よりナチュラルなボーカリゼーションを獲得した3rdアルバム『D.M.』時代のシングル曲はライブ定番曲も多数

“The Answer”(2010年)

ライブの頻度が増し、会場規模も大きくなるに連れ、よりナチュラルに力強く発声するために、新たなトレーナーの元、ボイス・トレーニングに臨んだこの時期の彼。その結実であるアルバム『D.M.』の先行シングル。スムーズさより、ざらつきすら自然に聴こえる本来の声と、力強く刻まれるビートが意思表示的なナンバー。

“Lullaby”(2010年)

打ち込みで作るトライバルなビートが、スケールの大きなミディアム・ナンバーのいいフックになっている、力強さも優しいボーカリゼーションも両方ものにしたこの時期の三浦大知ならではの1曲。ピアノも美しく、ライブでの中でもメロディを聴かせる場面で威力を発揮する。

三浦大知 (Daichi Miura) / Lullaby -Music Video- from “BEST” (2018/3/7 ON SALE)

“Turn Off The Light”(2011年)

アルバム『D.M.』では作詞、作曲に挑んだが、シングルでも作詞にトライ。ダンスホール・レゲエとヒップホップを融合したこの曲は作詞をleccaと共作している。主旋律以外のコーラス部分やダブルにしたボーカルなど、声での表現の幅がぐっと広がった印象だ。

ファンキーなR&BチューンもJ-ポップ領域のバラードも、全方位に振り切った、『The Entertainer』を地でいく楽曲群

“Two Hearts”(2012年)

チャート9位を獲得し、初めてベスト10に入ったナンバー。ちなみにリリースの翌日には初の日本武道館公演を成功させている。穏やかなビートに乗って、愛を確認するエモーショナルなボーカル。J-ポップ領域にもR&Bファンにとっても普遍的なバラードだ。

“Right Now”(2012年)

「振り切ったもの」がテーマだったアルバム『The Entertainer』でも“I’m On Fire”とともに強烈な印象を残すのがこの曲だ。バンドもJ-ポップシーンも、まだ全面的にEDMを取り入れていなかった2012年に、痛快なまでにEDMにアプローチした気概。T.KURA/michicoとの初タッグが功を奏した。発表時はもちろん今もライブの山場を作る重要曲。同曲でチャート7位という当時の自己最高位を獲得している(「シングルとしては“Right Now/Voice”の両A面)。

三浦大知 (Daichi Miura) / Right Now <Part.1> -Music Video- from “BEST” (2018/3/7 ON SALE)

“Voice”(2012年)

“Right Now”とは対照的にある種の重さを携えた深みのあるナンバー。作詞を三浦大知自身が手がけ、作曲は三浦大知とUTAが担当している。強がることが強さではないと、自問し葛藤する心情がリアルに描写された重要な1曲。アルバム『The Entertainer』には未収録。

“GO FOR IT”(2013年)

全方位に振り切ることをテーマにしたアルバム『The Entertainer』は、つまりライブにおける全方位のエンターテイメントに通じているということ。その中でも“GO FOR IT”はライブの多様性を意識したと思われるファンキーなR&Bダンスチューン。ループするサンプリングのように聴こえるサックス・リフも印象的な、ステージのここぞ!という場面で気持ちがグワッと押し上げられるナンバーだ。

三浦大知 (Daichi Miura) / GO FOR IT <Part.1> -Music Video- from “BEST” (2018/3/7 ON SALE)