まるでミーカやフレディ・マーキュリー存命時のクイーンを思わせるドラマチックなポップ・サウンドで注目を集め、昨年ミニアルバムのリード曲“Slave of Love”が「Google Play Music 音楽のある生活・ウェルカム篇」のCMに起用された、愛知県生まれのシンガーソングライター、ビッケブランカ。彼がデビュー・アルバム『FEARLESS』を完成させた。

SKY-HIへの楽曲提供も! ポップ職人ビッケブランカのこれまで

ビッケブランカ“Slave of Love”

ビッケブランカはすべての楽曲の作詞/作曲、アレンジを手掛ける山池純矢のソロ・プロジェクト。マイケル・ジャクソンやSMAP、ミーカなど様々なアーティストに影響を受け、“純真無垢な海賊の下っ端”という意味のビッケブランカ名義で‘12年頃から本格的に活動をスタートさせると、’14年にミニアルバム『ツベルクリン』を、’15年に2ndミニアルバム『GOOD LUCK』を発表。

その後メジャーに移籍すると、スムージー「エンナチュラル」のCMソング“Natural Woman”や‘16年10月のメジャー初となるミニアルバム『Slave of Love』をリリースして東京・渋谷WWW公演を含むツアーを盛況のうちに終了。「ミュージカル調のクイーンっぽい曲をやりたい」と思っていたSKY-HIがラジオで彼の曲を耳にしたのがきっかけで、’17年の3 rdアルバム『OLIVE』の“Over the Moon”にトラックを提供したことも話題になった。

幅広い音楽性と声域が生み出すマジカルなポップ・ワールド

ビッケブランカ“ファビュラス”

The Buggles – Video Killed The Radio Star

ビッケブランカの音楽の最大の特徴は、次々に場面が転換するミュージカルのような楽曲構成と、日本語詞/英語詞を織り交ぜた低く特徴的な歌声&よく伸びる高音のファルセットを自在に行き来するボーカルワーク。そして、洋邦問わず古今東西のサウンドからの影響を詰め込んだバラエティ豊かな音楽性。これはたとえば、‘15年の『GOOD LUCK』に収録されていた人気曲“ファビュラス”を例にしてみると分かりやすい。

この曲ではミーカを思わせるピアノを基調にしたポップ・チューンの上で、特徴的な地声とファルセットが自在に切り替わり、サビではバグルスの“ラジオスターの悲劇”から引用した「Oh-a-aho oh」というコーラスを挿入。音楽性/声の音域ともに幅広いキャパシティを持っていることが、ビッケブランカのマジカルなポップ・ワールドを支えていることを象徴するような楽曲だ。ロック、ヒップホップ、ファンク、ミュージカル、J-POPらしいバラードまでを自在に行き来する雰囲気は、まさにポップ・マエストロといった言葉が最も似合うんじゃないだろうか。