——スタイルが違うと言えば、あなたたちとジェイムス・フォード、そしてジョシュ・ホーミとの付き合いも長くなりましたが、ジェイムスとジョシュはそもそも作る音楽が全く違いますよね。その全く個性の違う二人のちょうど真ん中にいることのできるバンドだと、新作を聴いているとつくづく感じました。あなたたちがジェイムス、ジョシュからミュージシャンとして受けた影響(何でもいいです、音楽性でも価値観でも)を、あらためて教えてもらえますか?

アレックス うーん、そうだな、参ったな・・・俺達は15歳くらいの時からクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのファンで、そもそもは、俺達のギタリストのジェイミーが・・・あいつの影響でよく聴くようになったんだ。彼らは凄く素晴らしいバンドで、今活動中のバンドの中でも最高のバンドのひとつだと思う。あの特別な感じがいいんだ。それが影響してるのは確かだろうな。後、一緒に仕事をしてみて、学んだりもするし。それで、俺達も、ジョシュと一緒に仕事してみて、何でもありってことに気づいたんだ。自分達が思うどんなところにもバンドを持っていけるっていうかさ。こういった経験がなかったら俺達もワンパターンになって、今頃は退屈なバンドになってたと思う。そうだな、うん、ジェイムスは、俺達のっていうか、ある程度スタジオでの5番目のメンバーみたいな存在で、彼に関しては俺達の中での暗黙の了解があって、彼なしで作業しようとしたんだけど、正直に言うと、ちょっとそれが難しかったからさ、俺達には彼が必要なんだよ。

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ – Lollapalooza 2013 Chicago (Full Concert)

——ちなみに、ジョシュ・ホーミとピート・トーマスが参加した曲を、それぞれ教えてください。

アレックス ジョシュは”Kneesocks”の最後の方で少し歌ってくれてて、ピートは”Mad Sounds”でパーカッションを叩いてくれてるんだ。それだけだ。

——”Mad Sounds”にはアラン・スミスが歌詞に参加しています。アラン・スミスといえば私にはサッカー選手しか思い浮かばないんですが、同姓同名のミュージシャンがあなたの周りにいるんですか?

マット  違うよ。

アレックス あのアラン・スミスじゃない。彼は・・・俺達が初めてシェフィールドでアークティック・モンキーズとしてスタジオ入りした時、アラン・スマイス(訳注:Smythはスマイスと発音するようです)と一緒にデモ作りをしたんだ。俺達の初期のレコーディングのすべては彼が担当してくれている。で、彼が80年代にワスプ・シンセサイザーか何かで作った“Mad Sounds”って曲があって、俺はそのタイトルと歌詞の一部を拝借したんだ。彼が、一度、俺達がスタジオにいる時に聴かせてくれて、当時の俺達はまだガキでさ、“the mad sounds in your ears, make you get up and dance”という歌詞があって、俺はそれが忘れられなくて、それである日その歌詞を使って曲を書いたんだ。

——マイケル・チャップマンを歌詞のインスピレーションとした理由は?

アレックス っていうかさ、どうだろうな、あのアルバムが凄く気に入ったってことなんだろうな。あのアルバムの2曲くらいがさ。アルバムのムードが俺にシックリきたんだ。一年ちょっとくらい前には、しょっちゅう聴いてたよ。まぁ、歌詞に影響を与えてるのはあのアルバムだけってことはないだろうけど、あのアルバムのエモーションが俺の感情を刺激したんだ。俺も、ああいったアルバムをいつか作れたらと思うよ。俺達のレコードで、誰か他人がそう思ってくれるようなさ。言ってること、わかるだろ?