<フジロック’14>や<サマーソニック2014>のラインナップが続々発表され、徐々に冷房が恋しい季節になってきた今日この頃。「国境の長いトンネルを抜けると……そこは太陽がさんさんと照りつける常夏だった」なんて妄想を繰り広げている人も多いのでは? そう、じめっとした梅雨が完全に終われば、季節はもう夏。海、水着ギャル、アイス、スイカ……そして音楽ファンにとっては夏の定番ソングを引っ張りだして楽しむあの季節の到来なのだ。

だとしたら、あなたのこの夏のBGMは一体何? ジャック・ジョンソンを筆頭にしたサーフ系でレイドバックするもよし、サマー・アンセム満載のダンス・ミュージックで夏のレイヴ感を楽しむもよし。レゲエやボサノバで踊るのもいいでしょう。しかし。ちょいとみなさん、この男たちを忘れてやしませんか。04年に世界デビューを果たすと、以降も精力的なライヴの評判などでテキシカン・ロックの代表格となったヘンリー(G)、ジョジョ(B)、リンゴ(Dr)のガルザ3兄弟からなるロス・ロンリー・ボーイズ。ポール・マッカートニーら大物たちのお気に入りとして、もしくは大の親日家として知られる彼らは、12年にやっとこさの初来日を果たすと、13年の年末(海外は14年)に3年ぶりの新作『レヴェレーション』を発表。今年に入って再来日も実現して日本での知名度もさらに上昇中だ。今回は「夏だ! 海だ! ロス・ロンリー・ボーイズだ!」と題して、カラッと陽気な彼らのオススメソングを3曲ご紹介!

ロス・ロンリー・ボーイズ オススメソング3選!

その1: “ダイヤモンズ” [『ロス・ロンリー・ボーイズ』(04年)収録]

ロス・ロンリー・ボーイズの音楽が夏を連想させるのは、何と言っても温暖な気候を誇るテキサスの風土とラテン風味によるもの。中でも代表曲のひとつ“ダイヤモンズ”は、冒頭で割り込んでくるユニゾン・ギターやバックで鳴るパーカッションが夏の息吹を連れてくる彼ららしいポップ・チューンだ。しかも歌われるのは、「ダイヤモンドは手に入らない。リッチマンにも一生なれない。でも僕には君がいる」というド直球なラヴソング。そう、夏と言えば恋の季節でもある。同じくファーストからは、トロピカルなギター・コードが彼らのソングライティングの妙を際立たせる“ノーバディ・エルス”も捨てがたい!

その2:“16モンキーズ” [『ロックパンゴ』(11年)収録]

前作『ロックパンゴ』からは、エレクトロ風味やブルースを基調にしたファジーなギター・フレーズが陽気な雰囲気を連想させる“16モンキーズ”。途中歌詞での引用を受けてユーモラスに挿入される「♪バットマーン!」をみんなで叫べば、夏っぽいお祭り感覚も味わえることうけあいのはず。本国では自主レーベルからリリースしたものの、日本では担当氏の熱意によってメジャーから発売された『ロックパンゴ(=ロック・パーティーの意)』において、“フライ・アウェイ”と共にシングル曲になった。

その3:“ヘヴン” [『ロス・ロンリー・ボーイズ』(04年)収録]

最後は絶対にはずせないロス・ロンリー・ボーイズのアンセムにして、夏の定番ソングとしても挙げられることの多いこの曲を。夏のそよ風を思わせる軽やかなメロディーはこれからの季節にピッタリの雰囲気だ。実はこの曲、18歳で父親になったヘンリーが、息子を乳幼児突然死症候群(SIDS)で失った悲しい体験から作られたもの。けれど、エリック・クラプトンが同じく息子を亡くして生み出した “ティアーズ・イン・ヘヴン”を自ら歌わないのに対して、このテキシカンたちはライヴでもバンバン披露。悲しみも全部共有して、笑い飛ばしてしまうのだ。楽しいだけが夏じゃないんだよ!

・・・

たとえば車で海に向かう途中で、日が暮れて辺り一面オレンジになる夕方の浜辺で、海の家のカウチで、ビアガーデンやBBQからの帰り道で。ロス・ロンリー・ボーイズの音楽は夏のサウンドトラックとしてひと夏の体験に寄り添ってくれるはず。今回WOWOWでは、そんな夏を前に田口トモロヲがMCを務める『洋楽主義』でロス・ロンリー・ボーイズを大特集。プロモーション・ビデオやライヴ映像、インタビューなどでアーティストを掘り下げる「観るベスト・アルバム」とも言えるこの番組で、夏を楽しむ準備を進めちゃいましょう!

(text by Jin Sugiyama)

Program Information

洋楽主義 #65「ロス・ロンリー・ボーイズ」
2014.06.08(日)24:30
放送チャンネル:WOWOWライブ

番組詳細はこちら!

Release Information

[amazonjs asin=”B00E7FSODO” locale=”JP” title=”レヴェレーション”]