——今回日本でリリースされる『MAGNIFY』には、新曲が3曲収録されています。これはそれぞれどんな風に作っていったものだったのでしょう?

スティーヴ たとえば1曲目“If You Remember” は、今後リリースされるニュー・アルバムに向けて初めて書いた曲。この曲はデイヴが持っていたアイディアが大きくて、彼がクワイア的なフレーズを考えたんだ。そこにみんなで色々なアレンジを加えていったよ。

——“If You Remember”はとても壮大なメロディを持っていますね。

サム そうだね。あとは、3曲ともそうなんだけど、ときには僕が「こうじゃないんだよな……」とどうしても気に入ることができなくてアイディアが変わっていったこともあった。

ウェイン 僕らは全員が納得するまで完成はさせないんだよ。

——ときにはU2のようなスケール感を感じる瞬間があるのも、ラモナ・フラワーズの音楽の特徴と言えそうですね。

サム スケール感も大切に作っていったよ。実際、U2のようなスケール感を出したいということは考えていることでもある。決してU2みたいになりたいわけではないんだけどね。あと、今回は日本のアーティストに協力してもらった“If You Remember (DJ BAKU + Zukie Remix)”と“Take Me Apart (Kiyoshi Sugo Remix)”も入ってる。これまでのリミックスの中で一番気に入っているものになったよ。

デイヴ リミックスの場合、原形を全然とどめないようなものも多くあるけど、今回のリミックスは僕らの曲の魅力を引き出してくれるような雰囲気で最高だったな。すごくハッピーに思っているよ。

【インタビュー】ダイソン創業者の息子率いるザ・ラモナ・フラワーズ。日本との親和性、U2のようなスケール感の音楽を語る theramonaflowers_pickup2-700x467

——他に日本のアーティストで知っている人はいますか?

サム 正直、UKでは残念ながら日本のアーティストがライブをすることはほとんどないんだよね。でも、<フジロック>で色んなアーティストのライブを観に行きたいよ。実は昨日、カラオケ・バーにも行った(笑)。今回の作品に収録されている僕らの“Tokyo”も、みんなで「東京」のイメージを膨らませて作った曲なんだ。“Tokyo”という曲を作れば、バンドとして東京に向かうことができるかな、とも思ったしね。

The Ramona Flowers – Tokyo

デイヴ 次は“Hawaii”って曲を書こうぜ。

サム はははは! “Tokyo”では、『Memoirs of a Geisha(邦題は「SAYURI」。チャン・ツィイー主演)』という映画にインスパイアされたんだ。芸者の踊りの美しさや、照明の青と赤のダークなイメージに惹かれた。それで、MVもそのイメージを踏襲することにしたよ。

——サム以外は初めての来日だったそうですね。日本に来てみて、どんなことが印象的ですか?

ウェイン メンバーによっては想像通りだったやつもいるけれど、自分の場合は、思っていたものを全部ひっくり返されるような体験だった。ヨーロッパとは全然違うよね。歩いていてもすべてがアドヴェンチャーという感じだよ。

サム 昨日着いたばかりで、夕食で和食を食べたんだけど、それが今のところ一番の思い出かな。

スティーヴ 僕は生魚はダメだった……(笑)。

——日本までライブに来られるという体験は、活動が順調なことを伝えるエピソードだと思います。結成からこれまでの間で、特に印象に残っているのはどんなことですか。

サム ツアー中にカナダに入国するとき、カナダの入国審査は厳しいから、「酒を飲まないように」とか、色々と注意点があったんだ。でも、スティーヴはそう言われると真逆のことをやりたくなるような人間でね。審査官が銃を持ってチェックをしている中で、「あれ、一人足りないぞ?」と思ったら、ベロベロに酔っぱらったスティーヴがパジャマ姿で、靴も履かずにやってきて。「もう一回アメリカに帰って出直してこい!」って言われたよ(笑)。

【インタビュー】ダイソン創業者の息子率いるザ・ラモナ・フラワーズ。日本との親和性、U2のようなスケール感の音楽を語る theramonaflowers_pickup9-700x467 【インタビュー】ダイソン創業者の息子率いるザ・ラモナ・フラワーズ。日本との親和性、U2のようなスケール感の音楽を語る theramonaflowers_pickup4-700x467

——(笑)。バンドとして変化したと感じることは?

デイヴ そうだな。最初に僕ら3人がバンドを初めていたところに、スティーヴとエドが加わったこともあって、最初はバンド内の関係性も今とは全然違っていたと思う。でも今は、全員が自分の意見を気兼ねなく言えるようになっているから、そこはかなり違うんじゃないかな。それぞれのアイディアがより曲に入ってくるようになったと感じているし、バンドとしての関係性がより強固に、タイトになっていると思うよ。

サム 今ちょうど、12月の再来日公演までに次のアルバムを仕上げようと思っているところなんだ。これはいいものになりそうで、自分たちの最高傑作になるんじゃないかと思う。

——どんな作品になりそうですか?

スティーヴ 今のところ、前作よりもっとアップビートな作品になっていて、今までとは少し違う雰囲気になっているんだ。これが僕らにとって重要な試金石になるんじゃないかな。今からみんなにどう受け入れられるのか、すごく楽しみにしているんだ。

【インタビュー】ダイソン創業者の息子率いるザ・ラモナ・フラワーズ。日本との親和性、U2のようなスケール感の音楽を語る theramonaflowers_pickup5-700x467

EVENT INFORMATION

The Ramona Flowers JAPAN TOUR 2017

2017.12.13(水)
OPEN 18:30/START 19::30
大阪 梅田シャングリラ
¥4,000(+1ドリンク)

2017.12.16(土)
OPEN 17:00/START 18:00
東京 原宿アストロホール
¥4,000(+1ドリンク)

TICKET NOW ON SALE:チケットぴあ(P:336-269) ローソン(L:52927) e+(pre:7/4-9)

企画制作:SMASH
協力: Distiller JAPAN / FABTONE Inc.

詳細はこちら

RELEASE INFORMATION

MAGNIFY

2017.07.12(水)
The Ramona Flowers
FBAC-029
¥1,500(+tax)

収録曲:
01. If You Remember
02. Take Me Apart
03. Numb Drunk
04. Designer Life
05. Tokyo
06. If You Remember (DJ BAKU + Zukie Remix)
07. Take Me Apart (Kiyoshi Sugo Remix)
08. Dirty World (Live from Milan)
09. Run Like Lola (Live from Milan)
10. Skies Turn Gold (Live from Milan)
11. Start to Rust (Live from Milan)
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text by 杉山仁
photo by Seiya Uehara