——お互いが新たな要素を持ち寄ることで、様々な楽曲が掛け算のように進化して、オリジナルとは異なるものに変化していくということですね。

ポーター そもそも、僕らはそれぞれ全く違うアプローチを持った人間なんだよ。だからその2つが合わさることで、お互いの曲も新たな表情が引き出されていく。ヒューゴ(マデオン)は音楽的にもパフォーマンスにおいても素晴らしい才能をもっていて、僕よりもオールマイティに何でもできる。彼は11から12歳の頃にマジックのネタをネットで発表していたくらいだからね(笑)。今回そんな彼と一緒にスタジオに入って、ツアーをすることができて、色々と勉強になったし、彼のこれまで知らなかった顔も知ることができた。

Madeon – Pop Culture (live mashup)

▲マデオンが17歳で公開し話題になったライブマッシュアップ動画。39曲がマッシュアップされて1曲になっている。

マデオン 逆にポーターは僕よりアナリティカルで「こうしたらこうなる」ということを正確に分析して進めていく人間なんだ。たまに「これも計算したの?」と聞くと「何も考えてないよ」ということもあるけれど(笑)、彼が生み出すものはアートにしてもだいたいすごく考え抜かれて、細かなディテールまで計算されている。ポーターは僕の人生におけるヒーローだよ。もし彼に会っていなかったら、今の自分は違う人間だったんじゃないかな(笑)。昔はもっと「ライバル」って感じだったから、こうして仲のいい親友になったのはすごく不思議な感じもするよ。

——<シェルター・ライブ・ツアー>で最も記憶に残っていることを教えてください。

マデオン それは沢山あるけど、何よりも記憶に残っているのは1回目のアトランタでの公演だね。75分のセットということもあって準備することが沢山あったから、それまでは外の世界から離れてずっとスタジオにこもりっきりだったんだ。僕ら自身、実際のライブがどんな風になるのかまったく分かっていなかったし。でも、初めてこの形式でのライブをやって、それに観客のみんなが応えてくれる姿を見たときに、やっと色んなことから解放されて、すごく落ち着いた気分になった。スタジオで作り上げてきたものがやっと形になって、お互いに感極まって泣いてしまったよ。

ポーター 僕もその瞬間が印象的だったな。それに時間も沢山使ったし、準備を重ねていく中で、次第に何かよくて何がよくないのか分からなくなってきたりもして。でも、ステージに上がった瞬間に、「今までやってきたことは無駄じゃなかったんだな」と感じられたんだ。自分たちが納得のいくものをみんなに見せることができて、本当に最高だった。

マデオン あとはツアー中に、ポーターと音楽の話ができたのも嬉しかったな。ちょうどこのツアー中に、ザ・ウィークエンドと僕らが大好きなダフト・パンクがコラボレーションした“アイ・フィール・イット・カミング”が出たんだよ。最高のタイミングだよね(笑)。それで一日中聴いていた。この曲を聴くと、今後も今回のツアーのことを思い出すんじゃないかな。

I Feel It Coming – The Weeknd Feat Daft Punk

——日本滞在中に印象的だった出会いや出来事というと? ポーターは日本のカルチャーに詳しいので、マデオンは優秀なガイドと一緒に日本を回ることになったと思います。

@porterrobinson @kojiharunyan Twitterより
▲ポーター・ロビンソンと小嶋陽菜(16年10月)。

@INTSonyMusicJP Twitterより
▲ポーター・ロビンソン&マデオンと中田ヤスタカ。(17年2月)

@INTSonyMusicJP Twitterより
▲ポーター・ロビンソン&マデオンとbanvox。(17年2月)

ポーター 色んなことがあるけど、僕の中で1番印象に残っているのは、日本に来るたびに足を運ぶ立ち食いスシ。僕は自分の好きなものや経験をシェアするのが好きだから、色々なものを彼に紹介してるんだ。そこにはもう25回くらい通っていて、今回ヒューゴ初めて連れていった時は、ちょうど彼がすっごくお腹を空かせてた。

マデオン あれは感動的だったね。泣けちゃったよ(笑)。僕はサイン会をしたタワーレコードでのイベントが印象に残っているかな。沢山の人が僕らに会うためにお金を出してCDを買ってくれて……。彼らと触れ合っているときに、自分の作っている曲を世界の裏側にいる誰かが聴いてくれているという実感が持てたんだ。今ってインターネットで世界中の人々に音楽を聴いてもらえる環境にあって、それはとても嬉しいことだけど、誰かが自分の音楽について話しているのを聞くのって、インターネットのビュー数とは比べものにならない喜びを感じることなんだよ。結局、そういうことが僕の心を動かすんだよね。

——とても貴重な経験になったんですね。2人が最初にネットの掲示板で出会った頃からすると、お互いアーティストとして成功して、一緒にワールドツアーまで行なっている現在は、驚きの未来と言えるんじゃないですか?

マデオン 本当にそうだと思う。出会った時の僕らはまだすごく若くて、ミュージシャンになりたくて、でもそれが現実になるとは思っていなかった。違った人生を送っていた可能性だって色々とあったと思うし、こうやってポーターと一緒に曲を作って世界を回れるなんて思ってもいなかった。でも今思うのは、色んな可能性の中でも、僕にとってはこれがベストだったということ。ほんと、これが1番のタイムラインだと思う。すべてインターネットの掲示板のおかげだね。あの頃ポーターと話したことを、今でも覚えているんだ。僕らは音楽に熱中していて、ある日「プロとしてやっていけると思う?」ってポーターに聞いたら、彼は「可能性はあると思う。絶対とは言えないけど。」って答えた。そこからお互いに、別のアプローチで同じ夢を追いかけてきたんだ。そんな2人がプロとして一緒に活動して世界を回っているなんて、こんなの奇跡以外の何ものでもないよ。

【インタビュー】ポーター・ロビンソン&マデオン ダフト・パンクからの影響、2人の友情が結実した『シェルター』へ至る道程を語る。 porterrobinsonmadeon__MG_0337-700x467 【インタビュー】ポーター・ロビンソン&マデオン ダフト・パンクからの影響、2人の友情が結実した『シェルター』へ至る道程を語る。 porterrobinsonmadeon__MG_0339-700x467 【インタビュー】ポーター・ロビンソン&マデオン ダフト・パンクからの影響、2人の友情が結実した『シェルター』へ至る道程を語る。 porterrobinsonmadeon__MG_0341-700x467 【インタビュー】ポーター・ロビンソン&マデオン ダフト・パンクからの影響、2人の友情が結実した『シェルター』へ至る道程を語る。 porterrobinsonmadeon__MG_0347-700x467

RELEASE INFORMATION

シェルター:コンプリート・エディション

【インタビュー】ポーター・ロビンソン&マデオン ダフト・パンクからの影響、2人の友情が結実した『シェルター』へ至る道程を語る。 porterrobinsonmadeon-700x700
NOW ON SALE
ポーター・ロビンソン&マデオン
製品番号 SICP-5181~3
レーベル名 ソニー・ミュージック
¥3,000(tax incl.)
[amazonjs asin=”B01MRX9NOW” locale=”JP” title=”シェルター:コンプリート・エディション(完全生産限定盤)(Blu-ray Disc付)”]
詳細はこちら

オフィシャルサイト

photo by 横山マサト