもしれないですね。若い時はお金も無いし、そのうちこだわる子がちょっとづつ試行錯誤しながら、自分の好きな音へ辿り着いて貰えると良いですね。最近、普段は家でiPhoneとかiPodとかで聴いてる子がクラブとかライブハウスに来た時に、大きな音量で身体全体で聴くことを体験して、感動する事があるらしいですね。一つのきっかけとして、そういった現場のサウンド・システムで聴いてもらうって事だけでも最初の一歩としては良いかもしれませんね。

G 大きなサウンドシステムということで言えば、この12インチはクラブでの鳴りが全然違いますね。作り手側が驚くぐらい。ビックリするぐらい良い音が出ますね。先週、丁度かけたんですよ。

O この前Calmさんのイベントの時に初めてフロアで聴いたんですけど、やっぱアナログ良かったですね。

――ここまでお話を伺ってみると、好きな音にこだわっていくと、今の〈RETALK〉のスタイルに自然に辿り着いたんだと感じました。

O そうですね。あとはアナログでリリースしたいと思ってるアーティストもまだ結構多いと思うので、そういう人達の発表の場としても機能してくれればと思ってます。

【鼎談インタビュー】アナログレーベル〈RETALK〉第2段はO.N.OとGonnoがCalmをリミックス。Calm×Gonno×レーベルオーナーで本作〜音に対する熱い想い等を語る。 music130721_retalk_vinyl-1

――ちなみに〈RETALK〉のウェブサイトに『VINYL IS DEAD』というフレーズがあるのですが、これはどういうことなんでしょうか?

O あれは逆説ですね。あんまり説明しすぎると恥ずかしいんですが、○○だからもう一度話そう! みたいな感じです。

C その後に『BUT』がついてて、そこからは其々が考えれば良いんじゃないですか?

G あんまり使命感を求めるのも窮屈だと思いますしね。ただ素晴らしいモノには間違いないんで、聴いて楽しかったら...(笑)。

――最後に特典についてお伺いしたいんですけど、特典がゴミ袋っていうのはかなり面白いんですが?

O 「GARBAGE BAG ART WORK」というプロジェクトのゴミ袋なんですけど、『ゴミ置き場をアートにする』っていうキャッチコピーに一発でやられてしまって。でも聴いたらまだ何処の都道府県も正式に取り入れてなくて俺広めます!!みたいな感じでお願いしたら協力してくれました(笑)。これ以上簡単に、街を明るくする方法ありますか?くらいに思ってるんですが、あんまり周りで話してもピンときてくれないんですけど。。。〈RETALK〉に反応してくれる人だったら解ってくれるかもと思いました。

――僕はハマリました。特に青のお魚柄のヤツが気になります(笑)。

O 柄は三色あって其々違っていて、後は赤が『花』、緑が『草』だったかな。ゴミ置き場がアートになっちゃうんです。今回ゲットした人は写真とって拡散お願いします(笑)。

――僕も今回は初めて知りました。でも結構前からやってるみたいですね。

O そうなんですよ。プロジェクト自体は5年くらい前からやっていて。今回またこれに反応してくれた人が小さなところで、新たなコラボレーションとかしてくれたりとかして、いつか広まれば良いなあって思ってます。

――最後に今後のリリースや活動の予定をお聞かせ下さい。

C そうだなあ、いっぱいやってるからなあ。いま時代的に情報量が凄く多いんで、どれが本当の情報なのか判り辛い気がしています。個人的には、今年は種蒔きの時期だと思ってるんですよ。いま新しい「Cosmic Blessing Ensemble」っていうプロジェクトをやってるんですけど、それは名前しか出してなくて、その名前が何かってのも全く説明もしないで、敢えてそういう事をやってるんですけど。ま、そういう風な人が居てもいいのかなっていう。<フジロック>とかにも出るんですけど、<フジロック>の人にも音聴かせなかったですからね(笑)。それでも90分時間くれましたから、こっちはやりたいコンセプトしか言わなくても。情報は与え過ぎても仕方が無いんで、逆に自分で探したくなるように思って貰える『動き・流れ』を作りたいなと。いまそういう感じです(笑)。

――Gonnoさんの今後のご予定は?Calmさんの後は言い辛いかもしれませんが(笑)。

G 僕は言っちゃってもいいですか(笑)。丁度、ニューヨークの〈BEATS IN SPACE〉ってレーベルから、自分名義では2年ぶりぐらいになる12インチが7月16日(火)に出ました。あと今年の4月にJeff Millsの新作『Where Light Ends』に僕のリミックスが収録されてるんですが、海外盤が夏くらいに出る予定なのかな? あとツアーに関しては8月にヨーロッパを回ります。最初はフランスのバスク地方での1500人くらいの小さいフェスで、あとはベルリン、ロンドンですね。

O 〈RETALK〉は、第3、4弾のアーティストが決まりそうです。ビックリするようなアーティストが決まりそうなので、楽しみにしていてください! 半年くらいかかりますが (笑)。情報解禁は早めにするので、HPやSNSのチェックよろしくお願いします!

interview&text by蟻[ari](moph records)
photo by 鳥居 洋介
撮影協力 hiki cafe

★後日O.N.O.インタビューも掲載予定! お楽しみに!!


Release Information

2013.07.26 on sale!
Artist:O.N.O/Gonno
Title:Calm presents K.F. Remixes
RETALK
RTJP-002
¥1.800(tax incl.)