――池永さんは3.11を機に、違和感があることに向けて音楽を作っていると仰っていましたけど、池永さんにとって音楽を作り続けるための原動力って何なのでしょうか?

考えたことないなぁ。僕にとっての音楽活動は、決まった時間に集まって曲をつくるバンド活動ではなく、四六時中いつでも音を記録して構成する宅録が始まりだったので、体内に溜まったものを音楽でアウトプットすることって、普通のことなんですよ。頭の中にあるものをどう音にしようかなと、ずーっと考えてるだけであって。僕、溜め込んだものは吐き出さないとダメなんですよ。だから、その吐き出したいという気持ちが、原動力なのかもしれない。それをアウトプットする方法が音楽しかないので、音楽をやってるんですよね。僕にとっての音楽って、「さあ、歌おうぜ!」みたいなシンガロングじゃなくて、何か聴くことで、グッと一歩踏み出せるというか、単純に言えば気分転換でいいと思うんですよ。

――なるほど、気分転換ですか。

悩んでるときって、一晩寝て起きたら、「あれ、なんでこんなことを思ってたんだろう?」ってものすごく恥ずかしくなったりしますよね。夜中3時の気分と朝の気分の落差っていうか。でもみんな夜中3時を引きずってしまうというか、一度言ってしまった以上、引くに引けず辻褄会わせる為にどんどんドツボに陥ってしまう。気分はとうの昔に転換してるのにね。真面目なんですよ。もっと適当で良いと思う。寝て気分を転換して朝を迎えた方が次の夜中3時に向かえるんです。音楽も一緒で、悩んでるときにライブに行ったら、悩みが薄れていったり、案外そんなもんかって軽くなったりするじゃないですか。だから、原動力ってそんなに大きいものではなくて、そういうレベルのものなんですよ。そのレベルがすごく重要で、僕らがやってる音楽って、そういった凝り固まった気分の転換のためのものでもあると思います。

【インタビュー】あらかじめ決められた恋人たちへが記録する「旅立ち」のドキュメンタリーフィルム。池永正二が語る最新作『DOCUMENT』について。 feature130909_arakoi_ikenaga_11

(text by Shota Kato[CONTRAST])

photo by 鳥居 洋介
(インタビュー写真のみ:Taisuke Yamada)

Event Information

NO MUSIC,NO LIFE. presents
あらかじめ決められた恋人たちへ New Album『DOCUMENT』リリース当日フリーライブ

2013.09.11(水)@タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIO
START 21:30
入場:無料 (別途ドリンク代 500円のみ徴収)
LINE UP:あらかじめ決められた恋人たちへ
※イベント当 日21:00に1F階段前へ集合し、集合時間以降、お早くお集まり頂いた方からの入場となります。

“Dubbing 06″
あらかじめ決められた恋人たちへ Release TOUR 2013
[LIVE DOCUMENT]

2013.09.22(日)@京都メトロ w/LAGITAGIDA
2013.11.01(金)@大阪 梅田Shangri-La(ワンマン)
2013.11.02(土)@愛知 名古屋CLUBUPSET (ワンマン)
2013.11.09(土)@東京 代官山UNIT (ワンマン)
2013.11.16(土)@福岡 天神graf w/LAGITAGIDA,チーナ,百蚊,Hearsayrs
2013.11.23(土)@岡山 YEBISU YA PRO(all night)

Release Information

2013.09.11 on sale!
Artist:あらかじめ決められた恋人たちへ
Title::DOCUMENT(ドキュメント)
KI-NO Sound Records
KI-NO 001
¥2,600(tax incl.)

Track List
01. カナタ
02.Res
03.Conflict
04. へヴン
05. クロ
06. テン
07.days
08.Fly