“意味”や“理屈”というものに囚われがち。思ったことを“素直”に“率直”に述べることがどうしても難しいこのご時世。――芸術家やミュージシャン、無論映画監督などの表現者までにもそういった傾向がこの頃見受けられる。しかし、“笑いのカリスマ”こと松本人志は違った。“映画界”という新たなステージに立ち、『大日本人』(07年)、『しんぼる』(09年)、『さや侍』(11年)と正に唯一無二な作品を世に送り出してきた松本人志監督。そして、10月5日より公開される彼の第4作目となる『R100』は、まさに“意味”や“理屈”といった事から逸脱した極上の芸術作品となっている。

松本監督本人の言葉をお借りすると「アホの極致」となった本作品は、「『さや侍』は映画らしい作品にした感じがあるので、次は振り切れるだけ振り切ってやろうかなと。R-80(80歳未満鑑賞禁止)にする」と言った監督の言葉が企画の始まりだったらしい。気になるストーリーは、都内有名家具店に勤務する片山貴文(大森南朋)を中心に物語が展開される。一見、真面目なサラリーマン風な彼には、謎のクラブ「ボンデージ」に入会してしまったという秘密があった。以降、片桐はいり、冨永愛、佐藤江梨子、渡辺直美らが演じる色々なタイプの美女達が片山を“様々な方法”で翻弄していく。しかし、内容は次第にエスカレートしていき、女性たちは彼の職場や家庭にも現れるようになる。耐えられなくなった片山はプレイの中止を求めるが、一向に受け入れられない。さらなる予測不能の事態が次々と巻き起こる中、その先に彼が見たものとは一体何なのか。劇場に足を運んで、ぜひその目で確かめて頂きたい。

そして、Qeticでは本作の公開に際し、本作に出演した片桐はいりにインタビューを敢行した。訳あって、彼女の具体的な役柄をここで話すことはできないが、このインタビューを読んで彼女の役柄を想像してもらえると、より一層本作を楽しめるだろう。また、松本人志監督との意外な出会い、彼女の映画に対する姿勢など、普段映画やテレビを通しては知ることのできない貴重な話も紐解くことができた。

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