NIKEやユニクロなどの広告映像や、舐達麻「BUDS MONTAGE」、Chase&Status ft. Irah「Program」など国内外のミュージックビデオ、ショートフィルム他、数多くの作品を手がける映像監督・木村太一が、自身初の長編映画作品となる『AFTERGLOWS』を制作開始したことが発表された。

木村太一は、2016年に東京の裏側とそこで生きる若者を独自の視点で描いた短編映画『LOST YOUTH』を発表し、世界最大の配信サイト「Boiler Room」にて映像作品では初となる全世界配信を実施。また、2020年5月には、短編映画『Mu』をBoiler Roomの映像プラットフォーム「4:3」にて公開。ユースカルチャーに造詣が深く、その暗部に光を当てた作品は、映像美とともに世界中から高い評価を得ており、現在次回作が最も期待される映像監督の一人だ。

全編白黒撮影。新鮮な視点で東京の光と影を取り込む

木村太一が初の長編映画作品『AFTERGLOWS』を制作開始|舐達麻のMVなどを手掛け、国内外から高い評価を得る映像監督の意欲作に朝香賢徹やMEGUMIらが出演 film210210-taichikimura-1

様々な作品の発表と並行して、自身初の長編への構想を練り上げてきた木村が挑む本作『AFTERGLOWS』は、短編『Mu』で築いたエッセンスを引き継ぎ、次のレベルへと昇華させたオリジナル脚本の意欲作。撮影は全編白黒で行うことにより、強いコントラストで東京のネオンを強調し、幻想的な背景として演出。クラシックでありながら、新鮮な視点で東京の光と影を作品に取り込むことを試みている。

主演の朝香賢徹MEGUMIら、木村の想いに賛同するキャスト、スタッフが集まり、2月より順次国内にて撮影を開始。今後、海外映画祭への参加や、国内外での劇場公開に向けて準備を進めていくとのこと。今後の活動に注目だ。

『AFTERGLOWS』STORYLINE

一年前、不倫報道をきっかけに激しいメディアリンチに遭い、ストレスで自殺してしまった元アイドル歌手・小松さゆり。
夫・守島輝は元々は大手広告代理店でコピーライターの仕事をしていたが、恵を失ったことをきっかけにタクシー運転手
として生きる。
メディアへの復讐心を抱きながらも輝はラジオ番組を通して、自身の生活を赤裸々に語り、社会との繋がりを保っていた
が、ある日、財布の忘れ物を届ける際にちさよという女に出会うことで、輝の愛がまた一つ狂い始めていった…

朝香 賢徹(守島輝役)コメント

今回、木村太一監督の初長編作『AFTERGLOWS』主演の守島輝役に選んで頂き心からの感謝と共に、この作品に関われる事の意義、輝(アキラ)という人間の示す究極の愛のカタチを太一監督はじめスタッフ、キャスト全員で激論を毎回交わし合い、作品への情熱と理解を深めています。そしてこの作品への大きな手応えを感じつつ、少しでも多くの皆様に届けられるように毎日祈るように準備をしています。自分がこの作品で描かれていると思っている。「天国のような地獄」と「地獄のような天国」に輝は生きています。絶望せざるを得なかったエゴイスティックな男が最後まで突き通そうとしたものはなんだったのか? そもそも愛とはなんなのか? 今まで誰も観たことがない映像美と心がヒリヒリするような感動と衝撃を多くの皆様に楽しんで頂けるよう撮影に臨みたいと思っています。

MEGUMI(小松さゆり/永山ちさよ役)コメント

今回木村監督がこの作品を撮るという噂を聞きつけ、絶対に参加したいと手を上げさせて頂きました。個人的にこの作品のテーマは「人間の執着」だと思っています。 自分ではコントロール出来ない、この執着という物によって人生が光り、闇をもっていく。そんなプロセスを海外で生活する木村監督の目線で 私達日本人の控えめであり繊細な心情をシッカリと切り取られています。全ての方が共感出来る作品だと思います。全編モノクロの美しい映像も是非堪能して頂きたいです。

竹下 景子(ラジオの声役)コメント

生、死、孤独、愛が乱反射する独自の世界に惹かれました。主人公の苦悩は今を超えた普遍性を持ってこちらに迫ってきます。私の朗読が作品の深化に貢献できればこんなに嬉しいことはありません。出会いに感謝しつつ、木村監督の新たな才能の開花に期待しています。

木村 太一(監督)コメント

自分の人生は映画に出会ってしまったが為に「呪われている」という感覚に常に襲われている。
映画に出会わず、別の物を愛していたらもっと自由のある人生が待っていたのかもしれないと常に思っていて、自分の物作りにおいて
「愛」は一つの大きなテーマです。
人や物を愛する事は最も美しい行為である同時に、自分の周りが見えなくなるほど没頭し、気付かずに周りの大切な人達や環境を傷つ
けている事が多いです。
それでも、手に入れたいと思う人間の欲望こそが「愛」であり、皆さんも共感できる「呪い」だと思っています。
「果たしてこの感情は人間に必要なのか?」と常に疑問を感じているのです。この主人公・輝もその呪いにかかっている一人で、僕は
僕なりにこの映画を通して何かしらの答えを生み出したいと思っています。
木村太一が初の長編映画作品『AFTERGLOWS』を制作開始|舐達麻のMVなどを手掛け、国内外から高い評価を得る映像監督の意欲作に朝香賢徹やMEGUMIらが出演 film210210-taichikimura-2
Photo by Jun Yokoyama
木村太一
1987年 東京生まれロンドン在住の映像監督。
映画監督を目指し12歳で単身渡英 、映像制作を学ぶ。
ロンドンのCentral Saint Martins College of Art and Design(セントマーチンズ)、London College of Communication(LCC)で学び、現在イギリスと日本を拠点に映像ディレクターとして活動。
2015年に制作したミュージックビデオ・GRADESによる「KING」がイギリス最大のミュージックビデオ祭UK MUSIC VIDEO AWARDにて最優秀ダンスミュージックビデオにノミネート。イギリス国内問わず、世界的に脚光をあびる。
2016年、自主制作短編映画「LOST YOUTH」が、Boiler Room初の映画上映となり、話題を呼ぶ。
2017年にはデイビッド・リンチがオーナーのパリにあるプライベートクラブ「SILENCIO」にて招待上映など、海外メディアで高い評価を受けた。
2019年には暗黒舞踏をテーマにしたドキュメンタリー「DARK BALLET」、ショートフィルム「Mu」「Kaiko」を立て続けに発表するなど、多岐に渡り活動している。

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INFORMATION

AFTERGLOWS

【キャスト】
朝香賢徹:守島 輝
MEGUMI:小松 さゆり/永山ちさよ
小家山晃:袴田
竹下景子:ラジオの声

【スタッフ】
監督:木村太一
脚本:木村太一、平松卓真
エグゼクティブ・プロデューサー:平松卓真、白田尋晞、木谷謙介、志村龍之介
プロデューサー:田川優太郎
撮影:上原晴也
照明:熊野信人
音響:小野川浩幸
美術:安田昂弘、福田哲丸
音楽:トーマス・ヤードリー

木村太一