みなさん、こんにちは! 先日のWWE東京公演では、観客の大歓声に囲まれてあるサプライズゲストが登場しました。そのサプライズゲストとは……そう、日本女子プロレス界のトップを牽引し続け、「逸女」と呼ばれる紫雷イオ選手。公の場で、自らの言葉でWWEへの入団を発表したイオさんは、早速今月の「メイ・ヤング・クラシック」への出場が決まっています。「メイ・ヤング・クラシック」といえば、昨年はカイリ・セインさんが優勝した大会なだけに、イオさんの活躍にも期待が高まりますね。今回はまだアメリカに渡って間もないイオさんに、電話インタビュ―という形でお話を伺うことができましたので、ご紹介したいと思います。
(※日本時間8月9日(木)、10日に開催。その模様は後日WWEネットワークで独占配信される(詳細は後日発表)。決勝戦は日本時間10月29日PPV「エボリューション」内で行われ、WWEネットワークで独占ライブ配信される。)
Interview:紫雷イオ
——アメリカに渡って3週間くらいですが、そちらの生活はいかがですか?
日々の暮らしとしては、何もかもが違うので、思い通りにいかない事とちょっとずつ戦ったり慣れたりしながら過ごしてますね。でも、WWEのパフォーマンスセンターでの生活に関しては、私も長いことプロレスやってますし、メンバーの中には日本にきたことのある選手もいますので、カイリも含めて知ってる顔が思ったよりたくさんいて、自分はここでもすぐに生きていけるなという確信は持てましたね。
——カイリさんとは食事に行ったりしてますか?
してますね。めちゃめちゃ助けてもらってます。やっぱり、日本でずっと一緒にやってた絆というのは消えないですね。1年ぶりに会ったんですが、こっちの生活で言うとカイリの方が1年先輩で、彼女の順応ぶりはものすごくリスペクトしてます。
——アメリカでは普段何をして過ごされていますか?
あまり自由な時間がないのと、会社から出された課題をやっているうちに毎日が終わっているので、けっこうヘトヘトで(笑)。慣れなきゃいけないことが多いタイミングなんで、疲れますね。
——カイリさんから何かアドバイスってありましたか?
カイリはいつも「イオさんなら大丈夫ですよ!」って言ってくれます(笑)。
——去年カイリさんが優勝した「メイ・ヤング・クラシック」に出場が決まっていますが、それに向けての意気込みを伺えますでしょうか。
めちゃめちゃ意気込んではいますね。まだ私、アメリカに来てから試合に出てなくて、たぶん「メイ・ヤング・クラシック」がデビュー戦になりそうなんですよ。私としては6月の日本での壮行試合から8月の「メイ・ヤング・クラシック」まで試合が無いので、早く試合がしたくてウズウズしてます。なので、トーナメントでは絶対爆発させるぞっていう気持ちがありますし、去年カイリが優勝したのは、良い刺激にもプレッシャーにもなってます。
(※日本時間8月9日(木)、10日に開催。その模様は後日WWEネットワークで独占配信される(詳細は後日発表)。決勝戦は日本時間10月29日PPV「エボリューション」内で行われ、WWEネットワークで独占ライブ配信される。)
——ワクワクとプレッシャー、今は比率で言うとどっちが大きいですか?
ワクワクしてる気持ちの方が大きいです。もちろん、エントリーされたからには優勝しようと思っていますが、肩に力入りすぎても勝てないのがプロレスですし、特にWWEに関してはそれが強いんじゃないかと分析してて。こちらでショーなんかを観ていると、WWEの中では強さが必ずしも正義ではないなとも感じていますし。勝者は勝者なんですが、勝者が必ずしも正義ではないなっていうのは思いました。なので、内容も充実させた上で結果も出したいですね。とにかく大きな舞台を与えてもらったので、世界に衝撃を与えるインパクトを残したいですね。
あとは、お客さんの心を掴む技術を身につけたくて、他の選手を観たりショーを観に行ったりしています。言葉が伝わらないのは少なからず弱点の要素にはなると思うので、それをちゃんと理解した上で、補う努力をしようとは思っています。
——カイリ選手以外の日本人選手とは会われていますか?
アスカさんと中邑さん、イタミさんは日本公演で会いましたが、こっちきてからは会ってないですね。戸澤さんとは会ってないですが、ちょこっと電話で会話はしました。スマックダウンと205とNXTで生活が全然違うので。私も来る前は一緒だとは思っていたんですが、こっち来てみるとアメリカ広いし、余程会おうとしない限りはなかなか会えないですね。あとは、皆さんお忙しいですし、我が道を行くタイプの人が多い気もするので(笑)。でも、アメリカ来たらそうならないといけないだろうし、それが正解なんだと思います。
——WWEがちょうど女子に力を入れて規模を拡大しようとしているタイミングでの入団になりましたが、それに関しての思うことはありますか?
WWEの女子は元々「ディーバ」と呼ばれてましたが、今は変わって男子と同様に「スーパースター」と呼ばれていて、それってすごいことだと思うんですよ。
数年前にWWEの試合を観たときは、自分みたいな人間がWWEのリングに立てるなんて思いもしなかったですし、今はきちんとレスリングの技術を磨いていかないと生き残っていけない世界だと思いますね。今度女子だけの大会「エボリューション」が開催されるのも素晴らしいですし、世界中が注目する中、そんな風に団体が変わっていくタイミングで、自分もその団体に関われているというのはすごくワクワクします。私は今までの女子プロレスの「女子」の概念を変えられる選手だと思っていますので、一緒に頑張っていきたいですね。
——日本で何度もベルトを賭けて対戦したトニー・ストーム選手も「メイ・ヤング・クラシック」への出場が決まりましたが。
日本でやってたような試合をそのままできると思うので、ぜひやってみたいですよね。日本でやってた選手が世界の場でやれるのはすごい事だと思いますし、しかも今回は国の代表として看板を背負ってやりますからね。自分たちがやってきたことが世界に届いてきているのは、今までの努力が報われたのかなって思います。でも、トニー以外にも一緒にやったことがある選手がいるので、それは私がその分長くプロレスやってきたのもそうですし、日本にいた時の社長が世界中の選手を私に当ててくれた事での賜物だなって思いますね。
——やはり話を聞いていると、自信がありそうですね。
自信もありますけど、もちろん不安もありますよ。自分が培ってきた感性と違う感性を持った人たちと試合しないといけないですし、アメリカに寄せる部分と自分を貫く部分のさじ加減は悩みどころだったりしますけどね。
——少し話は変わりますが、そちらでの食生活とかいかがですか?
めっちゃ苦労してますね(笑)。食生活以外にも、例えば銀行とかって日本でもなかなか面倒じゃないですか。こっちだと言葉も通じないし、やろうとしたことが何ひとつ上手く行ってないですね。最初ホテルで暮らして、仮住まいのアパートに移って、その後またアパート移って、今は自分が借りたアパートの入居待ちで。3週間の間に家が3〜4回変わっているので、大変です。
——ご飯は自炊してますか?
自分で炊いたお米が美味しくなくて、けっこう凹んでます(笑)。まだ慣れてないんでね、自分がアメリカに順応すれば美味しいものも食べられるんでしょうけど。慣れれば大丈夫だと思うので、あとから振り返ったらこの生活も楽しかったと思えるんでしょうね。今は毎日勉強ですね。愚痴っぽくなってますが(笑)。
——日本にいた時とトレーニングのメニューは変わりましたか?
トレーニングの内容はけっこう違いますね。日本だとひたすら反復練習をやったりして、体や技術を鍛えながら心も鍛えるという部分が大きいと思うんですよ。アメリカでは、けっこう理論的に教えてくれる事が多いのかなとは感じています。あとはジムとか含め、とにかく設備がすごいのと、過去の試合が全部記録に残っていて、全員がアクセスできるようになっていたり。日本だとあり得ないような施設なので、すごいなって思います。全員のスケジュールがアプリで管理されてたり、室内でもドローン飛ばして撮影したり、本当に最先端ですごいですよ(笑)。
——それでは最後に日本のファンに向けてひと言お願いします。
おかげさまで日本で大きく成長させてもらって、世界に羽ばたくチャンスを掴ませてもらったところなので。これから皆さんの期待を背負って一緒に夢を叶えますので、共に夢を追いましょう。
以上、紫雷イオ選手へのインタビューでした! 今回の「メイ・ヤング・クラシック」には世界中の女子選手がエントリーされる中、日本人選手も紫雷イオ選手、里村明衣子選手、松本浩代選手の3名の出場が決まっています。世界という舞台で日本人選手がどのような活躍を見せてくれるのか、非常に期待が高まりますね。次回のみちくさボンバイエもお楽しみに、それでは。
EVENT INFORMATION
「メイ・ヤング・クラシック2018」
2018.08.09(木)〜2018.08.10(金)※日本時間
※日本時間8月9日(木)、10日に開催。その模様は後日WWEネットワークで独占配信される(詳細は後日発表)。決勝戦は日本時間10月29日PPV「エボリューション」内で行われ、WWEネットワークで独占ライブ配信される。
フロリダ州オーランド、フルセイル大学
詳細はこちら