——今回はお2人にプロジェクトを体験してもらうために私物を持ってきてもらいましたが、これはいつ頃手に入れた、どんな思い出があるものなのか教えてもらえると嬉しいです。

大畑 私はまずはTシャツ。これは2年前から春夏にずっと来ていたもので、もうクタクタです(笑)。シミが出来て着なくなってしまったので、本当に染めたいと思って持ってきました。

——ずっと着ていたということはお気に入りのものなんですね。

大畑 これにデニムを履いちゃえばなんとかなるかな、と思うんですよ(笑)。それから、この白い帽子は初めて私がキャップを作った時のサンプルです。その時、黒、白、ピンクのサンプルを作ったんですけど、白だけは商品化しなかったんです。被ると運動会で子供が被る帽子のようになってしまって……。でも、黒ければ被れるなと思って。

※帽子は素材や形により、お受けできない場合があります。

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——大畑さんにとって思い出の帽子なんですね。

大畑 そうなんです。「コーデュロイだから染まるかな?」と思って半信半疑で持ってきました。これは型から作ったものですね。つばが曲がっているのも嫌だったし、長いのも嫌だったので、ジョッキー帽をイメージして作りました。シルエットがわかりやすいように無駄なものは一切つけなかったんです。最初に作ったキャップなので、本当に思い出が詰まっていますね。

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——半田さんは何を持ってきてくれたんでしょう?

半田 僕はジャケットです。すごく着たので襟元が黒くなっていたり、染料がついて汚れていたりするんです。それで最近はずっと着ていないんですけど、捨てられなかったのはすごくサイズ感が良いからなんです。これを着ると気持ちもシュッとするというか。何かの参考になるかと思って取っておいたんですけど、もう着ることはないと思っていたので良い機会ですね。

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——2つ目のアイテムは?

半田 このブランドは素材へのこだわりがすごくあるので好きなんです。今日来ているコートも同じブランドで。ただ、色に飽きてしまたんですよ。本当に気に入って買ったんですけど、友達の間でも「よく着てるな」と目立つというのもあって。

——黒く染めたら、「あれ、新しいの買ったの?」という話になるかもしれませんね。

半田 (笑)。伝統的な染め方だったら痛まないと思いますし、本当に楽しみですね。

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——今回『PANDA BLACK REWEAR PROJECT』を知ったことで、普段の生活でもリユースを生かせると思いますか?

半田 服ってやっぱり資源だと思うので、簡単に燃やしてしまうのはもったいないですよね。燃やす以外の方法があったら良いなと思います。

——燃やすと環境にもダメージを与えてしまいますしね。

半田 そうですね。何か別の方法に使えるようなことを、これから何かを作る時にもいつも考えられたらなと思いますね。

大畑 私の場合、セミオーダーの帽子ブランドを展開しているので、リボンをつけたり、取ったりできるようにするといいかも、と思いました。リボンの色を変えるだけでも雰囲気が変わるので長く使えるし、そうすれば全く別のものとしてまた命が吹き込まれるのかな、と。

半田 帽子のリユースって難しそうだよね?

大畑 たしかに。帽子でリユースって聞いたことがないかもね。型入れ職人の方の技術がないと、形状が変えられないから。

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――ああ、なるほど。

大畑 大きいサイズの帽子を、子供に引き継ぐために小さくするようなことができたら良いんですけどね。あとは、ニット帽を染められたりするといいかもしれないです。着なくなったジャケットの生地をマウンテンハットにしたりも出来ると思いますね。

——半田さんは建築でもリユースを考えたりしていますか?

半田 かなり考えていますね。最近は中古マンションを買ってリノベーションして住むのが流行っていたりと、「再利用する方が新築よりもお洒落なんじゃないか?」という風潮もありますよね。僕は家具に対してそのアプローチがなかなかないと思っていて、今ちょうど、家具と家具を融合させるようなプロジェクトをやっているんです。そうすると新しい発見があって、無駄に段差が生まれたりするんですよ。幅の違うテーブルを半分にしてくっつけたときに少し段差ができたりする。これってデザインされていないデザインで、それを柱に合わせたときに新しい使い方ができたりする。これは面白いと思っていて。服に対してもそういう方法があるのかなと、今日話していて思いました。「古くなったら捨てる」というのではなく、新しい使い方が色々とあるんじゃないかな、と。

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——服には着ていた時期の思い出も宿ったりしますよね。それを染め直してリユースすることで、そこからまた別の新しい思い出が生まれていくというのは、半田さんの家具のプロジェクトに通じることなのかもしれません。

半田 そうだと思います。そういえば、僕らが『テラスハウス』に一緒に住んでいた時に、(大畑さんの方を向いて)彼女の展示会をみんなで手伝って。その時にコンクリートの重たい石があまったんです。終わった後に「置く場所がないからどうしよう?」という話になって、半分をうちのアトリエに引き取って。すぐ取りに来るっていう話だったんですけど、それがいまだに僕の家にあるんです(笑)。でも、ただ置いておくだけなのもあれだなと思って、僕はまず棚として使ってみたんですよ。実はこれがなかなか使えたんですけど、石なので、モノを入れるときにいつも汚れてしまって。なので、「棚ではないな」と思って、今は机の脚にしているんです。それがぴったりで。

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——今はリユースされて半田さんの生活の中に溶け込んでいる、と(笑)。

大畑 半分はうちのベランダにあります(笑)。

半田 使えないと思っていたものがすごく使えるのって、嬉しい体験ですよね。

大畑 『PANDA BLACK REWEAR PROJECT』でも、服以外のものもリユースできたら面白そうですね。たとえば汚れやすい靴とか。他にも色々なものが染められたら良いかもしれないです。

半田 「これ他の色だったらなぁ」と思うこともありますよね。今のサービスだと、ベージュと黒のコートで悩んだときに、ベージュを買っておいて後で黒に染めることも出来そう。

大畑 染める+ズボンをスカートにするとか、染める+αできると良いですね。シャツをクッションカバーに変えるとか。

半田 もう一度服を資源として見直してみて、そこから何ができるかを考えると面白く発展するんじゃないかなと思いました。真っ白にもできたら楽しいかも(笑)。

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——はははは。最後に、お2人の今後の活動や目標について教えてください。

大畑 最近まで新宿のルミネでポップアップショップをやっていたんですけど、今は直営店がないので、「お店を出したい」というのが今の目標です。私はお客さんと触れ合う時間がすごく好きなので。セミオーダーのシステムを取り入れているのも、サイズを測ったり、コミュニケーションをとりながら一緒に帽子を選べる空間を作りたいという気持ちからなんです。帽子だけじゃなくて、そこに来てハッピーになって帰ってもらいたいので。

——実際に使ってくれる人と触れ合うことでデザインも変わりますよね。

大畑 そうですね。私の帽子を被ってくれる人のことが知れるし、それがモチベーションにも繋がるので。

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——半田さんはいかがでしょう?

半田 常に思っていることなんですけど、何かを作ったりすることで、意識改革ができたらいいなと思っているんです。僕は、自分自身に対してもそうなんですけど、日本人の無関心や事なかれ主義みたいなものに怒りを覚えているので。

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——人々の視点を変えられるようなものを作りたいということですね。

半田 ものの流れを逆にしてみたり、ヒエラルキーを逆さにしてみたり。「順序やことの次第が逆になったらどういう現状が起こるか?」ということがアーティストとして考えているところですね。服を脚から履いてみるという行為は一見バカに見えるかもしれないですけど、それがもしかしたらサルエルパンツのはじまりだったりするかもしれないですし。そういうものを自分でも作ってみたいんです。あとは、海外志向が強いので、早く海外で活躍できる人間になりたいです。

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―着なくなった服を黒く染め直してもう一度着る― PANDA BLACK REWEAR PROJECT【セカンドストリート公式】02

好評のため、『2nd STREET』の一部店鋪(23店)にて染め替えの申込み期間が2017年3月31日(金)まで延長されます。

EVENT INFORMATION

PANDA BLACK REWEAR PROJECT

2016.09.16(金)〜2016.11.23(水)
※一部店鋪(23店)にて染め替えの申込み期間が2017年3月31日(金)まで延長
詳細はこちら

photo by 横山マサト